| 1962年の新車価格は6,000ドル、39年前は50万ドル、そして今は6000万ドル |
新車にて購入したオーナーもまさかここまで価値が上がるとは思わなかっただろう
さて、オークションハウス、RMサザビーズが「オークション史上、もっとも高額にて落札される可能性がある」フェラーリ330LMを11月の競売に出品すると発表。
予想落札価格は最高で6000万ドルだと見られ、もしこの価格で落札されることになれば、2018年のRMサザビーズ・モントレー・オークションで落札されたフェラーリ250GTOの4840万5000ドルを大きく超えることとなります(競売ではなく、個人間の売買であれば、7000万ドルといった売買記録が残る)。
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フェラーリ330LMはこんなクルマ
そこでこのフェラーリ330LMについて触れてみると、簡単に言えば「250GTOの車体に385馬力を発生する4リッターV12を積んだクルマ(そのため、4リッターの250GTOだと呼ばれることも)」。
最初の2台は250GTOに近い外観を持ち、3台目以降にはピニンファリーナによる専用のボディが架装されます。
なお、(250LMからの)エンジン変更はレギュレーションの推移に対応するためで、330LMはエンジン変更によって活躍の場を広げることになりますが、その舞台は「LM」の名の通り主にル・マンであったと言われます。
今回オークションに出品される330LMはシャシーNo. 3765だと紹介されており、1962年のニュルブルクリンク1,000kmでクラス優勝と総合2位という輝かしい戦績を誇ります。
あわせて1965年のシチリア・ヒルクライム選手権では準優勝を獲得したほか、フェラーリ・クラブ・オブ・アメリカの会長が所有していたこともあるのだそう。
さらにこの330LMは世界有数のモーターショーで表彰された経験を持っており、アメリア・アイランド・コンクール・デレガンスではベスト・オブ・ショーを、2011年のペブルビーチ・コンクール・デレガンスではGTOクラス2位に輝いています。
出品元のRMサザビーズによると、このフェラーリ330LMは「現在の所有者のもとで、38年にわたり丹念に手入れされてきた」とされ、(新車製造時の)ファクトリー・ビルド・シート、当時のレース記録、さまざまな雑誌の特集記事も出品物に含まれる、とのこと。
現在のオーナーはオハイオ州シンシナティに住むジェームス・イェーガーなる人物で、1985年にこのフェラーリ330LMを50万ドルにて購入しており、しかしそれが38年で今回の予想落札価格「6000万ドル」つまりその価値が120倍にまで上がったということになりますね。
ただ、50万ドルという購入価格であっても「新車時の」6,000ドルに比較すると相当に高く、いかにこのフェラーリ330LMの価格が急速に上がったかもわかります。
現時点では今回出品される車両の詳細については公開されておらず、おそらくはオークション開催が近づくにつれ明かされることになると思われ、追加での情報公開を待ちたいところですが、参考までに自動車史上「もっとも高額に取引された」クルマは(記録が残る限りでは)メルセデス・ベンツ300SLRの1億3500万ユーロ(現在の為替レートだと約158億円)。
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クラシックカーの価値は今後上がる一方だと思われ、この数十年でとんでもない上昇を見せたのと同様、ここからの数十年もまた「異常な上昇」を見せるのかもしれません。
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参照:RM Soherby's