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| 初のEV GTIはゴルフではなく「ポロ」 |
しかもEVにもかかわらず「FF」レイアウトを採用
これまでGTIといえばゴルフがその象徴ではあったものの、フォルクスワーゲンが最初にEV化するGTIが「 ID.ポロGTI 」となることが明らかに。
これは 昨年公開された「ID. GTIコンセプト」をベースに開発された車両であり、同社の新型EV「ID.ポロ」をベースにしたホットハッチとしての登場です。
なお、フォルクスワーゲンは発表済みの「ID.2all」コンセプトを市販化する際に「ID.ポロ」と改名し、BMWと同様にEVでも既存モデル名を活用する方向に舵を切っているということになりますが、つまるところこのID.ポロGTIは「ID.2allがベース」ということになりますね。
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223馬力のホットハッチ
ID.ポロGTIには 前輪駆動方式が採用され、フロントに組み込まれたエレクトリックモーターが223馬力を発揮。
これはライバルと目されるアルピーヌA290よりも8馬力上回り、現行ポロGTIを大きく超える性能です。
さらにVWは、 282馬力を発生する「クラブスポーツ」仕様の開発も計画していると報じられており(これはプジョーのe-208GTIを上回る)、従来のガソリンGTIを凌駕するポテンシャルを備えていることは間違いなさそうですね。
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一方で、ルノー5ターボ3Eに対抗する3三モーターモデル「ID.ポロR」の可能性も噂されていますが(リアにモーターが追加され4WDに)、これが実現すれば400馬力級のモンスターEVとなるかもしれません。
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プロトタイプのテスト風景も目撃
スパイショットによれば、テスト車両はコンパクトなハッチバックながら大径タイヤと大型ブレーキを装着。
特にドリルドローター(穴あきディスク) を採用している点は驚きで、これまでGTIやゴルフRでも採用例はなく、それだけ「フォルクスワーゲンが本気」ということなのかもしれません。
さらにはその挙動から、ハンドリング面ではロールが極めて少なく、サーキット走行も視野に入れたチューニングが施されている可能性に言及されています。
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「GTX」廃止、EVもGTI/Rに統一
なお、これまでフォルクスワーゲンはEVラインアップの高性能モデルに「GTX」という名称を用いてきましたが、2024年にこの「GTX」ブランドを廃止。
今後はEVでも「GTI」と「R」を展開していく方針だと明かされており、今回のID.ポロGTIがその第一弾というわけですね。
なお、駆動方式は伝統に則り FF(前輪駆動)で、実際にはプラットフォームの設計上「後輪駆動」も簡単に採用できるものの、これはGTIのアイデンティティを守るためだといい、後輪駆動を採用するBMWなどとは差別化されることとなりますが、フォルクスワーゲンがどう「(EV時代の)FFならではのメリット」を出してくるかに注目が集まります。
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公開はIAAミュンヘン2025
フォルクスワーゲンは9月8日のIAAミュンヘン2025にてID.ポロおよびID.ポロGTIを同時公開予定。
発売は2027年とまだ先ですが、EV時代におけるホットハッチの新基準として大きな話題を呼ぶこととなりそうです。
まとめ
- VW初のEV GTIは「ID.ポロGTI」
- 出力223馬力、クラブスポーツは282馬力を想定
- 「GTX」は廃止、EVにもGTI/Rを導入
- 公開は2025年9月IAAミュンヘン、発売は2027年予定
ポロGTIの名を冠するこのEVは、従来の“手軽に楽しめるホットハッチ”というキャラクターをEV時代に引き継ぐ存在となることは間違いなさそうですね。
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