
Image:Volkswagen
| 欧米市場では「操作しにくい」としてフォルクスワーゲンの内装スイッチが著しく不評 |
ただし中国市場では「タッチ操作の方が人気」という矛盾
さて、フォルクスワーゲンはその内装において「タッチ式パネル、非物理スイッチの扱いにくさ」を指摘され続けており、そのため最近の車種に搭載してきたタッチスクリーン中心の操作系やハプティックスライダー(タッチ式スライダー)に関し、物理スイッチやダイヤルへと戻る方向性を明らかにしています。
とくにID.3、ID.4、Mk8 GTIなどに採用されたタッチ操作系について、多くのユーザーが「走行中に細かい調整が難しい」「操作ミスが多い」と不満を表明しており、よってフォルクスワーゲンももこれを認め、新型ティグアンなどではマルチファンクションダイヤルの採用や、タッチ式ステアリングスイッチを物理ボタンに戻すなどの改善を行っているわけですね。
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中国のフォルクスワーゲンユーザーは20歳以上「欧州よりも年下」である
なお、フォルクスワーゲンが「物理スイッチへと回帰」するのは欧米のユーザーからの否定的なフィードバックを受けた結果ですが、しかしその一方、フォルクスワーゲンの中国担当のラルフ・ブランシュテッター氏は「中国のEVユーザーの平均年齢は35歳未満で、AI重視・音声操作・スマートコックピットを好む」ともコメントしており、つまり中国ではタッチ&デジタル操作を好む層が購買の中心という真逆の状況が発生しています。
さらに同士が主張するところによれば、ヨーロッパのEVユーザーの平均年齢は中国に比較して20歳以上高く、そのため「慣れ親しんできた物理的な操作感や長期的な信頼性を重視している」。
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実際は「年齢ではなく、使いやすさの問題」
ただ、いかにデジタル世代であっても「フォルクスワーゲンのクルマに採用されるタッチ操作は直感的ではなく、むしろストレスだった」と断じるユーザーも少なくはなく、つまりフォルクスワーゲンの問題は「ユーザーの年齢よりも、操作系の「人間工学的な不備」が問題」なのかもしれません。
幸いにもVWは改善に向けて動いており、上述の通り最新モデルでは物理操作系が復活しており、さらにはエアコン制御のタッチ式スライダーも廃止される可能性が高く、以前のような直感的なインテリアへと回帰する兆しが見られ、この傾向はしばらく続くものと思われます(そして、これら新しい物理ボタンの評価にも注目したいものである)。
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