| かなりややこしいが、EB110は現在のブガッティとはぜんぜん別の会社が作ったブガッティ |
先日、ブガッティが「EB110」をイメージしたニューモデルを10台限定、10億円で発売するというウワサが飛び交って世間を驚かせることに。
そして今回、Motor1が、その「ブガッティEB110」を世に送り出したロマーノ・アルティオーリ氏に対してインタビューを行っています。
なお、EB110を発売した「ブガッティ・アウトモビリ(イタリア)」と、ヴェイロンやシロンを発売する現在の「ブガッティ・オトモビル(フランス)」とは全く関連性の無い会社であり、よって現在のブガッティが、別会社の”ブガッティ”によるクルマ(EB110)をモチーフとする、というのはかなり意外であるようにも思えます。
ただ、現在のブガッティは、このEB110がはじめて(ブガッティと名のつくクルマで)採用した「ミドシップ」「クワッドターボ」「4WD」「EBエンブレム」等をそのまま引き継いでいるので、もともとヴェイロン、そしてシロンも「EB110の後継、もしくは子孫にあたる」という考え方もできますね。
ロマーノ・アルティオーリ氏はこういった人物だった
そこでMotro1は、現在出ているウワサについて、かつてのブガッティ・アウトモビリの経営者であるロマーノ・アルティオーリ氏にインタビューを敢行。
同氏は「ブガッティ」の商標使用権を購入し、(それまで航空機用エンジンメーカーに成り果てていた)ブガッティを再び自動車メーカーとして蘇らせた人物でもあります(同様に、ロータスを買い取ってエリーゼを発売させたという実績もある)。
A.あなたは、ブガッティの商標使用権を購入し、ブガッティを蘇らせた人物だ。今回、EB110復活の話を聞いてどう思いましたか?
そのウワサはニュースで読んだ。
本当かどうかはわからないが、本当だとすると、私だけではなく、家族や、かつてのブガッティ・アウトモビリの昔の仲間達にとって身に余る光栄だね。
ブガッティEB110は、長きにわたり輝きを放つように設計そしてデザインされた。ずっと未来までもね。
その証拠に、現代のブガッティにもそのパッケージングや技術が採用されている。
そして、今後登場するであろう、最新のブガッティがEB110にインスパイアされた外観を持つというのは非常に嬉しいことだ。
A.なぜ今回、EB110がインスパイア元として取り上げられたと思いますか?
さっきも言ったように、このウワサが本当かどうかはわからない。
だが、EB110は「先を行っていた」クルマであり、ブガッティの名を引き継いでゆくのにふさわしい。
もし未来のブガッティを表現するとなると、EB110以上にふさわしいインスパイア元は無いだろうね。
A.EB110のどの部分を新しいブガッティに反映させてほしいと思いますか?
デザイナーのジャンパオロ・ベネディーニはEB110をクルマとしてではなく、建築物としてデザインしたんだ。
今でこそ、バウハウス様式をクルマに取り入れるのは普通になってきているが、当時そういった手法は前例がなく、EB110はその先駆けであり、トレンドセッターであったと言えるだろう。
EB110「スーパースポーツ」に顕著だが、その「図形的」デザインは記憶しやすく、アイコン的だと言える。
A.現在ブガッティはVWグループに属しますが、ブガッティブランド運営にあたり成功したと思えるのはどういった部分ですか?
ブガッティの商標使用権を買い取った、元フォルクスワーゲングループ会長、フェルディナント・ピエヒは、自動車業界最後のパトロンだ。
彼は、ブガッティの歴史に敬意を払ってくれているが、それはもっとも大きなポイントだ。
そしてヴェイロン、シロンは自動車史における圧倒的な頂点なのは間違いない。
ちなみに、ヴェイロンとシロンのテストドライバーを務めたロリス・ビコッチは、私が経営していたブガッティ・アウトモビリの従業員ナンバー7で、EB110のメインテストドライバーだったんだよ。知っていたかい?
A.あなたはブガッティ本社へ、1月に招かれていますね?そこでブガッティから、EB110へのトリビュート計画などを聞かされていますか?
実を言うと、フォルクスワーゲンがブガッティの商標権を買い取った後、私はそれまでブガッティ本社を訪問したことはなかったんだ。
現ブガッティCEO、ステファン・ヴィンケルマンとそのチームから招待を受け、ブガッティ本社でシロンをドライブしたのは素晴らしい経験だったよ。
我々はそこで様々な意見や情報を交換し歴史を共有したが、トリビュートやオマージュに関する話は出なかったな。
A.(EB110トリビュートモデルが発表されると言われる)ペブルビーチには出席します?
できればそうしたい。
ただ、今は様々なプロジェクトを抱えているし、距離も遠い。
だから、私は自宅でコンピューターの画面越しに、ブガッティのプレスカンファレンスをライブストリームで見るつもりだ。
もちろん、一人のブガッティファンとしてね。
VIA:Motor1