| フェラーリ275GTBは「フェラーリ250GTと375GTB/4デイトナとの間」に生産されたV12フラッグシップであった |
見たところ問題なく修理が可能であり、もとの栄光を取り戻すことも容易だと思われる
さて、生産わずか330台という希少なフェラーリ275GTB/4がイタリアの路上にてクラッシュしてしまったとの報道。
事故の原因はまだ究明されていないものの、分かっている範囲では「イタリアのプラチェンツァとローディとの間の道路を走行中、なんらかの理由にて舗装路を外れ木製フェンスに激突してしまった」とのことで、幸いにも運転していた60歳のドライバーに怪我はなかったと報じられています。
フェラーリ275GTB/4の修理にかかる費用は安くはない
画像を見る限りではフェラーリ275GTB/4のダメージは致命的ではなく、主にはフロントバンパー、そして右フェンダーに集中しているようにも見えますが、ボディ底面にもおそらくはなんらかの被害が及んでいる可能性も(それでも、状況を考慮するとさほど深刻ではないと思う)。
ただ、この時代のフェラーリのボディパネルは「職人による叩き出し」であるために修理に関する難易度が高く、パーツを交換するにしても鈑金するにしても「安くはなく」、オーナーとしては手痛い出費を強いられるものと思われますが、まだ修理できる範囲であり、かつ身体に深刻なダメージを負わずにすんだことについては感謝せねばならないのかもしれません。
なお、フェラー275GT系は1964年のパリ・サロンにて「250GT系の」後継モデルという重要な役割をもって発表されていますが、250GT系と異なっていたのは「(レーシングカーではなく)ロードカーとして設計されていたこと」。
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よって非常に快適性が高かったと言われていますが、1966年には「フェラーリではじめて4カムエンジンを搭載した」296GTB/4へとスイッチすることに。
ちなみに275GTB/4の後継モデルは365GTB/4”デイトナ”で、つまりこの275GT系は「250GT系とデイトナの間」に存在していたというモデルでもあり、ここ最近のオークションにおける落札価格だと4億円~4億5000万円くらいを記録しています。
フェラーリはどんな状態でも価値がある
なお、フェラーリの各モデルは非常に高い価値を誇ることでも知られ、先日は「ハリケーンの被害で大破した」一連のフェラーリがRMサザビーズ主催のオークションへと出品されて話題となりましたが、その中でももっとも世間を驚かせたのが1954年のフェラーリ500モンディアル・スパイダーが1,875,000ドル、つまり現在の為替レートにて2億8000万円にて落札されたこと。
かろうじてそれが「クルマであった」ことは判別できるものの、これがフェラーリであると識別するのは困難であり、肝心の”コロンボ”V12エンジンやトランスミッションは抜け落ち、タイヤや内装もなく、ボディは錆び果てている状態ですが、まさに「腐っても鯛」とはこのことだと思います。
こういった例は極端であるかもしれませんが、フェラーリは「どんな状態にあろうとも」価値を維持するという一つの例であり、改めてフェラーリというブランドには驚かれますね。
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参照:Il Piacenza