
| 先代では明らかに「快適志向」ではあったが現行モデルにて「スポーツ寄り」に |
ラグジュアリーの頂点へ、SLが歩む新たな道
メルセデス・ベンツのアイコンである「SL」が大きな転換期を迎えようとしている、とのニュース。
最新のレポートによると、次期メルセデスAMG SLは、現行モデルよりも「ソフトで快適」な乗り味へとシフトする可能性が浮上しており、プラットフォームを共有する「AMG GT」が純粋なパフォーマンスを追求する一方、SLは快適性に振り切ることになりそうだ、と報じられています。
その背景には、超豪華仕様「マイバッハSL」の予想外の成功があったとされ、ここでその詳細を見てみましょう。
この記事の要約
- 戦略の転換:マイバッハSLの好評を受け、よりラグジュアリーな「グランドツアラー」へ進化
- デザイン刷新:メルセデス・ベンツロゴを模した「スター型」ヘッドライト&テールライトを新採用
- パワートレイン変更:直4エンジンを廃止し、449馬力の「直6ターボ」へアップグレード
- V8も強化:SL 63は最高出力600馬力オーバーへ、全車マイルドハイブリッド化

AMG GTとの差別化が生む「究極のツアラー」
現行SLは、先代までの「メルセデス・ベンツSL」ではなくAMGによって開発され、AMG GTと骨格その他多くを共有することで「メルセデス”AMG" SL」として生まれ変わっています。
そのため、AMG GTとのキャラクターの重複が課題となっていたこともまた事実であり、しかし今回の報道によると、メルセデス・ベンツは今後、先代までの「メルセデス・ベンツSLとAMG GT」のように、この2台を明確に分ける戦略を採用することとなるのだと考えられます。

Autocarの報告によると、新型SLはシャシーチューニングを根本から見直し、ドライビングダイナミクスを「快適性重視」に設定するとされ、スポーツカーとしての鋭さよりも長距離を優雅に移動するための「グランドツアラー」としての地位を確立することを目指すこととなるもよう。※この「新型」とはフルモデルチェンジ版ではなく、フェイスリフト版だと考えられる
加えて外装も大きく変わるものと見られており、グリルやバンパーの意匠変更に加え、メルセデス・ベンツのアイデンティティを強調する「スター型ライト」の採用によって「一目で新型」と分かるプレミアムな存在感を放つ可能性も指摘されています。
新型メルセデス AMG SLのポジショニングとは
さらに次期モデルでは、エンジンラインナップも顧客の要望に応える形でリファインされる見込みだといい、やはり「不人気」の4気筒はドロップするもよう。
加えて、その性質と「差別化」を考慮するならば、その車名から「AMG」の3文字が外れることになるのかもしれません。
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予想スペック比較
| 項目 | 現行型(目安) | 次期アップデートモデル(噂) |
| ベースエンジン | 2.0L 直4ターボ (416hp) | 3.0L 直6ターボ (449hp) |
| V8モデル (SL 63) | 4.0L V8ターボ (577hp) | 4.0L V8ターボ (約650hp) |
| 電動化技術 | 48Vマイルドハイブリッド | 全車マイルドハイブリッド |
| インフォテインメント | 現行MBUX | 最新世代ソフトウェア |
| 主なデザイン変更 | 標準的AMGデザイン | スター型ライト / 新意匠バンパー |
ライバルはベントレーか?
これまでのSLがポルシェ911をライバルとしていたならば、次期モデルはより上位のベントレー コンチネンタルGTなどの領域に足を踏み入れることになりそうで、「速さならGT、贅沢ならSL」という棲み分けにより、ラグジュアリー層の取り込みを強化する狙いを見て取ることができますね。

マイバッハSLが証明した「真のラグジュアリー」需要
今回の大転換の引き金となったのは、「メルセデス・マイバッハ SL 680 モノグラム・シリーズ」の成功だと報じられており、近年、富裕層ユーザーは「サーキットのラップタイム」よりも「車内での静寂」や「洗練された乗り心地」、そして「所有欲を満たす特別なデザイン」を重視する傾向にあります。
こういった市場の変化に対応する形となった”マイバッハ仕様”が支持されたことで、メルセデス・ベンツは「SLには過激なスポーツ性能よりも、最高峰の快適性こそが相応しい」という確信を得たのだとも考えられ、たしかにそのほうが「SLらしく」、ほぼライバル不在なので「勝機あり」なのかもしれません。
加えて、ウワサによれば複雑なシステムを持つプラグインハイブリッド(SE Performance)が廃止される可能性もあり、よりシンプルで洗練されたドライビング体験への回帰が進むのではという話もあるようで、やはり富裕層の間で根強い「純ガソリンエンジン車」志向へと対応するということにもなりそうです。

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結論
「スポーツ」から「ラグジュアリー」へ。
次期メルセデス・ベンツSL)の進化は、まさにブランドの原点である「Super Light(超軽量)」ならぬ「Sophisticated Luxury(洗練されたラグジュアリー)」への再定義であるとも考えてよく、かつてのSLが持っていた、優雅に海岸線を流すような“大人の余裕”が「いまの時代だからこそ」求められるのかもしれません。
なお、近年のメルセデス・ベンツは市場の動向や顧客の声に対して非常に敏感であり、「EQシリーズのデザインの変更(ガソリンモデルに近くなった)」「4気筒電動ターボエンジンの段階的廃止」「V8、V12の存続」など、短期間で方針を撤回し「顧客の声に応える」動きを見せています。
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そして今回の「快適なSL復活」もそういった流れに沿ったものだと思われますが、これは今までのメルセデス・ベンツにはあまり見られなかった動きだとも認識していて、しかし「顧客の声に耳を傾けるようになった」メルセデス・ベンツほど”強い”存在もまたないのかもしれませんね。

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参照:Autocar











