| 当時の経営体制下にてブリティッシュ・レイランドとの協業によって誕生する |
まさかこんなレアカーが存在したとは
さて、アストンマーティンは2011年にトヨタIQをベースに「シグネット」と呼ばれるマイクロカーをリリースしており、これはアストンマーティンなりに「CO2総量排出規制」に対応しようとしたもので、当時「アーバンモビリティに対するラグジュアリーなソリューション」として売りだされています。
当時の新車価格は475万円に設定されており、これはトヨタIQに比較すると「数倍」に相当する数値ですが、これはいったんIQの完成車を英国に運び、分解した後にアストンマーティン仕様へと変更したため。
なお、発売時には(5ナンバーで、500万円以下で購入できるアストンマーティンとあって)大人気になると予想され、購入権は「アストンマーティンオーナーのみ」に絞られたものの、蓋を開けるとさっぱり売れず、よって今だと逆に希少車扱いとなってしまい、たまに出てくる中古車の価格は新車時と同等となることもあるようです。
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ただしアストンマーティンが製造したコンパクトカーはこれが初ではなかった
ただ、実際にアストンマーティンがコンパクトカーを製造したのはこれが「初」ではなく、実は1980年代に「フレイザー・ティックフォード・メトロ」なるモデルが存在したことが今回オークション出品物から明らかに。
このモデルはシグネットよりもさらに台数が少なく26台しか製造されなかったそうですが、そのうち3台がアメリカに輸入されたと言われています。
このフレイザー・ティックフォード・メトロは、アストンマーティンとブリティッシュ・レイランドのコラボレーションによって生まれたモデルで、経営がデビッド・ブラウンによってなされていた時代の産物なのだそう。
実際の製造は当時アストンマーティン傘下にあったティックフォードが行い、ベースとなったのはその名の通り「メトロ」、そしてこれにレザーやアルカンターラを用いた内装、サンルーフ、クルーズコントロール、ステレオ、電子制御装置などの装備を追加しています。
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外装だと専用デザインのボディキットの装着によってアグレッシブなルックスを実現しており、もちろんアストンマーティンのウイングエンブレムも。
搭載されるエンジンは、アストンマーティンのチューニングによる80馬力の1.3リッターエンジン。
今回オークションに出品される個体は北米仕様の左ハンドルで、1982年にフェラーリのオフィシャルフォトグラファーを努めたウェンダル・マクブライド氏が所有していた一台だといい、ケアンゴーム・ブラウンの外装とベージュの内装を持っています。
非常に生産台数が少ないこと、走行距離がわずか1万5000キロにとどまることからけっこうな高値になるんじゃないかとも予想されていて、オークション開催元のH&Hクラシックスでは「最高で670万円くらいになるんじゃないか」とも推測しているようですね。
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参照:H&H Classics