| 570SがGT4クラスに参戦すること自体、反則に近い |
マクラーレン570Sベースのレーシングカー、「570GT4」が2020シーズンに向けてアップデート。
もっとも大きな変更は「耐久ブレーキキット」をオプションにて用意したこと。
このブレーキキットはその名の通り、より耐久レースでの仕様に適したセッティングが与えられています。
具体的には新設計の6ポッドブレーキキャリパーに新しいブレーキディスク、ブレーキパッドによって構成され、2020年3月からレースにて使用が可能だそう。
なお、これは新車装着のほか、すでにこれまでに購入された車両にもレトロフィットが可能で、これはマクラーレンらしい配慮だと思います。
570GT4はライバルに比較してベース車両のポテンシャルが高い
現在GT4クラス向けカスタマーカーとしてはアウディR8、ポルシェ718ケイマン、シボレー・カマロ、フォード・マスタングほか多数が投入されているものの、このマクラーレン570GT4はそれらの中でも「もっとも成功した」一台だと言ってよく、2019年にはガルフ12時間レースにて1−2フィニッシュを飾ったほか、ポディウムに登ったのはなんと140回。
GT4クラスは認められている改造の範囲が狭いためにマクラーレン570GT4もエンジンは3.8リッターV8ツインターボと市販モデルと変わらず、しかしトランスミッションは7速SSGへ(シームレス・シフト・ギアボックス)。
改造制限が小さいということは、競技においても「ベース車両のポテンシャルがそのまま現れる」ことになりそうですが、マクラーレン570GT4はおそらくクラスでも唯一のカーボンモノコックシャシーを持っており、よってほかのクルマとは「素性が異なる」ということに。
2020年モデルのマクラーレンGT4の価格は18万ポンド(約2580万円)に設定され、しかし勝利を手にするためのコストとしては安いものかもしれません。
ちなみに「トヨタGRスープラGT4」は約2116万円、ポルシェ718ケイマンGT4は約1920万円。
なお、マクラーレンはレーシングカーである570GT4のロードバージョン、「620R」を昨年に発表済み。
こちらは専用エアロパッケージを持ち角度調整式リアウイングやカーボンセラミックディスクブレーキを備え、重量は570Sの1313kgから1282kgへと軽量化されています。
レギュレーションに縛られないためにレース用の570GT4よりも高い出力(620馬力)を持ち0-100km/h加速は2.9秒、0-200km/h加速は8.1秒、最高速度は322km/hをマークするクルマですが、こちらにもバージョンアップした”新型”が登場するかもしれませんね。
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