フェラーリがル・マン・ハイパーカーのテスト風景を公式動画として公開！「フェラーリLMH」はなかなかにアグレッシブ、そしてスタイリッシュな外観を持っている

｜　70年ぶりのル・マン24時間レース復帰にかけるフェラーリの意気込みは並大抵ではない　｜

市販車とのデザイン的関連性、そして搭載されるパワートレーンについても注目

さて、フェラーリは先日「2023年のル・マン24時間レースを走らせるハイパーカーのシェイクダウンを開始した」と発表し、今回はその新型レーシングカーがフィオラノ・サーキットを走る公式動画をYoutube上へと公開。※暫定にて「フェラーリLMH」と呼ばれているが正式名称はまだ発表されていない

今回の動画はフェラーリが編集したものだけあって、先日アップされたスパイビデオとは異なるスタイリッシュかつエキサイティングな構成となっています。

フェラーリに残された猶予はあと一年

フェラーリは2023年のル・マン24時間レースに参加する計画を持っており、つまり「本番まであと一年」。

現段階では文字通り「初めてサーキットを走った」状態であり、ここから様々なテストを経て仕上げられてゆくことになります。

なお、フェラーリはF1が始まって以来ずっと（F1を）走り続けていますが、今回の耐久レース復帰は前回の撤退から50年ぶり、そしてル・マン24時間レースだと（1973年以来の）およそ60年ぶり。

よってポルシェのように耐久レースに関する最新のノウハウがあるわけではなく、しかし開発パートナーは、2012年からフェラーリのレーシングカーを様々なカテゴリのモータースポーツへと参加させ、実際にル・マン24時間レースで3回のクラス優勝、WEC GTEマニュファクチャラーズタイトルを5回獲得したAFコルセ。

もちろん直近において（フェラーリの）プロトタイプでのモータースポーツ参戦経験があるわけではなく、しかしその経験は開発においてほかにない強力な糧となるのは間違いなさそうです。

そして動画ではこのハイパーカーの姿が部分的に公開されていて、車体にはリシャール・ミル等いくつかのブランドロゴが見られ、フェラーリがスポンサー及びパートナー企業への配慮を欠かさない会社であることもわかります。

ウインドウ越しにはディスプレイが内蔵されたステアリングホイールも確認可能。

ガソリンスタンド兼ピットから出てくる姿を見ると、リアには同じ形状と高さを持つ3枚のフィンを持つことがわかります。

そしてコースイン！

前後ともフェンダーの内側が大きく切り取られ、そこからエアを排出する構造を持つことがわかりますね。

ブレーキシステムはもちろんブレンボ。

なんとなくノーズはラ・フェラーリを思わせる形状を持っており、なかなかにスタイリッシュだと言えそう。

なお、このフェラーリLMHが「2025年に発売される」と言われる（ロードバージョンの）ハイパーカーとなんらかのデザイン的共通性を持つのかどうかはわかりませんが、これまでの（F1のディテールや技術を市販車に反映させてきた）例から見ると何らかの類似性を持つと考えてよく、フェラーリとしてはル・マン24時間の総合優勝にてはずみをつけ、それによって新型ハイパーカーの価値を高めたいのかもしれません。

参考までに、2023年～2024年にはBMW、アキュラ、ポルシェ、キャデラック、ランボルギーニなど多くの自動車メーカーがル・マン24時間に参戦しますが、少し前のル・マン用レーシングカーとは異なって「スタンドアローンではなく、市販車との関連性をもたせた」デザインを採用する傾向が強いように思われ、その意味でもやはりこのフェラーリLMHと市販車との類似性は低くないだろうと考えています。※たとえばポルシェ919ハイブリッドやアウディR18は市販車との関連性がほぼ見られない

そして動画の最後には、今回のテストにて好印象を掴んだっぽいチームメンバーの様子も。

ちなみにこのフェラーリLMHのスペックは全く不明であり、ポルシェやBMWのようにV8エンジンを積むのか、それとも別の形式のエンジンを積むのかどうかもわからず、ハイブリッドシステムの有無や（しかしまず間違いなく搭載されるだろう）、搭載されるにしてもその構成や出力なども謎のままとなっています。

フェラーリLMHがフィオラノ・サーキットを走る様子を収めた動画はこちら

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参照：Ferrari