| けしてフォトショップで加工を失敗したわけではない |
BMWが、フランクフルト・モーターショーにて実車を公開するという”BMW VB X6”を公開。
一見すると失敗して光沢の無くなったレンダリングのように見えますが、それもそのはずで、これは可視光線の99%を吸収してしまうという「Vantablack VBx2コーティング」をボディ表面に施しているため。
BMWはこのペイント「バンタブラック(Vantablack)」の実現を目的に、塗料メーカーのサリー・ナノシステム、レビエーション29との協業を行い、その結果として「世界で最も黒い」塗装を持つBMW X6を再現することに成功。
おそらくフランクフルト・モーターショーの会場ではカメラマンが苦労することになりそうだ
画像は「実車」を写したもののようですが、どう見てもフォトショップにて明度と彩度を落とした加工のようにしか見えず、つまりはそれだけ「ブラックホール的」に光を吸収してしまうのでしょうね。
それを考えると、この塗装を使用すれば「光を吸収するので」ディティール(ボディの凹凸)がわからなくなり、 今後BMWはプロトタイプについて、カモフラージュ用のシートを使用するのではなく、 この塗装を使用すればいいんじゃないかと思ったり。
バンタブラックはマットブラックに変わる選択肢に?
なお、BMWは現在「フローズン」という呼称にてマットカラーを採用していますが、この「バンタブラック」はマットの次に来るペイントだと言えるのかもしれません。
ただ、その性質上「ブラックでしか」再現できない可能性があり、カラーの選択肢は狭くなるの可能性も(ただしBMWはホワイトとブラックで全体の80%程度を占めるので問題はなさそう)。
現在のところこのバンタブラックが市販車に採用されるのか、だとしたらコストがいくら位になるのかは非公開。
おそらくはフランクフルトモーターショーに実車を展示し、そこでの反響を見るのだと思われますが、もっとも黒い塗装であるのと同時に、もっともカメラマン泣かせな塗装であるのも間違いないだろう、と思います。
塗装表面については、一見「ベルベット」のようにも見えるものの、実際には「毛羽立っている」わけではなく、ごく普通のなめらかな表面を持っているようにも見えますが、メンテナンスには格別の注意を要するのかも知れません(摩擦でエッジがテカってくると変な見え方になるのかも)。
なかなかに面白いペイントであり(しかしなれるのに時間がかかりそう)、マットブラックに代わる選択肢として人気が出そうですね。
VIA: BMW