| おそらくは同様の決定を行う自動車メーカーもいくつか出てくるはずだ |
現段階でEV偏重の戦略を取ることは(中国勢の台頭もあり)あまりに危険でもある
さて、報道によれば、アルファロメオのジャン=フィリップ・インパラートCEOは、ユーロ7(2025年7月導入予定)の排出ガス規制が緩和されたことにより、2.9リッターV6ツインターボ・ガソリンエンジンを維持することが可能になったとコメント。
この「ユーロ7の規制緩和」につき、これまでの厳しい規制を緩和して「乗用車と商用車に関しては、ユーロ6の基準をそのまま適用する」という合意がなされたもので、つまり自動車メーカーとしては「ユーロ7に対応するために多額のコストを投じたり、大金を投じて開発したエンジンを廃止しなくて良くなったり、既存車種を継続販売できるようになったり」というメリットが生じます。
その一方、ユーロ7への完全対応を視野に入れた戦略を進めていた自動車メーカーにとっては「無用なコストを投じてしまった」「切り捨てなくてもいいものまでを切り捨てたことで逸失利益が生じてしまう」「もう後戻りできない」ことになるわけですが、自動車業界全般としては歓迎すべきことであるとも考えています。
もしかすると「パワーアップ」の可能性も
今回、ジャン=フィリップ・インパラートCEOは、このエンジンが将来どのような場所で使用される可能性があるかについては言及しなかったものの、V6エンジンが生き残ることに触れ、「なにか面白いものが欲しいですね」とも。
このV6エンジンはフェラーリの(カリフォルニアTに泊まれていたF154)V8ツインターボ・エンジンから2気筒を削ったうえでアルファロメオが各部を調整したもので、現在はアルファロメオ・ジュリア・クアドリフォリオに搭載され、この強化版は33ストラダーレにも搭載されることに。
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なお、このエンジンが導入されたのは2015年ですが、現時点で排出ガス規制(ユーロ6)にも適合しており、そしてさらに進歩した現代の技術を使用すれば「パワーアップしながらも、規制に適合できる」ように大幅アップデートが可能となるかもしれません(アルファロメオはユーロ7導入に合わせてこのエンジンを廃止する予定だったので、一定時期から改良をストップしていた可能性がある)。※アルファロメオは以前、トナーレが電気自動車に移行する前の最後のガソリンエンジン搭載モデルになるとコメントしていた
ちなみにですが、フェラーリは継続してこのエンジンを(気筒休止システムを導入するなど環境性能を向上させつつ)改良し続け、SF90XXに搭載されるバージョンではエレクトリックモーターとの組み合わせによって1,000馬力オーバーという出力を(規制をクリアさせつつ)発生させます。
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よってアルファロメオがこのエンジンを単体にて使用する可能性に加え、ハイブリッド化によって強力無比な出力を達成する可能性も考えられ、33ストラダーレに続くスペシャルモデルも「EVになる」と言われていたところ、計画を変更して「ガソリンエンジンオンリー」もしくは「ハイブリッド」スーパーカーとしてリリースされる可能性も見えてきますね。
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参照:Autocar