| よくよく考えれば、他の人からするとそう見えて当然だ |
さて、今日のポルシェ718ケイマン。
718ケイマンはミドシップなのでフロントに収納スペースがあり、ぼくはそこへいつも荷物を収納しています。
その日は複合施設の駐車場にクルマを停め、フロントトランク内に入れておいたスポーツジム用の装備を取り出そうとフロントフードを開き、その中へと手を突っ込んでガサゴソとやっていたのですが、後ろから「手伝いましょうか?」と声をかけられることに。
たしかに普通の人はそこにトランクがるとは思えない
振り返って声の主を見ると、そこにはスタイリッシュな身なりの好青年が立っています。
ぼくとしては私物を取り出そうとしていただけなので、「手伝いましょうか?」と言われても手伝ってもらうほどのことはないしなと考えていたのですが、そう考えているぼくの怪訝な顔つき見て好青年は「故障ですよね?」。
そこでぼくはようやく「ああそうか」と悟ることになり、つまりボンネットを開いてその中を覗き込んでいると、傍から見たら「故障したクルマを修理している」ように見えることになります。
たしかにこれまでに乗ってきたポルシェ(911カレラ、ボクスター)で同じようにボンネット内をガサゴソやっていると「故障ですか?」と声をかけられることが何度かあったワケですね。
ただ、相手はもちろん好意から声を掛けてくれているので気分を害するわけにはゆかず、「ありがとうございます。ちょっと奥の方にあるモノを取り出そうとしていただけで・・・。このクルマはエンジンが後ろにあるので、トランクが他の車と違って前にあるんですよ。でも、こうやっていると、どう見ても故障しているクルマを修理しているように見えますよね」とにこやかに対応することに。
そして青年も718ケイマンのフロントトランク内を覗き込んで「考えてもみなかったのですが、ミドシップなのでエンジンが前になくて当然ですよね・・・」。
そこでもうちょっと話をしてみると、その青年は(少し奥に停めてあった)スバルWRX STIに乗っているそうで、そういったマニアックなクルマに乗っている人にとっても「前にエンジンがなく、かわりにトランクがある」ということは思いもよらず、トランクを開いてあれこれやっていると「故障で困っている」ように見えたそうです。
「フロントにはバッテリーなんかもあるので、ミドシップといえども故障の際にフロントトランクを開くことがあるのも間違いないんですけどね」ということで話も盛り上がり、聞けば「みんカラ」に登録しているということでめでたくみん友となったわけですが、もう20年もポルシェに乗っているぼくにとっての「フロントフードを開けるとそこはトランク」という常識が ”一般の人にとってはそうではない” ということに改めて驚かされます。
ちなみにずっと前の出来事ではあるものの、986ボクスターSに乗っていた頃、フロントトランク内からアンプやアッテネーター等の配線を室内に通すため、フロントトランク内にすっぽり入って家の前で作業をしていたところ、通行人にたいへん驚かれたこともあり、これもまた「オーナーとそうでない人とのギャップ」ということになりそう。
なお、気がつけばぼくは10年の間にランボルギーニを3台乗り継ぐことになったものの、それでもカウンタックやミウラの給油方法や(え?こんなところから入れるの?という)、リアにトランクがあるのを見て衝撃を受けたりするので、やはり人間は「見たことがないものを見ても、それを正しく認識することが難しい」のかもしれません。