| まさかここまで大きな影響を受けるとは |
フェラーリがコロナウイルスの影響にて、3月27日まで工場の稼働を停止する、と発表。
つい先日ランボルギーニが同様の発表(25日まで停止)を行ったところですが、これもやはりイタリア政府の方針に沿ったものだと言えそう。
なお、イタリアでは(地域によりますが)不要不急以外の外出が制限、もしくは控えるよう要請が出されていて、企業活動についても医療や食品、生活必需品関連以外については自粛を行うようにという指針が示されているようですね。
今後どうなる自動車業界?
なお、フェラーリ以外の自動車関連企業も活動を休止することになると思われ、よってフェラーリとしても「パーツが手に入らなくなる」ために工場操業を一時停止する以外の選択肢がなくなるわけですが、とにかく今回のコロナショックについては相当なインパクトを自動車業界に与えたと言えそうです。
その影響については生産だけではなく、もちろん「販売」にまで及ぶことになりますが、実用品としてのクルマから嗜好品としてのクルマまで幅広く買い控えが起きそうで、たとえば生活必需品としてクルマに乗る人であれば、今後の先行き不安から買い替えを見送ることになりそうですし、法人需要も経済の不透明感から当面は「必要最小限」にて推移しそう。
富裕層が購入する高額車市場についてはどれほど影響を受けるのか予測がつかず、しかし富裕層は今回のコロナショックの影響を受けたとしても、生活に困ったり何かを控えたりするまでのレベルではないと思われ、購入資金的には問題なさそう。
ただ、心理的に「なんだかなあ」という感じで買い物を控える人は出てくるのかもしれません。
なお、1929年の世界大恐慌の際、ダンヒルの跡継ぎはちょうどニューヨークに留学中であったそうですが、恐慌によって人々が生活に窮する中でも「高級品はホイホイ売れる」状況を目の当たりにし、そこで「生き残るには超高級化するしかない」という結論を導き出したそうですが、1929年のときのように「高額車は影響を受けない」のかもしれません。
ただ、当時と違って、たとえばリーマンショックの際には高級車市場が「一時的に崩壊」していて、これは「高額車を買うのは、一部の富裕層だけではなく、普通の人々もローンで購入するようになったため」だと思われ、そういった「ローンで買う」人々の資産がリーマンショックによって減ってしまい、一時的に購買力を失ってしまったのだろうとも考えています。
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ただ、フェラーリの場合はもともとウェイティングリストが長いので、注文済み車両や受注枠にキャンセルが出たとしても「次の人」に回せばいいだけの話であり、そこまで深刻な影響はないのかも。
その他にも自動車業界へとコロナウイルスの影響が波及
そしてランボルギーニやフェラーリの他にも自動車業界には多大な影響が出ていて、ほかにもいくつかのメーカーでは工場稼働を一時的に停止しているほか、フォード、FCA、GMでは一部社員を対象に在宅勤務を開始しています。
そして今回ヒュンダイが発表したのが「今回のコロナウイルスの影響にて職を失った人々が、3月14日から4月30日の間に、ジェネシスおよびヒュンダイブランドのクルマを、ヒュンダイが提供するローンもしくはリースで購入した場合、6ヶ月分の支払いをヒュンダイが負担する」というプログラム。
これはかなり大きな「実質値引き」ではありますが、失職した人々がクルマを購入するかどうかはちょっと疑問であり、どの程度の効力があるのかは謎な部分です。
そのほかヒュンダイは、同期間においてジェネシスG70、ヒュンダイ車を購入した場合、その支払を最大90日遅らせるとも発表していて、「ここぞ」とばかりに積極政策を取る模様。
実際のところ、こういった状況であっても「車を買う人、必要な人」は実際にいるワケで、そういった人々が「他メーカーのクルマではなくヒュンダイを選ぶ理由」をここで作ろう、ということなのでしょうね。
VIA: Bloomberg