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「元祖テスタロッサ」フェラーリ500TRが競売に!様々なレースへの出場・優勝経験があり生産17台目のうちの3番目、予想落札価格は6.8億円

2023/05/03

「元祖テスタロッサ」フェラーリ500TRが競売に!様々なレースへの出場・優勝経験があり生産17台目のうちの3番目、予想落札価格は6.8億円

 

| フェラーリにしては珍しい「4気筒」エンジンを搭載したレーシングカー |

最初のオーナーはイタリアの貴族、その後紆余曲折を経て2011年に現オーナーの手元へ

さて、RMサザビーズの主催するオークションにて「元祖テスタロッサ」、500TRが出品されるとして事前情報が公開に。

今回出品されるシャシーナンバー0610 MD-TRは、500TR(TR=テスタロッサ)の生産17台中3台目の個体であり、1956年3月にイタリアの貴族でジェントルマンレーサーのガエタノ・スターラバ・ディ・ジャルディネリ王子に新車で納車されたという経歴を持っています。

ガエタノ・スターラバ・ディ・ジャルディネリ王子は1年間で10回以上のレースに出場し、ジロ・ディ・シチリアとサッサリサーキットで総合3位、カゼルタサーキットで総合2位を獲得するなどたいへんな活躍を見せていて、つまりこのフェラーリ500TRは非常に豊かなモータースポーツの歴史を持っている、ということになりますね。

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このフェラーリ500TRはこういった歴史をたどっている

1957年初頭になると、ガエタノ・スターラバ・ディ・ジャルディネリ王子はこのフェラーリ500TRをフェラーリ工場に戻し、新しい競技規則附則Cに適合させるため、より広いウィンドスクリーンと助手席カバーの固定ポイントを追加するなどの改良を行うことに。

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その後ガエタノ・スターラバ・ディ・ジャルディネリ王子はこのフェラーリ500TRをスウェーデンの輸入業者であるトール・ビュルストレムへと売却し、トール・ビュルストレムは2年間にわたって地元のプライベーターたちにこのフェラーリ500TRを貸し出すことになりますが、1957年5月のエラインタルハナージョ、そして2ヵ月後に開催されたミッドナイトサンレースでクラス優勝を果たした、とも紹介されています。

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ただ、カール・ヨハン・アスコリンへと貸し出された後、1958年5月に行われたヘルシンキGPの練習走行中に不運なクラッシュに見舞われてしまい、ファクトリーメカニックのアルド・ベルターニの指導のもと、地元の板金職人によって新型500 TRC同様にアルミニウム製ノーズが取り付けられ、車体の大部分が現在の仕様へと交換されることとなっています。

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1959年、このフェラーリ500TRはホルガー・ノルマンへと売却され、スウェーデンのレースイベントで参戦を続けるものの、1962年頃になるとこのクルマはストックホルムのガレージに保管されることになったといい、その後この500TRは少なくとも2人のスウェーデン人オーナーの手を経たのち、1970年にはレトロモビルの共同設立者であるマーク・ニコロジの手に渡り、そこでオーバーホールを行ったのちにヴィンテージイベントへの参加を開始しています。

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1974年にはまた別のフランス人オーナーの手に渡り、さらに1978年には著名コレクターであるモーリス・ソーザイに売却され、ミッレミリア・ストリカ、タルガフロリオ・ストリカ、モナコヒストリックグランプリなどのヴィンテージイベントに定期参戦することに。

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1989年にはフランス在住のオーナーへとに譲渡された後、1994年1月にイタリアのコレクターに売却され、スパ・フランコルシャン、ル・マン、ムジェロ、ニュルブルクリンク、パウといった伝説のサーキットで開催されるシェル・ヒストリック・フェラーリ・チャレンジに17年間定期的に参加していたのだそう。

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現在のオーナーがこのフェラーリ500TRを手に入れたのは2011年だそうですが、自身のコレクションへと加えた後、空調管理された施設で丁重に保管され、ほぼ運転されることがなかったといいます。

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上述の通りフェラーリ500TRの生産はわずか17台のみであり、そしてこの500TRは明確な記録、そして数多くのレースへの参戦・優勝経験を持っており、非常に望ましい経歴を持っていると言えそう。

もともとフェラーリ500TRはその希少性、そしてフェラーリの最も重要なスポーツレーシングモデルのひとつとしての重要性が認知されており、今回の出品はフェラーリコレクターにとって大きな注目を集めることは間違いなさそうですね。

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なお、予想落札価格は最高で450万ユーロ(現在の為替レートだと日本円で約6億8000万円)だとされており、しかしいま手に入れておかねばさらに価格が上がってゆくことになるのは間違いないのかも。

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フェラーリ500TRはこんなディティールを持っている

フェラーリ500TR最大の特徴はこの2リッター4気筒エンジン(500とは、気筒あたりの排気量を指している)。

マセラティの2リッター4気筒エンジンに対抗して設計されたもので、マセラティのエンジニアだったマッシミーノが手掛けたとされています。

見てのとおりエンジンヘッドカバーがレッドにペイントされ、これが「テスタロッサ=赤い頭」の由来となっているわけですね。

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フードの固定は当時一般的だった「レザーベルト」。

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かなり巨大な燃料タンク、そしてスペアタイヤ。

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トランスミッションは4速マニュアル。

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ペダルは非常にシンプルで、操作感は現代のマニュアル・トランスミッション車とは比較にならないほどファジーだと思われます。

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ヒューズは助手席側にて「むき出し」。

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ドアオープナーは非常にシンプルなロックが装着されるのみ。

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参照:RM Sotheby's

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