| スーパーカーに乗る人は悪い人? |
ブルガリア政府がランボルギーニはじめマイバッハ、ベントレー、ロールスロイス、フェラーリのオーナーをマネーロンダリングおよび税金逃れの嫌疑で調査する、と発表。
対象はブルガリア国内において登録される435台全てで、それらの車を購入したお金が「どこから来たのか」を探ることが今回の目的だ、としています。
高額消費者は調査対象に
加えて30万ドル以上のマンションに住む人245人も調査の対象になっているとされ、これら高額車とマンションのオーナーはその購入資金が「合法」であることを証明する義務が生じる模様。
なおブルガリアの平均月収は500ユーロ(6万9000円)くらいだそうで、たしかにそういった状況の中で数千万円の車に乗っているというのは疑いをかけられやすい状況なのかもしれません。
村上龍氏の小説「半島を出でよ(2005)」では北朝鮮軍が福岡を占領し、その社会主義的行動に則って高額消費を行なっている人を捕らえて資産を没収するという恐ろしい状況が描かれていましたが、これが現実になるような感じですね。※ぼく的には必読書。ちょっとだけランボルギーニやポルシェに関する記載も出てくる
そしてやはり世間一般にはスーパーカーには悪いことでもしないと乗れない、といった誤った理解もあるのかもしれません。
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南アフリカにて、違法にラ・フェラーリを持ち込んだ咎でそのラ・フェラーリが押収されるという案件が発生(残念ながらこのラ・フェラーリは見せしめのために破壊されることに)。
このオーナーは2014年にラ・フェラーリを購入したそうですが、南アフリカへこれを輸送する際に関税や付加価値税について「脱税」を図った、とされています。
日本は自動車および自動車部品について「関税ゼロ」なのであまりこういった例について馴染みがありませんが、欧米では自動車の輸入に関税がかかる場合がほとんどで、東南アジアや南アフリカ/南アメリカだと車両価格に応じて「付加価値税(贅沢税)」か課されるケースも。
中国だとスーパーカーの価格が「日本に比べて倍」になることも珍しくはなく(もしくはそれ以上のケースも)、従って関税や付加価値税が高額な国においては「なんとか車を安く輸入しよう」と考えるわけですね。
そこで「中古」と偽ったり(中古は税金が安い場合も)、他の(安い)車だと偽ったりするわけですが、税関や国税局にとっても、一件こういった例を摘発すれば何千万円もの収入になるので、けっこう力を入れて取り締まっている模様。
かつ、摘発や公表は「見せしめ」となり、「やってもムダ」「むしろお金を失う(車も没収される)だけ」ということを周知させることになるのだと思います。
VIA:CARSCOOPS
関連投稿:これは困った。ドバイ警察は押収したフェラーリ・エンツォを自由に売却できず
ドバイではさまざまなスーパーカーを押収していますが、オーナーが乗り捨てたもの(違反のお金を払うのが面倒、免許が傷つくのが嫌)や、税金逃れのための不法輸入されたものが主たるもののようですね。
そういった押収した車両は処分したりしているようですが、そのなかでもこのフェラーリ・エンツォは「複雑な事情」で売却ができず、ドバイ警察の悩みの種となっているようです。
自ら購入した車両をこうやって破棄するというのはどうにも理解しがたいのですが、世界では往々にしてあるようですね(中国も時折こういった例が報告される)。
関連投稿:ベトナムにて、押収されたエキゾチックカー144台が埃をかぶったまま眠る
ベトナムにて、2013年に押収されたエキゾチックカーたち。
ロールスロイス、ポルシェ、フェラーリ、マイバッハ、アウディ、メルセデス・ベンツなど。
いずれも不法に国内に持ち込まれたもののようですが、関税の高い国ではこういった事件が見られ、中国でもケーニグセグ・アゲーラが押収された件がありましたね。
ブガッティ・ヴェイロン、ランボルギーニ・アヴェンタドール、マクラーレン650S、メルセデスSLS AMG、フェラーリ458などそうそうたる顔ぶれが揃うベトナムでのスーパーカーミーティング。
ベトナムでは関税が非常に高額だと聞きましたが、平均所得を鑑みても日本以上にこういったスーパーカーは「夢のまた夢」なのかもしれません。
日本は自動車の関税がゼロですし、最近はゼロ金利となったので、世界的に見ても無理をすれば(ヴェイロンは無理としても)スーパーカーを購入できる環境にあるようには思います。