| ポルシェ919ハイブリッドEVOは前人未到の4分台を出せる? |
ポルシェ919ハイブリッドEVOはすでに「スパ・フランコルシャン」にてコースレコードを樹立していますが、これをニュルブルクリンクでも実行するのでは、というウワサ。
実際のところポルシェは919ハイブリッドEVOをニュルブルクリンクに持ち込んで公式に走行させているものの、それは「イベントの一環」としてタイムアタックを行うことが目的ではなく、コースレコードを未だ保持する「ポルシェ956」の偉業を称えるため(よって、このレコードを破るようなことはしなかった)。
ポルシェ919ハイブリッドEVOは「わざとゆっくり」走って6分20秒
そしてこのときにポルシェ919ハイブリッドEVOを駆ってル・マンの優勝ドライバー、ティモ・ラインハルト選手が走行したタイムは6分20秒であり、これはポルシェ956が1983年のニュルブルクリンク1000km開催中に記録した「6分11秒13」を抜かないように(たぶん)配慮したもの。
実際にティモ・ラインハルト選手はストレートで速度を落としてピットレーンを走って「時間をかけて走った」のが6分20秒。
ここで今回あるユーチューバーが「もし本気で919ハイブリッドEVOがニュルブルクリンクを走っていたらどうなるか」を試算。
おおまかではあるものの、この4キロのセクションを「速度を落とさずに」ポルシェ919ハイブリッドEVOが走行していたとしたら「5分9秒」で走ることができたであろうと算出しており、天候などの条件が揃えば「5分を着ることもできるだろう」とも推論しています。
現在のコースレコードが「6分11秒13」ということを考えると「4分台」というのは異常とも言えるタイムですが、「ポルシェならやってくれる」かもしれませんね(ポルシェ918スパイダーが”7分を切った”ときも異常と言っていいレベルだった)。
ポルシェ919ハイブリッドEVOはこんなクルマ
ポルシェ919ハイブリッドEVOは、ル・マン3連覇を成し遂げた「919ハイブリッド」をベースに、しかしFIAによる規定を無視して改造したサーキット走行専用車。
よって何の制限も無い状態でポルシェのエンジニアが思う存分「やってしまった」クルマで、逆に「レギュレーションの制約がなければ、現代のレーシングカーはここまで速い」ということに。
919ハイブリッドのスペックは2リッターV4ターボエンジン(710馬力)に2つのKERS(434馬力)を組み合わせたレーシングカー。
919”EVO”はここからヘッドライト、ワイパー、エアコンなどの装備を取り払い(耐久レースを走ることはないので)、さらにジャッキシステムなど義務付けられる装備も撤廃。
「規制なしならなんでもできるんじゃないか」と思ってしまいがちですが、逆に規制がなければメーカー(車)間の格差が開いてしまい”勝負にならない”事態も。
レギュレーションとは安全に加えてある程度「公平に」走行できるように定めたものだとも言えますが、規制によって守られているクルマもあれば、ポルシェ911ハイブリッドEVOのように「規制によってそのポテンシャルを大きく制限される」クルマもあります。
よって規制がない状態ですべてのクルマが速くなるわけではなく、そして規制がない状態で「これだけ速く走れる」とアピールすることはそのメーカーの実力を示す格好の手段だとも言えそうですね。
それでは動画を見てみよう
こちらがポルシェ919ハイブリッドは5分を切れる可能性があるということを説明した動画、「PORSCHE 919 EVO: THE NÜRBURGRING IN UNDER 5 MINUTES?」。
こちらはニュルブルクリンクにて、ポルシェが”記録保持者”956と919ハイブリッドEVOとを走らせる動画、「919tribute on tour - the 956 and the 919 Hybrid at the 24h Nürburgring」。
こちらがポルシェ956がニュルブルクリンクでのコースレコードを樹立した際のオンボード映像、「Porsche 956 World Record Nurburgring Lap | On Board | Set In 1983」。
https://www.youtube.com/watch?v=6Z8FLlp8igw