| アストンマーティンはスポーツカー市場制圧に動く? |
アストンマーティンが「エントリーレベル」として6気筒バージョンのヴァンテージ発売について示唆。
現在ヴァンテージはメルセデスAMGより供給を受けた4リッターV8ツインターボエンジンを搭載していますが、今回アストンマーティンのチーフエンジニアが、同じくメルセデスAMG製6気筒ターボエンジン使用の可能性について述べています。
なおアストンマーティン・ヴァンテージの価格は1980万円なので、これよりも当然安くなる、ということですね。
衝撃のルックスで登場した新型アストンマーティン・ヴァンテージ。全てが新設計、電制デフも採用し1980万円
アストンマーティンはヴァンテージ”V12”を用意?ただし「現在の完璧なバランスが崩れる」と懸念
アストンマーティン・ヴァンテージは「数日で2018年分をほぼ完売」。今後変化するであろうスーパーカー市場の勢力図を考える
ポルシェを狙い撃ち?
アストンマーティンによると「環境規制がより厳しくなる中での対応」とのことですが、おそらくはそれよりも「ポルシェのシェアを食う」ことが目的にあると思われます。
当然価格も「求めやすい」ものに設定されると考えられますが、現在のヴァンテージが510馬力/1980万円、つまり「1馬力あたり38,823円」。
AMGの3リッター6気筒ターボは435馬力なので、これに38,823円を掛けると1689万円、という数字に。
おそらくはさらに価格を下げるために「装備を簡略化」して1500万円くらいに設定するのではと考えていますが、このあたりで「ポルシェ911カレラS」と同じくらいの価格となりますね。
ちなみにポルシェ911カレラSは420馬力、MTで1519万円、PDKで1584万円。
余談ではありますが、アストンマーティン会長のウルリッヒ・ベッツ氏は以前にポルシェで993などを設計した人物で、フォード傘下時代に企画した「ヴァンテージV8」はモロにポルシェ911を狙い撃ちした車となっていて(価格は1600万円)、ボディカラーもポルシェの用意していた「ポーラシルバー」「スピードイエロー」などポルシェと同じボディカラーを用意しており、ポルシェユーザーの呼び込みに躍起になっていたのは記憶にあたらしいところ(ウルリッヒ・ベッツ氏は2013年にアストンマーティンCEOを退き、後任はアンディ・パーマー氏に)。
なおメルセデスAMGはこの3リッター6気筒ターボを7速デュアルクラッチと組み合わせていますが、ヴァンテージが採用しているのはZF製8速AT。
ただし上述のチーフエンジニアによると「エンジンのキャリブレーションを変更することで対応できる」と語っており、「真剣に」これを検討していることもわかります。
アストンマーティンは現在DB11にてV8とV12、ヴァンテージではV8、そしてV12発売の可能性があるものの、今回ウワサが実現すればここに「6気筒」が加わることに。
さらにはヴァンキッシュも新型に切り替わり、「ミドシップ」シリーズもここに加わるとなれば相当に幅広いスポーツカーラインナップを持つことになりますね。
現時点では「4WD採用」という話は出ていないものの、これで4WDまで採用するとポルシェのみではなくフェラーリ、マクラーレン、ランボルギーニに至るまでを射程圏内におさめる可能性が出てくることになるわけで、「一気に勢力図が変わる」可能性もありそうです。