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フェラーリ博物館(ムゼオ・フェラーリ・マラネッロ)へ行ってきた。入場から「スペチアーレの部屋」はこんな感じ【動画】

フェラーリ博物館(ムゼオ・フェラーリ・マラネッロ)へ行ってきた。入場から「スペチアーレの部屋」はこんな感じ【動画】

| フェラーリのスペチアーレは「それぞれ搭載されるエンジン」とともに展示される |

フェラーリ博物館は入場待ちができるほどの大人気である

さて、イタリアにて訪問してきたフェラーリ博物館の様子を紹介したいと思います。

この「フェラーリ博物館」は2つあり、一つは今回紹介するマラネロ(フェラーリ本社所在地)にある「ムゼオ・フェラーリ・マラネッロ」、そしてもうひとつはフェラーリ創業者、エンツォ・フェラーリの生家を再利用した「ムゼオ・エンツォ・フェラーリ」。

前者は主にモータースポーツに焦点を当て、後者は主にフェラーリの歴史を紹介するといった性質を持ちますが、展示物が定期的に入れ替えられており、様々なテーマにて来訪者を楽しませてくれます。

ムゼオ・フェラーリ・マラネッロはこんな感じ

そこでムゼオ・フェラーリ・マラネッロの様子を見てみたいと思いますが、遠景だとこんな感じ。

ちなみに宿泊先はボローニャ中心地、そしてそこからはドライバーとクルマをチャーターしてこのムゼオ・フェラーリ・マラネッロほかいくつかの施設を回っています(鉄道とタクシーとを乗り継ごうかとも考えたが、時間効率的にチャーターのほうが優れ、かつタクシーを見つけることができないという不安からも開放されるという不安から。もちろんコストは掛かるが、限られた時間を有効に使用するにはこれしかない)。

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かなりの来場者が日常的にあると見え、パーテーションにて入場の列がコントロールされており、十分程度の入場待ちにてようやく入場することに(5-9月が繁忙期のようだ)。

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ポールのヘッドにもフェラーリのブランディング。

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以前に訪問したときに比べると構造が変わっており、そして展示内容が(体感的に)2/3くらいに減っているようにも感じられ、かつ「一旦外へ出て別の入場口から出ないと入れない展示コーナー」があるため、おそらくは改装が行われているのだと思われます。

そしてまず最初の展示物はこの「エンツォ・フェラーリの執務室の再現」。

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ちなみにこの執務室はかつて正面入口を入って左側にあったのだそう(今はその場所がフェラーリのクラシックカー部門、クラシケに割り当てられている)。

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そしてデスクの上には有名な「黄色い大きな灰皿(売店で購入して帰ろうと思ったが売り切れだった)」、そしてフェラーリのエンブレムの由来ともなったイタリア空軍の撃墜王、フランチェスコ・バラッカ機のミニチュアも。

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フェラーリが公式にそのエンブレム誕生を語る。エンツォとミラノの芸術家によって作られ、文字の上で「馬が跳ねているように」というのはエンツォの指示だった
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さらに進むとサイネージにフェラーリのスポンサー一覧が乗じされていますが、ヒューレット・パッカードはフェラーリと同列に扱われ(これはF1チームの名称からも明らかである)、そのほかのスポンサーも「順列」をつけて表示がなされています。※順位をつけることはフェラーリの伝統でもあるが、今回訪問したフェラーリの各施設ではスポンサーロゴがあちこちに表示されており、フェラーリがスポンサーを大事にする姿勢がうかがえる

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フェラーリがHP(ヒューレット・パッカード)と大型契約を締結。これによりチーム名が「スクーデリア・フェラーリHP」へと変更されマシンに「ブルー」が登場
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その後は250LMのホワイトボディに・・・。

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250LMの実車も。

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こちらは812スーパーファストのホワイトボディ。

なお、近年のフェラーリの車体構造のフロントバンパーあたりには「細いサブフレーム」が多数用いられており、もしクラッシュしてしまうとこれを修復するのは難しく、「パーツ交換が必須」という印象です。

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812スーパーファストの実車も。

なお壁面にはフェラーリの工場や社屋、クルマに関する歴史がパネルとともに展示されています。

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その後は「スペチアーレの間」に移り、これは288GTO(フェラーリは単にGTOと呼ぶ)。

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そしてこちらはF40。

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フェラーリF40の初期デザインスケッチは実際の市販車とは似ても似つかないスタイルだった。そのイメージは288GTO エボルツィオーネ、それがなぜ変更されたのかは謎である
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さらにこちらはF50。

イエロー(ジャッロ)のF50は非常に珍しく、当時レッド(ロッソ)を選ぶことができたのは一部の重要顧客のみだと言われています(288GTO、F40はロッソコルサしか選択できなかった)。

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生産わずか31台、ジャッロ・モデナ(イエロー)のフェラーリF50が競売に。なお349台のうち302台がロッソコルサ、ロッソバルケッタは8台、シルバーとブラックは4台のみ
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| その希少さゆえ、フェラーリF50としてはもっとも高額な部類の予想落札価格が算出されている | フェラーリF50は「アナログスポーツカー」最後の世代として今後も価値を上げ続けるだろう さて、生産わず ...

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シートもイエロー。

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そして近代に移りエンツォフェラーリ。

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こちらはラフェラーリ。

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ちなみにフェラーリの「スペチアーレ」はドアミラーや・・・。

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センターロックホイールを持つという共通項があり、しかし最新モデルであるF80では「ホイールが5穴」となっているようですね。

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そしてそれぞれのモデルに積まれるエンジンも展示され・・・。

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こちらはラフェラーリに積まれるV12ハイブリッド(ノンハイブリッドに比較するとかなり大きい。これを見るに、フェラーリがV6エンジンをハイブリッドと組み合わせ全長を短縮したこともよく分かる)。

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フェラーリ博物館(ムゼオ・フェラーリ・マラネッロ)の様子を収めた動画はこちら

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