| 開発は世界中の悪路にて進められ、相当にコストが掛かっていることは間違いなさそう |
おそらくそのぶん価格も安くはない
さて、長らくウワサとなっていたポルシェ911のオフロードバージョン「911ダカール」のティーザーキャンペーンが開始され、その名称が正式に「911ダカール(DAKAR)」となること、2022年11月16日に開催されるロサンゼルスオートショーにて発表されることが公式にアナウンスされています。
この911「オフローダー」はずっと911サファリと言われてきたものの、ポルシェのアンバサダーであるワルター・ロール氏が自身のSNSにてポロっと「911ダカール」という言葉を発してしまい(投稿はすぐに削除されたが・・・)、そこからは「911のオフロード版の名称は911ダカールになるだろう」と言われていたわけですね。
この911ダカールの名称はもちろん「ポルシェが1984年にパリ・ダカールラリーで初めて総合優勝を果たしたこと」にちなんでおり、ポルシェはこの911ダカールについて「非常に特別なクルマ」だと表現しています。※レースの名称を社名に付与するのはある意味ポルシェの伝統でもある
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やっぱりオフロード仕様の911の名称は「ダカール」?ポルシェのアンバサダーがうっかり「#Dakar」のハッシュタグを付けてインスタにUP→即削除
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新型ポルシェ911ダカールは10,000kmを超えるオフロードテストに挑む
新型ポルシェ911ダカールのプロジェクトマネージャー、アヒム・ランパーター氏によると、この新型911ダカールはヴァイザッハのオフロードテストコースのみならず世界中の1万キロ以上におよぶ悪路を走ったといい、たとえば南フランスのシャトー・ドゥ・ラストゥールでは、典型的なラリーコースでのハンドリングテストとサスペンションの微調整が行われたといいます。
なお、ここで主にテストを担当したのは先日「ポルシェ911の改造車で、世界で最も高い位置まで登った」ル・マン24時間レースの覇者、ロマン・デュマ。
同氏はフランス出身だけあって、悪路で知られるシャトー・ドゥ・ラストゥールで911をドライブするという任務に最初は驚いたそうですが、実際に走ってみるとその驚きはすぐに賞賛へと変わったと述べており、「堅牢な設計と高められた地上高のおかげで、新型ポルシェ911ダカールはジャンプさえも問題なくこなすのです」とも。
さらに911ダカールは未舗装路におけるドリフトも見事にこなし、「911が公道でどんなことができるかは知っていましたが、ここでのマシンの性能の高さにはまったく驚かされました」と述べています。
ロマン・デュマに加え、2度の世界ラリーチャンピオンに輝いたワルター・ロールは、スウェーデンのアルイェプログにある広大なテストコースにて911ダカールの性能を試しており、凍った湖の上に張った厚い氷は非常に滑りやすく摩擦係数が低いため、高いトラクション性能とステアリング精度が求められるという条件の中でも「オンロード同様の性格なフィードバックが得られた」とコメント。
加えて「このクルマは運転するのが信じられないほど楽しい」と熱く述べ、「すべてが正確かつ冷静に作動します。ポルシェの顧客は、自分で運転するまでは、この車でできることのすべてを信じないでしょう」と語っているほどです。
新型ポルシェ911ダカールは「本物のオフローダー」
加えて、911ダカールは、砂上においてもその実力を証明することになり、ドバイとモロッコでは最高気温45℃の中、50mもの急な砂丘を何度も何度も走らせることに。
911/718のモデルラインを管理するフランク・モーザー氏によると「911ダカールは砂漠でも圧倒的なパフォーマンスを発揮しました。特にここで、911ダカールはそのコンセプト上の利点を最大限に生かすことができます。低重量、高い地上高、パワフルなリアマウントエンジン、短いホイールベースの組み合わせが、爽快なドライビングエクスペリエンスを実現します。サハラ砂漠でのテスト走行で、私自身がそれを体験することができました」とコメント。
こういったテスト内容を見る限り、新型ポルシェ911ダカールは「車高を上げただけのライフスタイル系911」ではなく本物のオフローダーだと考えてよさそうで、実際にポルシェはこの911ダカールを「オフロードスポーツカー」だと表現。
いうなればポルシェ959、そしてその前身であるプロトタイプを再現したクルマが新型911ダカールということになりそうですが、もしかするとオプションパッケージにてロスマンズっぽいカラーリングが用意されるんじゃないかと思ったり。
なお、今のところその価格や、限定なのかどうかということについてもアナウンスはないものの、これだけのテストを行った上でもし「少量生産モデル」となればそのコストが一台あたりに大きく反映されることになり、911ダカールはとんでもなく高いクルマになってしまうのかもしれません。
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参照:Porsche