| ヴァージル・アブローは日の直前まで精力的に作品を送り出し続けていたようだ |
やはり時代は「オフロード」
さて、11月29日にがんのため41歳で急逝したファッションデザイナー、ヴァージル・アブロー。
Off-White c/o Virgil Abloh(オフホワイト)のデザイナー、そしてルイヴィトンのメンズ・アーティスティックディレクターとして知られますが、ナイキ他数々のブランドとのコラボレーションでも知られます。
そして同氏はこれまでにメルセデス・ベンツとのコラボレーションも行っており、2020年には「プロジェクト・ゲレンデ」なるGクラスのカスタムカーも発表しています。
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これがルイ・ヴィトンのディレクターとメルセデス・ベンツとのコラボGクラス「プロジェクト・ゲレンデ」!いかにもヴァージル・アブローっぽい仕様にカスタム
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新プロジェクト名は「プロジェクト・マイバッハ」
そして今回同氏とメルセデス・ベンツが公開するのは「プロジェクト・マイバッハ」。
ヴァージル・アブローはがんと闘いながらも病気を隠し、死の直前まで様々なプロジェクトに携わっていましたが(ルイ・ヴィトンからも2022SSコレクションが数日内に発表される予定)、このプロジェクト・マイバッハもそのひとつ。
このコンセプトカーは、未来の「クリーンでエレクトリック化された旅」をイメージして作られた「2シーターのバッテリー式オフロードクーペ」で、プロジェクト・ゲレンデ同様にメルセデス・ベンツのデザイナーであるゴードン・ワグナー、そしてヴァージル・アブロー両氏との緊密な協業によって作り上げられています。
プロジェクト・マイバッハの全長は約6メートル(236.2インチ)、そして巨大なボンネット、クーペスタイルのルーフライン、2枚のドア、そして何より重要な「冒険心」を備えています。
フロントとリアのスキッドプレート、オフロードタイヤ、ボルトオンフェンダー、キャビン上部の外骨格(ロールバー)などの特徴は、このクルマの活動領域が「道なき道」であることを伝えているようですね。
なお、フロントには、メルセデス・ベンツというよりはちょっとロールス・ロイスっぽいグリルを持ち、そして中央にマイバッハのロゴが入る丸型LEDヘッドライトを採用(プロジェクト・ゲレンデのヘッドライトとちょっとした共通点がある)。
ボンネットの下には太陽電池が内蔵されて航続距離の延長に貢献する、と紹介されています(あくまでも補助)。
リアには中央にマイバッハのロゴをあしらった丸いテールライトがあり、フロント同様に車体を保護するバーに加えてスキッドプレートが装着されています。
プロジェクト・マイバッハのインテリアはこうなっている
そしてこちらはプロジェクト・マイバッハのインテリア。
ボディ同様に砂漠からインスピレーションを得たカラーテーマを採用しており、全体的にミニマルでありながらラグジュアリーな空間に。
乗員は2名に限定され、これによって贅沢な空間を実現することとなっていますが、ダッシュボード中央にはデジタルメーター、そしてレトロなスタイルのメタルノブが採用されていますが、ちょっとおもしろいのはドアインサートに組み込まれたマイバッハブランドの”斧”。
そしてアウトドア用品を収納するコンパートメントがキャビンの各所に見られます。
シートのシェルは精密機器を輸送するトランクのようなリブが設けられていますね。
参考までに、ポルシェは2021年5月にファッションブランド「エメレオンドレ」とのコラボレーションにて911のレストモッドを発表していますが、こちらもやはり「オフロード」。
ただし今回のプロジェクト・マイバッハ同様に「エレガント」「旅行」を盛り込んだデザインや仕様を持っており、これはひとつの流行といっていいかもしれません。
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ヴァージル・アブローはこんな人
ヴァージル・アブローは、アメリカの建築家、クリエイティブディレクター、ファッションデザイナー、起業家、慈善家であり、とくにファッション業界において輝かしい経歴を残しています。
自身のブランドであるOff-Whiteの創設者兼CEOであり、2018年からはルイ・ヴィトンのメンズウェアコレクションのクリエイティブ・ディレクターを務めて話題を呼ぶことになりますが、2019年に心臓血管肉腫と診断され、11月28日に41歳の若さで亡くなることに。
メルセデス・ベンツは今回の訃報について「我々メルセデス・ベンツは、ヴァージル・アブロー氏の訃報を聞き、大変ショックを受けています。私たちの心からの思いは、ヴァージルの家族とチームにあります。私たちのコラボレーションの世界、そしてヴァージルのユニークなビジョンを一般に公開することで、彼の奔放な想像力によってコラボレーションの無限の可能性を生み出し、彼の作品を知るすべての人にインスピレーションを与えた、真にユニークなデザインの才能の仕事を敬意を持って称えたいと思います。とコメントしています。