| ざっと見る限り、信頼性が高くシンプルで、かつ数字よりも「感覚的な楽しさ」を重視するようだ |
これまでにも「ジェレミー・クラークソンの所有車」「リチャード・ハモンドの所有車」をお届けしましたが、今回は「ジェームズ・メイの所有車」。
旧トップギア、現グランド・ツアーのホストを務める3名の中ではもっとも(ずば抜けて)性格が穏やかで、運転も慎重なため「キャプテン・スロー」と呼ばれることも。
最近はDrivetribeの公開する動画の中で、自身のクルマに対する想いを語っていますね。
ジェレミー・クラークソンはこんなクルマに乗っている。ハイパワーで大きなクルマ、そしてエボリューションモデルが好きなようだ
けっこう変わったクルマも好きなようだ
ジェレミー・クラークソンがパワーを愛し、スポーツカーの中でも特にエボリューションモデルを好む傾向があることは知られていますが、リチャード・ハモンドはシンプルで、特定の目的(スポーツ走行やオフロード走行など)のために作られたクルマを集める傾向があるようです。
そこでジェームズ・メイですが、ざっとこれまでの所有車、そしてこれまでのコメントを見ていると、「情熱」をもっとも重視しているのでは、という印象も。
それは造り手の情熱であったり、運転したときに感じるパッションであるように思われ、ここでざっと(判明している範囲の)彼の所有車を見てみましょう。
フォルクスワーゲン・ビーチバギー
これはフォルクスワーゲンの改造車にあたり、公式にVWが発売したものではなく、しかしVW自身が「存在」を公的に認めているカスタムカー。
ジェームズ・メイ自身、「すべてのクルマの元祖にあたる」とフォルクスワーゲン・ビートルを評しており、「カーエンスージアストであれば、一度は乗っておかねばならない」とも語っていますね。
ボグスホール・キャバリエ
現在ボグスホールは日本には輸入されておらず、というかイギリス国内のみでしか販売されないので、あまりピンと来ないクルマ。
ジェームズ・メイが所有している(いた?)のは1978年製のキャバリエ・マーク1とのこと。
なお、現在のボグスホールはPSA傘下にあり、その車種は同じくPSA傘下にあるオペルの「エンブレム違い(バッジエンジニアリング)」ということになります。
おそらくは(外観のとおり)運動性能を誇るクルマではないと思われ、しかしジェームズ・メイいわく「自分とクルマとの冒険の旅は、ここからじ始まった」。
アルファロメオ164
アルファロメオもまた、ジェームズ・メイが「一生に一度は乗っておけ」と勧めるブランド。
ジェレミー・クラークソンはアルファロメオGTV6を過去に2台購入していると報じられますが、やはりアルファロメオには他メーカーにはない「何か」があるのでしょうね(ぼくはアルファロメオを所有したことはない)。
アルファロメオ164は、当時のアルファロメオにおけるフラッグシップサルーンで、ジェームズ・メイはこれを自宅とオフィスとの行き来に使用していた、と伝えられています。
MINI 1275GT
身長183センチのジェームズ・メイにしてはかなり「手狭な」一台。
これは聞き慣れない、そして見慣れないミニですが、1275GTは1969年に登場し、「クーパーS」の代わりとして計画されたものの、角ばった顔つきがあまり受けなかったのか販売がパッとしないまま1971年で生産を終了しています。
「1275」はエンジンの排気量(1275cc)に由来するもので、トランスミッションは4速シンクロつき。
なお1275GTは最初にシンクロ機構を備えたミニ、とのこと。
フェラーリF430
グランド・ツアーのメンバーが必ず所有している(いた)クルマがフェラーリ。
ジェームズ・メイはまず「F430」を購入しています。
トップギア放映開始直後にはさほど収入がなく、自身がまさかフェラーリを手に入れることができるとは考えていなかったようですが、手に入れた時には当然ながら非常に喜び、「まるで魔法のようだ」と表現しています。
後には、フェラーリ458スペチアーレも入手していますね。
フィアット・パンダ
ジェームズ・メイはミニといいパンダといい、意外や小さなクルマを好む傾向も。
所有期間はけっこう長く、相当な距離を共に過ごしたとも伝えられています。
BMW i3
ちょっと意外なのがBMW i3。
ジェレミー・クラークソンが電気自動車をひどく嫌うのに対し、ジェームズ・メイはEVを手に入れたということになりますが、フィアット・パンダの「日常の足」に変わる選択肢として購入した、とのこと。
ポルシェ911
そしてフェラーリ同様、ジェレミー・クラークソン、リチャード・ハモンド、ジェームズ・メイの3名がもれずに入手しているのがポルシェ911。
ジェームズ・メイは数台のポルシェ911を乗り継いでいますが、もっとも気に入っていたのが1984年製、930型の911カレラだそう。
なお、この930はポルシェ911の中だけではなく、「今までに購入したすべての車の中で」ベストであると語っています。※画像は930ターボ
ロールスロイス・ファントム
質素でシンプル、そしてパッションを好むジェームズ・メイにしてはかなり珍しい選択ですね。
サーブ 9-5 Aero
今となってはかなり珍しい、サーブ9-5。
かつてサーブ9-5はメルセデス・ベンツEクラス、アウディA6、BMW 5シリーズのライバルとしてその地位を確保していたものの、2011年には残念ながらブランドが消滅。
アルピーヌA110
そして最近、ジェームズ・メイが購入したのが「アルピーヌA110」。
小さく、しかし運転していてスーパーカーのように感じられるということが購入の理由で、「本当に楽しいクルマ」だと表現していますね。
こうやって見ると、自国(英国)のクラシカルなクルマや、ジェレミー・クラークソンのように「パワフル」なクルマはほとんど見られず、「日常的に乗れて(信頼性が高く)、かつ楽しいクルマ」というのがその選択基準のひとつなのかもしれませんね。