｜ 吉田カバンとハイブランドとのコラボ製品は「単なるバッジエンジニアリング」ではない ｜
その価格差を納得させるだけの差別化要素がそこにしっかり盛り込まれている
さて、吉田カバン（ポーター）×ヴァレンティノ ガラヴァーニとのコラボレーションによる「2WAY VERTICAL TOTE BAG（264,000円）」を購入。
これはぼくが普段愛用している「ポーターPX バーチカルトートバッグ（59,400円）」の”ヴァレンティノ版”ということになりますが、その価格差はじつに4倍以上です。
まずはこの吉田カバン（ポーター）×ヴァレンティノ ガラヴァーニ「2WAY VERTICAL TOTE BAG」がどんなバッグなのかを見てみましょう。
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吉田カバン（ポーター）×ヴァレンティノ ガラヴァーニ「2WAY VERTICAL TOTE BAG」はこんな製品
この「2WAY VERTICAL TOTE BAG」にはこのボルドーのほかにカーキ、ブラックが存在しますが、ぼくが選んだのは「ボルドー」。
その理由としてはほかに同じような形状の（吉田カバンの）バッグでブラックとカーキをいくつか持っていること、そしてこのボルドーは通常のポーターのラインアップには存在せず、今回のコラボレーションでしか製品化されていないから。
なお、コラボレーションモデルだけあって保存袋はヴァレンティノらしいレッド。
証紙のたぐいも数種類付属しています。
表面にはポーターとヴァレンティノとのタグが並列に配置されています。
底板や・・・。
ショルダーストラップもヴァレンティノ特有の「トワル イコノグラフ」柄。
内側はヴァレンティノらしいレッドで、各ポケットの内側も「すべて」レッド。
ちなみにバッグ内側にホックで取り付けられているポーチは取り外して「簡易バッグ」としても使用することが可能です。
ポーターのPX バーチカルトートバッグとヴァレンティノ版「2WAY VERTICAL TOTE BAG」はどう違うのか
そこでポーター版の「PX バーチカルトートバッグ」と比較してみたいと思いますが、正直言って「けっこう差異があり」、これが同じバッグなのかと思えるほど全体の雰囲気そしてディティールに違いがあります。
構造やサイズは同じではあるものの、たとえば金具のたぐいはヴァレンティノだとすべて「シャドウクローム」。
ポーターPXだと「ペイント」ですね。
なお、ショルダーストラップの基本構造は同一ですが、その両端の処理は大きく異なり、ポーターPXの場合は「ミリタリーテイスト」。※PXそのものがミルスペックを意識したラインアップでもある
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ヴァレンティノはこう。
ポーターPXはこう。
そしてハイブランドだけあってヴァレンティノ版の底板のテーピングの合わせ目はレザーにてトリミングされ、継ぎ目がわからないように配慮されています。
ポケット開閉のベルクロ部にも差異があり、ポーターだと「スクエア」。
ヴァレンティノだと角を丸めていて、これはおそらく人体への攻撃性低減を狙ったんじゃないかと推測。
フロントポケットだとポーターは「マチあり」、しかし・・・。
ヴァレンティノだと別途マチを設けず、袋状の構造を持っており、これによって”柔らかく丸い”印象があります。
背面についてもそれは同じで、ポーターだとシャープな直線が出るように縫われており・・・。
ヴァレンティノだと丸さが出るような縫い方が用いられているようですね。
そしてポーターだとフロントポケットのタブが露出していますが・・・。
ヴァレンティノだと外から見えないように。
そのほかにも様々な差異が見られ、こういった細部の気遣い、そして全体的な雰囲気の演出はさすがにハイブランドといった印象があり、この価格差を「正当」と受け取るかどうかは人次第ではあるものの、ぼくとしては「それだけの価値はある」と考えています（フェンディとポーターとのコラボモデルを見ても、リセールは悪くなく、トータルの収支は悪くないはずだ）。
全体的に見て、ヴァレンティノが吉田カバンにタグを渡し「既存モデルの生地だけ変えてタグを貼り付けといて」と指示しただけのコラボ製品ではなく、ヴァレンティノがしっかりとデザイン段階から関与していることも理解でき、なかなかにいい買い物だったのかもしれません。
ポーターのPX バーチカルトートバッグとヴァレンティノ版「2WAY VERTICAL TOTE BAG」を比較してみた動画はこちら
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