BMW i3がそのバッテリーをボートに移植。
これはドイツのボートメーカー、「Torqeedo」社とのコラボによって実現したものですが、これによって4ノットで5時間の航行が可能になる、とのこと(ガソリンだと通常どんなものかは不明)。
なお、このボート「ディープ・ブルー」は実際に販売され、価格は270万円ほど、とされています。
ガソリンエンジンを使用したボートだと洋上で「万一の燃料切れ」が起きた時にどうしようもありませんが、電動モーターだとソーラーパネルを使用して「ちょっと動けるくらいの」電力を確保できる可能性もあり、緊急時のことを考えると「ボートとエレクトリック」は相性が良いのかもしれませんね。
なおBMWはi3のバッテリーを過程用電力として使用する案も以前に公開しており、様々な用途でその技術を活用してゆく意向を見せています。
BMW i3のモーター製造風景が動画で公開に。
BMWはi3の製造に当たって相当に大きな投資を行っており、「カーボン製フレーム「モーター」といった、今までは自社で製造していなかったコンポーネントまでも自社で製造する方法を選択しています。
電気自動車はおおよそいずれのメーカーにとっても「新しいチャレンジ」であり、自社での内製率を高めるということは新しく設備投資(工場建設やトレーニング)が必要で、「後には引けない」ということを意味。
i3/i8のカーボンフレームに関しても日本から輸入したカーボンをアメリカで成形し、それをドイツに送って組み立てるという手法を採用していますが、いずれの工場も新規に建設したものであり、これは「失敗すると相当な痛手」になるわけですね。
よってBMWはiシリーズについて「絶対に失敗できない」背景があるのですが、こういったコンポーネントを自社で製造することで得られるメリットは「長期的に考えた場合のコストの低減」。
もちろん工場建設などの投資費用を回収する必要があるものの、それだけの数を生産できるのであれば、「自社生産」のほうが(初期費用は必要でも)お得、ということに。
マクラーレンはその特徴的なカーボン製バスタブシャシーについて今まで外注だったものを「自社生産に切り替える」と発表しており、もちろんこれもコスト引き下げを狙ったものと発表しています(投資をしても数を売って元を取るめどが付いたのだと思う)。
逆に投資をしてまでコストを引き下げる必要が無いと判断するメーカーは「自社で生産できないもの」を外注することになりますが、トヨタ、ホンダは自社の生産するハイブリッドについてモーターをサプライヤから入手しており、このあたりは各メーカーで考え方の差がでるところ。※トヨタは資金力豊富であるにもかかわらず、比較的外注の多い自動車メーカー。下請けを大事にするようでいて下請けイジメも有名
その販売規模や計画によって「どちらがいいのか」はそれぞれ事情が異なりますが、BMWのような「イキナリ新コンポーネントに大型投資」はかなり珍しい例であることは間違いありません。
https://www.youtube.com/watch?v=dJZagXcLo1w