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BMW日本法人の「過剰なノルマを販売店に強要」「達成できなければボーナスなし、不足分の買取強制」に進展。BMW側が自主的に公正取引委員会に改善策を申し出る

BMWのキー

| BMWはノルマ強要よりも、市場価格の安定化、クルマの魅力を強化することで販売を伸ばすべきだと思う |

さて、本日一斉に新聞各紙が報じているのが「BMWの日本法人が、販売店に過剰なノルマを課していた状況を改める」という計画を公正取引委員会に提出したというニュース。

BMWの日本法人(ビー・エム・ダブリュー)はこれまで、販売店(ディーラー)に対して過剰なノルマを課しており、このノルマを達成できなければ「ボーナスを支払わない」「未達分の台数を強制的に買い取らせる」という姿勢を取っていた疑いが持たれています。

これは独占禁止法にて禁じられている「優先的地位の乱用」に該当するもので、つまりは取引上の強い立場をもって、取引先になんらかの行動を強要して不利益を与えるというもの。

自主的な改善計画はこうなっている

そこでビー・エム・ダブリューが公正取引委員会に提出したのが「確約手続き」に基づく改善計画。

すでにビー・エム・ダブリューには公正取引委員会の立入検査が入っていますが、もし調査の結果「独禁法違反」という判断となると排除措置命令、課徴金納付命令が下されることになり、そういった処分が大きく報道されればブランドイメージ失墜も不可避に。

加えて、これまで抑えつけられていたディーラーからの反発も予想され、なんとしても「ギルティ」という判断が下されることは避けたいのだと思われます。

ここで登場するのが「確約手続き」で、2018年12月に導入されたこの制度を活用し、公正取引委員会がなんらかの判断や処分を行うよりも前に、その対象が自ら「こういった改善を行います」と事前に申し出を行い、その内容が実行され違法性がなくなったということが認められれば「無罪放免」となる制度。

今回BMWはノルマの撤廃、販売目標の適正化(過去の販売実績に基づいた、達成可能な数値)、販売目標については販売店との協議・合意の上で設定するといったガイドラインを作成したと報道されており、(販売)現場にとっては今後「やりやすく」なるのかもしれませんね。

BMW 4シリーズのキドニーグリル

今までBMWはとにかく「販売台数を伸ばす」方針だった

なお、日本のBMW法人のみではなく全世界においてBMWは同様の傾向があったと見え、これまでにも台数にフォーカスしたプレスリリースを多数発行。

直接のターゲットはメルセデス・ベンツということになりますが、とにかくメルセデス・ベンツを(台数で)追い越すために世界中にて過剰な販売目標を課している、とも言われます。

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なお、これはBMWだけではなくほかの自動車メーカーにおいても同様で、中国市場においては、すでに「インポーターが、ディーラーに過剰なノルマを課したり、在庫の買取を強要してはならぬ」という規制が敷かれているようですね。

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そして米国の統計では、「BMWはすぐに売られる傾向がある」とされていますが、これも「無理やりな販売」の影響が少なからずあると思われ、ノルマ達成のために無理に販売台数を伸ばし、そのために中古市場にBMWのクルマが溢れ、結果的にBMWのブランドバリューを下げてしまうのは皮肉な事実なのかもしれません。

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日本市場でも「中古市場の値崩れ」が起きている

そして日本市場でも同様に、BMWの中古相場は全般的に安いという現象が発生。

さらには「BMWがディーラーに買い取らせた」自社登録車両がそのまま中古市場に流出しており、これもまた「新車を売れにくくしている」理由の一つだと思います。

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逆にレクサスだと、レクサス(トヨタ)本社側の努力にて中古相場を高値維持するための努力が行われており、「レクサスは高く売れる」という認識があるために新車の販売も比較的容易だと言われていますが、BMWの場合は本社もしくはインポーター側が本来行うべき努力を行わず、ディーラーにその代償を押し付けていた、ということになるのかもしれませんね。

なお、輸入車だと、アウディが「中古相場の維持をインポーターが行っている」「過剰なノルマなし」と言われており、クルマの魅力を高めることで販売を伸ばすという健全な運営を行っていると聞いていますが、ぼくはクルマを購入する際、そのクルマはもちろん、こういった「インポーターの健全性」についてもけっこう気にしています(そのために購入するブランドが限られてくる)。

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参照:朝日新聞DIGITAL, 読売新聞ONLINE

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