
| BMW X1対抗の新型Q3が登場、ハイブリッド&最新インテリアを採用 |
アウディの内外装デザインは「最新世代」へと移行
アウディがコンパクトSUV「Q3」の最新モデル(2026年型)を正式発表。
現行モデルから大きく進化し、外装デザイン、内装テクノロジー、パワートレインまであらゆる面での刷新を行っており、さらには電動化と高級感を両立することでBMW X1やメルセデス・ベンツGLAに真っ向勝負を挑みます。
Image:AUDI
外観:スプリットヘッドライト&最新エアロダイナミクスで精悍な印象に
まずは新型Q3の外観から見てゆくと、フロントででは上下分割式のヘッドライトを採用。
デイタイムライトは上部の細長いレンズ内に、25,600個のマイクロLEDを内蔵したマトリックスLEDはスモークガラス内に隠されています。
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リアにはOLEDテールライトも
興味深いのはリアにも「スプリット」ランプを採用したこと。
直近で発表されるアウディはいずれも新しい世代のデザイン言語を持ちますが、このQ3ではさらに斬新な衣装が盛り込まれ、これまでのアウデイに比較して「フロントよりもリアのほうが」大きく変化しているようにも見えますね。
- 下段にはLEDバー、上段には36セグメント構成のOLED
- テールランプの表示パターンは6種類から選択可能
- ロゴマーク(アウディのフォーリングス)のイルミネーション化にも対応
Image:AUDI
リアバンパー&プロファイル:無駄を削ぎ落としたクリーンデザイン
- 排気口はバンパー下に隠し、フェイクマフラーなし
- Sライン仕様はディフューザー装備もカットアウトなし
- Cd値(空気抵抗係数)は0.32→0.30に改善
- ホイールサイズ:17インチ(標準モデル)〜20インチ(上級モデル)
Image:AUDI
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アウディが10年も続けた「フェイク」テールパイプをついに廃止、新型A5/S5ではちゃんと機能するように。「お客様からの意見に基づき決定しました。やはり偽物は嫌われるようです」
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ちなみにですが、コロナ禍やロシアのウクライナ侵攻を機に欧州では「派手なクルマ」「刺激性の高いデザインを持つクルマ」が敬遠されるようになったといい、とくにリアウイングを背負ったクルマが売れなくなったとも聞いていますが、こういった傾向を受けてアウディは「もう起こった顔を持つクルマは作らない」と発言したことも。
その後は現在の新しいデザイン言語へとスイッチしているものの、むしろ前世代のデザイン言語よりも「怒った」顔つきを持つようにも見えますね。
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ラゲッジ&積載性:コンパクトでも驚異の実用性
そして新型Q3では「実用性」が大きく向上したこともトピックのひとつ。
- 通常時:488L
- 後席スライド前方時:575L
- フルフラット時:1,386L
- 最大牽引能力:2,100kg
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新型アウディQ3の内装:アウディ流の新世代デザイン×実用性アップ
新型アウディQ3deha内装も大きく刷新され、以下のような特徴を持っています。
ディスプレイ&操作系
- 11.9インチのデジタルメーター
- 12.8インチのタッチスクリーン(Android Automotive OS採用)
- ステアリングホイールはタッチ式ボタン
- 厚めのベゼルがやや気になるかも(今風ではない)?
静粛性もアップ
- フロントサイドガラスに「アコースティックグレージング」採用
- クラス初の静音ガラスで上質な乗り心地を実現
Image:AUDI
シフトレバー位置を変更、収納力も向上
- シフト操作はステアリングコラム右側の小型レバー
- センターコンソールには大型カップホルダー+冷却ワイヤレス充電トレイ+USBポート
- ワイパーやウインカーなどは左側の多機能ステアリングレバーに統合
注目すべきはこれまでの「タッチ式」スイッチが減って物理スイッチへと回帰したこと、そして「コラムシフト」を採用し、そこへ様々な操作系を集中させたこと。
これは「かなり」思い切った変更だとも捉えていますが、フォルクスワーゲングループ全体の意向を反映したものかもしれませんね。
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フォルクスワーゲン、タッチ式操作が不評につき物理スイッチ回帰へ──でも中国市場は別の意見を持っている?
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加えて、ユーロNCAPの新基準では「主要操作がディスプレイ経由となっているクルマの安全性評価を引き下げる(操作に気を取られ、運転が疎かになるので)」としており、新基準への対応であるとも考えられます。
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ユーロNCAPの新基準によって「大型ディスプレイ」は影を潜める?「重要な機能のボタンやスイッチについて、個別の物理制御を備えねば安全性が低いと判断されます」
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新型アウディQ3のパワートレイン:ガソリン・ディーゼル・PHEVを用意
本国では「ガソリン・ディーゼル・PHEV」が用意され、しかし使用地によって選ぶことができる選択肢は「限られる」こととなるのかも。
エンジンタイプ | 出力 | トルク | 駆動方式 | ミッション |
---|---|---|---|---|
1.5LガソリンMHEV | 148hp | 250Nm | FWD | 7速DCT |
2.0Lガソリンターボ | 261hp | 400Nm | AWD (Quattro) | 7速DCT |
2.0Lディーゼル | 148hp | 360Nm | FWD | 7速DCT |
1.5L PHEV(FWD) | 268hp | 400Nm | FWD | 6速AT |
PHEVは120kmのEV航続、50kW急速充電対応
- バッテリー容量:19.7kWh
- WLTP航続距離:最大120km
- DC急速充電(10→80%):約30分
新型アウディQ3の発売時期と価格
- 欧州発売:2025年9月
- 価格(ドイツ)
・1.5Lモデル:€44,600〜
・PHEVモデル:€49,300〜 - 北米モデル:2025年末〜2026年初頭に登場予定
- 日本市場:現時点では不明(アナウンスなし)
Image:AUDI
今後の展開:SQ3・RS Q3・Q3 Sportbackも登場予定
- Q2の廃止により、新型Q3がアウディのエントリーSUVに
- スポーティ仕様「SQ3」、さらなる高性能版「RS Q3」も期待
- クーペ風デザインの「Q3 Sportback」も近日公開予定
注目すべきは「フルEV版Q3」は当面登場の予定がないとされていることで、しかしアウディは2026年以降、A3クラスに価格を抑えたEVを投入予定としています。
新型アウディQ3を紹介する動画はこちら
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参照:Audi