| まさか日本でもこのペイントにチャレンジするツワモノが登場するとは |
その原理を理解していても、やっぱり自分の目を疑ってしまう
さて、BMWは2019年に「可視光線の99%を吸収する」バンタブラックなるペイントを施した、「世界一真っ黒な」BMW X6を公開していますが、日本でも同様の塗装をポルシェ911に対して行ったショップが登場。
これは岐阜の「ピットワン」がペイントしたもので、使用した塗料は埼玉県の光陽オリエントジャパンが開発した「真・黒色無双」。
なお、この真・黒色無双はBMW X6に使用されたVantablack VBx2よりも反射率がさらに低いといい(全反射率0.6%)、文字通りの「世界一真っ黒な」塗料です。
-
「すごく・・・真っ黒です・・・」。BMWが”世界でもっとも黒い”特殊塗装を持つBMW X6を発表
| けしてフォトショップで加工を失敗したわけではない | BMWが、フランクフルト・モーターショーにて実車を公開するという”BMW VB X6”を公開。一見すると失敗して光沢の無くなったレンダリングの ...
続きを見る
本来は自動車の外装に使用される塗料ではなかったが
なお、この光陽オリエントジャパンは光学機器を主に取り扱っており、その関係で遮光関連製品を取り揃えていて、この「光を吸収する」ペイントもその一つ。
光を反射しないことを目的に開発されているので可視光線をほぼすべて吸収してしまい、”反射がなくなる”ため、塗装した対象物の凹凸がまったくわからなくなってしまい、「そこだけブラックホール」みたいな感じになってしまうわけですね。
そしてピットワンでは「この無反射ペイントをポルシェ911に塗ったら面白いんじゃないか」ということで実際にペイントを行ったそうですが、その仕上がりは「面白い」を超えたレベルで、どう見てもこの世のものとは思えない物体に。
そしてこの真・黒色無双を塗った状態で走っても「そこまで注目を浴びないかな・・・」と思っていたものの、実際に走ると注目度抜群であり、追いかけてくる人までいたもよう。
塗装は「剥がすことが前提」
なお、今回の真・黒色無双は「剥がす」「元に戻せる」ことが前提なので、車体への塗装は足付け(サンディング)を行わず、(ドアミラーなどを外したりせず)フルマスキングにて行ったのだそう。
加えて塗膜が弱く、塗装後の組付けができず(パーツ同氏が接触すると、塗料が剥がれたり、摩擦でテカったりするのだと思う)、よって自動車の塗装としては本来向かない(そのために作られていない)ため、自身でペイントする場合には注意が必要となりそうです。
そして実際のペイントにあたっては試行錯誤しながら7回塗装を行ったといい、その苦労のほども伺えますね。
こちらは真・黒色無双の見え方を紹介する動画。
塗料自体は水性のアクリルペイントなので、(クルマのボディへのペイントであれば)乾燥後は「ペリッと」剥がすことができそう。
ちなみにピットワンは7月末には高圧洗浄機にてこの塗料をすべて剥がす予定だとコメントしています。
夜にこのポルシェ911を見ると、文字通り「闇に溶け込んで」いて、とんでもないステルス性を発揮しているようですね。
ほかにも「真っ黒」な塗装を行ったクルマが存在していた
なお、この「真っ黒」な塗装を施したクルマはこれまでにも(BMW X6以外に)いくつか例があり、こちらは今回のポルシェ911と同じ真・黒色無双をペイントしたランサーエボリューション。
やっぱり自分の目を疑ってしまうような、何もかも吸い込んでしまいそうな黒さです。
-
【動画】世界で最も黒いランエボが目撃される!可視光線の99.4%を吸収する「無双ブラック」へとペイントするとこうなる
| 塗料を開発したのは日本の光陽オリエンタルジャパン | さて、BMWは「世界一黒い」特殊塗料、バンタブラックにてペイントされたX6を発表していますが、これは”可視光線の99.965%を吸収してしまう ...
続きを見る
こちらは一体何だったのか未だに不明なフェラーリSF90ストラダーレ。
「凹凸がわからなくなる」のでテストや開発車両のカモフラージュには向いているかもしれませんね(ただしコストを考えなければ)。
-
【動画】フェラーリが謎のSF90ストラダーレをテスト中!可視光線をすべて吸収する「バンタブラック」の実用化を模索?
| フェラーリの本社近くにて、謎のSF90ストラダーレが目撃 | すべての光線を吸収する特殊塗装でペイントして一体何を? さて、ちょっと前から主にフェラーリのスパイビデオを届けてくれているユーチューバ ...
続きを見る