
| もともとの設計はポルシェがVWのために行い、しはしポルシェは「プロジェクトを買い上げた」くらいなので、よほどその設計に自身があったのだろう |
事実、924や944はFRとしてこれ以上ないほど理想的なハンドリングを持っている
さて、ポルシェは911サファリ(もしくはダカール)を発表しようかというところですが、今回紹介するのは「924サファリ」。
もちろん924サファリはポルシェが公式に発売したものではなく、ユーザーが924を「ラリー仕様」へとコンバートしたカスタムカー(というか本気のラリーカー)ですが、なかなかに面白い選択かもしれません。
ここでざっとその内容を紹介したいと思います。

ポルシェ924「サファリ」はこんな仕様を持っている
この924サファリのベースとなったのは1978年式の924で、ボディにはマルティニのカラーリング、そしてそこへボッシュやシェル、ダンロップといったスポンサーステッカーが貼られます。

もちろん車高が上げられ、15インチホイールにはファットなタイヤ(ダンロップではなくトーヨー製)を装着しており、フロントには補助ランプが4灯追加。
ルーフにはラックが載せられ、スペアタイヤにスタック時の脱出に使用するプレートも。

前後フェンダーには大型マッドフラップ、そしてリヤバンパーに作業灯。

ポルシェ924サファリのインテリアはこうなっている
そしてここからはこの924サファリのインテリアを見てみたいと思いますが、オートスタイル製バケットシートにはハーネスが装着済み。

さらにはOMP製フットプレート、油圧式ハンドブレーキ、消化器など本気の装備が目を引きます。

こちらはライトのON/OFFスイッチ。

エンジンは2リッター4気筒、トランスミッションは5速マニュアルです。
なお、走行距離は58,220kmを指しているものの、徹底的なリビルトが施されているといい(今年に仕上がったところらしい)、そこからは走行していないために新車のようなフィーリングなのかもしれません。
塗装については2015年に一度塗り直されているようですね。

ハガティによると、ポルシェ924はもともとフォルクスワーゲンがポルシェに(自社のクルマとして)設計を依頼したものだといい、このクルマはEA425なるコードネームでプロジェクトが進行することとなります。
ただ、このEA425にはコスト的な制約があり、そのためポルシェは既存のパーツを流用することを第一に考え、フォルクスワーゲンのカーゴバンに搭載されていたモーター、アウディ100のエンジンとギアボックス、さらにはビートルやゴルフ、マイクロバスなどに使用されていたパーツを使用して「フロントエンジン・後輪駆動」レイアウトを持つ”安価に製造できる”スポーツカーの設計を完了させます。

ただし、いざ生産を行うという段階になると当時発生した金融危機、そして経営陣の刷新によって状況が一変することになり、EA425というコードネームで呼ばれていたこのプロジェクトが「凍結」されてしまい、しかしポルシェがこのプロジェクトをフォルクスワーゲンから買い上げ、「ポルシェ924」として発売したのだそう。
ポルシェ914の例もあり、924も「フォルクスワーゲンとポルシェとの共同開発」だと思われてしまいがちですが、実は共同開発ではなく、こういった背景があったようですね(プロジェクトを引き取ったところを見ると、ポルシェとしては相当に”自信”があったのだと思われる)。
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参照:Collecting Cars