メルセデス・ベンツの「中国偏愛」っぷりには驚かされる
これまでも中国市場に向けてロングホイールベース版を投入してきたメルセデス・ベンツですが、なんとAMGシリーズにも中国専用としてロングホイールベースモデル、「メルセデスA35L 4MATIC」を投入する、と発表。
本国仕様のA35セダンと同じく2リッターターボエンジンを搭載して302馬力を発生し、トランスミッションは7速デュアルクラッチ、0-100キロ加速は4.9秒、最高速度は250km/h(リミッター作動)。
なお、AMGではない「Aクラス・セダン」のロングバージョンはすでに中国専用として導入済みです。
メルセデスAMG A35Lのホイールベースは「6センチ」延長
メルセデスAMG A35Lのホイールベースは標準のA35に比べて6センチ延長されており、BMW3シリーズの「11センチ」にくらべるといささか地味。
それでも中国市場にとっては、そしてメルセデスAMGにとっては「必要な6センチ」ということになりそうですね。
そのほかの変更点については、各部がブラック仕上げとなる「ナイトパッケージ」が標準にて装備されること。
さらには本国ではオプション扱いとなる19インチホイール、大型リアディフューザー、大型トランクリッドスポイラー、フロントバンパーのエアロフリックも中国仕様メルセデスAMG A35Lには標準装備されていて、メルセデス・ベンツの「中国重視っぷり」がよく分かる仕様となっています。
中国版「メルセデスAMG A35L」はなんと中国生産に
そして驚くべきは、このメルセデスAMG A35Lにつき、中国生産となること。
これまでAMGシリーズについては「本国(ドイツ)からの輸入」であり、それによって関税がかかって価格が高くなっていたものの、逆に富裕層にとっては「中国製ではなくドイツ製のメルセデスに乗れる」ということで人気があったわけですね。※これまで”中国生産”のAMGはなかったと記憶しているが、メルセデス・ベンツは今回のA35Lについて「初の中国製AMG」とは述べていない
しかしながら今回A35Lが中国生産に踏み切ったことで、中国における「AMG=本国生産」神話が崩れることになり、同時にAMGがコモディティ化するということをも示しています。
かつて、ヒュンダイに移籍した前BMWの部門のボスが「BMWは”Mを連発しすぎる”」としてMブランドの価値が下がったことを非難していましたが、メルセデス”AMG”も今後同じ道をたどることになるのかもしれません。
なお、リアにはメルセデス・ベンツの中国での合弁相手である北京汽車との合弁「北京奔驰」のエンブレムが装着済み。
参考までに、 中国生産されたクルマには中国語のエンブレムを装着しなくてはならず、これを怠ると「輸入車」とみなされて高額な税金を課されると報道されています(ちなみにメルセデス・ベンツは中国語では「梅赛德斯・奔驰」)
これでついにメルセデスAMGも「メイド・イン・チャイナ」への一歩を踏み出したということですが、これはぼくにとって相当に衝撃的です。※プレスリリースはこちら
VIA:Mercedes-Benz