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【試乗】新グレード「220」が登場したメルセデス・ベンツGLA後期型。上質さと質感が大きく向上

2017/08/25

フェイスリフト(改良)を受けたメルセデス・ベンツGLAに試乗。
メルセデス・ベンツの中では最もコンパクトな「A」に、SUVを表す「GL」という記号が与えられた通り、メルセデス・ベンツの中では一番小さなSUV。
ただし箱っぽいボディではなく、「リフトアップしたワゴン」ともいうべきシルエットを持っており、ここは他の「GL」系とは異なるところですね。
フェイスリフト発表時のプレスリリースはこちら

今回の変更においては「GLA220」が新グレードとして設定された他、フロントグリルが「パンチドグリル」と呼ばれるルーバーに四角い穴が設けられたデザインとなり、フォグランプのサラウンド、フロント/リアバンパー中央にスキッドガード風の加飾が与えられるなど「オフロード風味」が増加。

またフェイスリフト前のモデルでは標準の車高からリフトアップした”オフロード”なるグレードがあったのですが、フェイスリフト後ではGLAのオフロードテイストを強調するためか、車高が全て以前の「オフロード」と同じ高いもの(最低地上高15センチ)に。

フェイスリフト後のGLAに設定されるグレードはGLA180 / GLA220 4MATIC / GLA250 4MATIC / AMG GLA 45 4MATICの四種。
価格は398万円から792万円までとなっており、今回試乗したGLA220 4MATICは449万円となっています。
エンジンは2リッターターボ、出力は184馬力、駆動方式は4WD。

なお、フェイスリフト前だと4WDを選ぶには高価な「GLA250」グレードを選択する必要があったものの、今回「GLA220」が加わることで「より安価に」4WDが選べることに。
そのため4WDの実売グレードは今後GLA220が中心になると思われ、従ってGLA250は「受注生産」扱いへと移行していますね。



その他外装だと現在メルセデス・ベンツが採用を進めている「クリスタルルック」テールランプが採用され、夜間発光時の印象が一新。

安全面では「アクティブブレーキアシスト」や「アテンションアシスト」「ディスタンスパイロット・ディストロニック」、快適デバイスとしては360度カメラ、リアバンパーの下に(キーを持ったままで)足を入れるとテールゲートが自動開閉する「フットトランクオープナー」を新たに標準装備しています。

要は今回のフェイスリフトの方向性として「ワイルドなオフロード風味増加」「より買いやすい価格設定」「より快適な装備」と言ったところに集約されそうですね。

さて試乗に移りますが、内装についてはフェイスリフト前と大きく変わるところはないように思われ、それは操作系についても同じ。
細かいチェックは抜きにエンジンを始動させ、コラムシフトをDレンジに入れていざ走行開始。

走り出してすぐに感じるのは「静粛性が高く、振動が小さい」ということ。
以前に試乗した前期モデルはガソリン車らしい振動や音があったように記憶していたのですが、今回のフェイスリフト後のモデルは随分静か。

足回りについてもその印象が随分変わっており、「柔らかく、地面に吸い付くような」フィーリングに。
これも前期モデルではややゴツゴツした印象があったものの、上述の静粛性と相まってかなり上質な印象を受けます。

陳腐な表現ではありますが、「ひとクラス車格が上がった」と言えるフィーリングであり、見た目はほとんど変わっていないのに「乗り味は随分変わった」という感じ。

なおフェイスリフト前では「オフロード」グレードは比較的柔らかい足回りの設定になっていると聞いていましたが(オフロードグレードは乗ったことがない)、その設定を引き継いでいるのかもしれませんね。

ブレーキ、ハンドリングに関してもそれは同じで、操作に対してはしっかり反応しながらも不安を感じさせない設定となっており、レーンチェンジにおいても「揺り戻し」はなくビシリと安定した挙動。

感覚的には「マイルド」「しっとり」「どっしり」といったところで、「キビキビと」動くタイプの車ではありませんが、このこうがメルセデス・ベンツのブランドイメージにはよくマッチしているように思います。

エンジンパワーについても184馬力とは思えないほどパワフルで、これは7速DCTのギア比が街中での走行にかなり上手くマッチしているためと思われます。

なお走行モードは「コンフォート」「スポーツ」「インディビデュアル」「エコノミー」。
通常は「コンフォート」、ちょっと加速感を楽しみたいときは「スポーツ」を選ぶことになりますが、スポーツを選択すると他メーカーの設定と同じで低めのギアで高めのエンジン回転数を維持し、ステアリングの操作感がさらにずっしりと重くなってスポーツカー的フィーリングに変身。

ステアリングフィールはそこまで大きく変わらないように感じたものの、アクセル操作に対する反応やシフトタイミングはなかり変わる、という印象を受けています。

GLA220 4MATICの449万円というのはかなり絶妙な価格設定といえ、アウディQ3 2.0 TFSI quattro(180馬力)の459万円、BMW X1 xDrive 20i(192馬力)の473万円とほぼ同じ(いずれも4WD)。
なおレクサスNX 200t Lパッケージ(468万円/4WD)もライバルになりうると言えそうで、近いスペックと性格の車がこれだけ同じ価格設定になっているのは「お互いがお互いを意識している」と考えて良さそうです。

Q3/NXは比較的「箱型」に近いシルエットですが、BMW X1とメルセデス・ベンツGLAは「ワゴン的」ボディ形状を持っているためにX1の方がライバルとしては適当かもしれず、しかし質感、走行感覚、静粛性や上質感は「GLAの方がX1よりはるかに上」。
おそらくはリセールもX1よりGLAの方が良さそうですね。

Q3との比較でもやはり(Q3は登場年次が古くちょっと不利)GLAに分があると考えており、それはX1と同じ理由。
X1/Q3はBMW、アウディにおけるSUVの「ボトム」を担う役割ですが、その「ボトム感」があちこちに現れており(これらはモデルチェンジで解消されると思われる)、現時点ではGLAの方が随分優っている、と思います。
※モールや樹脂パーツが特にそう感じるところ。その点GLAは細部に至るまで質感が高い

その意味では「下位モデルでも手を抜かない」「下位モデルでも上位モデルと同様の品質を持っている」メルセデス・ベンツの真面目なクルマ作りが光るところで、比べてみるとGLAに軍配があがる部分(そのためメルセデス・ベンツは下位モデルが上位モデルの販売を侵食しており、ある意味深刻な問題に。ぼくら消費者としては困りませんが)。

ただ、レクサスもメルセデス・ベンツ同様に「真面目なクルマ作り」では定評があるところで、特にNXの品質や装備は素晴らしく、これはGLAに勝るかも、と思う部分ですね。

リセールはおそらくレクサスの方が上だと思いますが、「メルセデス・ベンツ」というブランド力は圧倒的であり、何よりGLAはどう見ても「価格以上の車に見える」車なので、ぼくとしてはやはりこの4車の中ではGLAを選びたい、と考えています。

関連投稿:GLA45 AMG、GLA250に続きメルセデス・ベンツGLA180に試乗する

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メルセデス・ベンツGLA45 AMGの試乗、GLA250 4MATIC Sportsに続き、GLA180に試乗。

GLA45はAMGチューンのホットバージョン、GLA250スポーツはGLA250(4WD)にスポーツサス+10ミリローダウンのスポーティモデル、そして今回試乗したのはFFのGLA180です。
なお、GLA180は344万/122馬力、GLA250は507万円/211馬力、GLA45AMGは744万円/360馬力。
この中でGLA180のみがFFとなります。

外観やインテリアは基本的にすべて同じ。
多少装備が異なりますが、オプションにて差異をカバーできる範囲ですね(GLA45AMGのみ、シフトレバーがフロアになる)。

前回試乗しているので操作はある程度勝手がわかっており、サクっと試乗スタート。
GLA250スポーツに比べて感じるのは、「足回りの柔らかさ」。
かなりストロークが長く、ショックをうまく吸収します。

出だしに関してはGLA250 4MATICとさほど変わらない印象。
これだとGLA180でも十分か?と思ったのですが、そこから踏んでゆくとやはり馬力の差が顕著に顔を出し、やはり物足りないところは感じます。
とくに上り坂はちょっとツラいかもですね。

しばらく走ってみますが、乗り心地は良いものの、ロールが大きくやや不安を感じるのも事実。
デコボコの連続する道を走るとややリアが暴れる印象で、最初にショックを吸収した後の収まりが悪く、そのために連続したギャップには弱いようです。

静粛性もGLA250、GLA45 AMGに比べると低いようで、遮音材が省略されている可能性も。
GLA250との価格差を考えるとやむを得ませんが、やはり見えないところの差は大きいと感じました。

ただ、これは上位グレードであるGLA45 AMG、GLA250に先に乗ってからの比較であり、そのためにGLA180にとっては不利な判断になっていることは否めません。
GLA180の名誉のために記載しておくと、必要十分なレベルは満たしており、国産SUVに比べても劣るところがあるものではありません。

見えるところでは上位グレードとほぼ差異がなく、かつ344万円でメルセデス・ベンツのSUVが購入できる、というのは大きな意味を持ちます。
よって、街中中心、かつチョイ乗りなどの用途であれば十分このGLA180で事足りると思われ、幅広い人に訴求できる一台だと思います。

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