| 動画にチラリと映りながらも「触れられていないコンセプトカー/プロトタイプ」も多数存在するようだ |
おそらくは別の動画にて紹介されることとなるだろう
さて、ポルシェはこれまでにも様々なコンセプトカー、試作車を作っており、その一部はポルシェ自身、あるいはユーチューバーによって紹介がなされています。
そして今回はポルシェミュージアムの倉庫にひっそりと眠る、そういった「知られざるコンセプトカーや試作車」に焦点を当てた動画がYoutubeへと公開されており、これまでにポルシェがいかに様々な、そして奇妙なチャレンジを行ってきたかを見てみたいと思います。
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ポルシェが「RSモデル50周年」にあわせ自社ミュージアムにて特別展示「スピリット・オブ・カレラRS」を開始。レーシングモデルや貴重なプロトタイプも
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ポルシェ「パナメリカーナ」はフェリー・ポルシェへの誕生日プレゼント
そしてまず冒頭で紹介されるのはポルシェ911の設計者、フェリー・ポルシェへの誕生日プレゼントとして1989年に製作されたパナメリカーナ・コンセプト。
964世代の911カレラ4をベースに製作され、搭載されるエンジンは3.6リッター水平対向6気筒(250馬力)、トランスミッションは5速マニュアル、駆動方式は4WD。
このパナメリカーナ・プロジェクトを牽引したのは後に993世代の911を設計することになったウルリッヒ・ベッツ氏(その後、アストンマーティンCEOに転じている)で、デザインを担当したのはスティーブ・マーケットとハーム・ラガーイ、そして見た目は「911のバギー版」といったところですが、そのスタイルは1950年代に開催されていた耐久レース、「カレラ・パナメリカーナ・メヒコ」に参戦していたポルシェにインスパイアされたものだそう。
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【動画】ポルシェ911「サファリ」のルーツ?1989年のコンセプトカー「ポルシェ・パナメリカーナ」はこんなクルマ
| 製作したのは後のアストンマーティンCEO、ウルリッヒ・ベッツ | さて、ポルシェは先般、「市販されなかったコンセプトカー」15台を公開していますが、それより以前にもいくつか”ワイルドな”コンセプト ...
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参考までに、フェリー・ポルシェの60歳の誕生日には「914にレーシングカー用8気筒エンジンを積んだ」914Sが贈られていて、このパナメリカーナ・コンセプト、そして914Sともに、贈答用と保管用との2台が製造されたと言われます(諸説ある)。
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ポルシェは50年も前にミドシップスポーツ「914」を発売している。当時「最強のミドシップ」と言われた914、そして現代の718までの流れを見てみよう
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ちなみにタイヤは「ポルシェクレスト」。
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ポルシェが2008年以降はじめてそのエンブレムを変更!ただし他社のように「平面」ではなく立体を継続、さらに高級に
| ポルシェは新しいエンブレムとともに新しい時代へ | ポリッシュとブラシ仕上げとを組み合わせ、より高級感のあるデザインに さて、現在多くの自動車メーカーが「スマートフォンなどデジタル上での認識率向上 ...
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ちなみにこのパナメリカーナ・コンセプトは「ぼくの大好きなポルシェのコンセプトカー」のうちのひとつではあるものの、残念ながら当時(市販化の話もありながら)フェリー・ポルシェはこれに興味を示さず、結果的に”お蔵入り”になってしまったのだそう。
そのほか、ポルシェはこういったプロトタイプやコンセプトカーを作っている
こちらはポルシェ911カレラ3.2スピードスター・コンセプト(1987年)。
このクルマは完全なる「デザインスタディ」で、シングルシーター(実際にはカバーの下にシートが残されている)とわずかなフロントスクリーンを持っており、「ベルクスパイダー」にも通じるスパルタンさを感じさせます。
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【動画】ポルシェは過去に「バギー」「カイエンのオープン」など突拍子もないプロトタイプを作っていたという事実
ポルシェは様々な可能性を探るために多種多様なプロトタイプを作ってきた ポルシェが例の「ポルシェの”何とか”トップ5」シリーズ動画最新作、「過去に制作したプロトタイプ」5選を公開。これまでにもポルシェは ...
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この奇妙な装置が取り付けられた928は「吸気音、エンジン音や排気音を完全に消す」ために作られた車両だとされ、車体の前後に巨大な消音器が取り付けられています。
なお、「消音」の目的はタイヤのノイズをテストするためであった、とのこと。
こちらは928のワゴン版(シューティングブレーク、 928 H50)で、採用されるのは珍しい観音開きドア。
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ポルシェ・パナメーラ・スポーツツーリスモは「ポルシェ初」のワゴンではない?以前に「928ワゴン」が存在
| ポルシェはけっこう奇妙なプロトタイプを作っている | ジュネーブ・モーターショーにて発表された「パナメーラ・スポーツツーリスモ」について「ポルシェ初のワゴン」と報じられていますが、ポルシェ自身が「 ...
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そしてこちらはクレイモデルですが、おそらくは空力性能の向上を目的に作られたものだと思われます。
こちらはメルセデス・ベンツにポルシェのV8エンジンを積み込んだもので、しかし「500E」ではなく、(市販されなかった)989の開発のために作られた個体なのだそう(奥の方にはアウディも見える)。
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こんなのもあった。ポルシェ928の4ドア版コンセプト、「ポルシェ989」
| ポルシェはけっこう前から4ドアを計画していた | ポルシェはパナメーラ以前にも4ドアサルーンを計画しており、1988年にも「989」として公開していた模様。ただし989はサルーンというよりも928 ...
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そしてこちらは実際にダカールラリーで959のサポートカーとして活躍したメルセデス・ベンツGクラス。
ただ、当時のダカールラリーではサポートカーの参加が許可されなかったため、ポルシェはこのGクラスに928 S4のエンジンを積み、「競技用車」としてダカールラリーにエントリーさせて走行させています(しかも総合6位に入るという快挙を成し遂げている)。
こうやって見るとポルシェは実に様々なことを考え、そして課題に取り組み、そのユーザー層を増やそうとしてきたということがわかりますが、いずれのプロトタイプ、コンセプトカーからも一貫した思想が感じられるのは「ポルシェらしい」ところだと言えそうですね。
そしておそらく(というか絶対)まだまだ公になっていないコンセプトカーや試作車があるはずで、それらのアンヴェールにも期待したいところです。
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【動画】ポルシェは1990年に959と911とをミックスしたV8エンジン搭載の「965」を発売しようとしていた!結果的にはコスト高にてお蔵入り
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参照:Top Gear