1955-1957年におけるル・マン24時間レース三連覇60周年記念としてジャガーDタイプのオーナーが集結。
DタイプはCタイプの後継として1954年に登場し、そこからいきなり三連覇を達成。
エンジンは3.4リッター直6で250馬力を発生し、シャシー構造はマグネシウムとアルミを使用したモノコック。
当時レースカーの多くはスペースフレームを使用していたそうですが、それらライバルに比べてより軽く、より強靭であったと言われます。
サブフレームはアルミとスチールを使用しており、整備性を考慮してメインのモノコックにボルトで接続されていたそうですが、とにかく当時のレースカーとしては革新的であったようですね。
トランスミッションは4速マニュアルでシンクロメッシュを採用(これでシフトチェンジが楽になる)。
加えてディスクブレーキを採用(やはり他のライバルはドラムブレーキを使用)し、空力に優れたボディを持っていた、とされます。
およそ現代のレーシングカーにも通じる考え方であったと思われますが、24時間という長丁場を戦い抜くためにドライバーへの負担、交換を前提とした構造を採用するあたりは「さすが」としか言いようがなく、ル・マンにおいても「勝つべくして勝った」と言えそう。
そういったエポックメイキングな車であること、またル・マンでの優勝経験もあって、ジャガーD-Typeはイギリス車としてはオークションで落札された価格においては「最高額」を記録。
その額およそ22億円となっており、よって今回の集まりは「総額百億円以上」ということに。
なお、このD-Typeのロードバージョンが「XKSS」で、これは25台が製造予定だったものの、16台の生産が終了したのちに工場が火事になり、工作機械共々焼失したため「以降の生産が不可能に」。
こういった事情もあってXKSSも高額落札車の常連となっています。
ただ、このXKSSについては2016年に「本来生産されるはずだった」残り9台を生産するとジャガーが発表し、実際にこれら9台が生産。
どういった人たちがこの「9台」を手にしたのかはわかりませんが、やはり今回のようなD-Typeのオーナーさんに優先販売されたのだと思います。
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