
| あまりに厳しい判断ではあるが、F1の公平性や厳格性を保つには「失格」しかないのだろう |
フェラーリにはここからの巻き返しを期待したい
さて、フェラーリは先に開催された中国グランプリにて「まさかのダブル失格」を喫していますが、これはフェラーリにとっても「史上初」。
レース後の技術検査をクリアできず、シャルル・ルクレール、ルイス・ハミルトンのマシンともに失格となってしまい、18ポイントを失うという前例のない瞬間が生まれたわけですね。
さらにこの「ダブル失格」は土曜日のスプリントレースでルイス・ハミルトンがフェラーリ加入後初優勝を飾り、チームに対する期待が高まっていた中で起こってしまい、再び失望を招く結果となっています。
いったいなぜフェラーリは失格となってしまったのか
今回の流れとして、まずは上海GPの決勝において、ルイス・ハミルトンはそのペースを維持できず、最終的にはシャルル・ルクレールにポジションを譲り、しかし両者ともにいったんは「ダブル入賞」。※ハミルトンは予選と決勝では異なるセットアップを試し、結果的に決勝ではペースが上がらなかった
ここでフェラーリは18ポイントを稼ぐものの、レース後の検査にてシャルル・ルクレールのマシンは「わずか1kg」規定重量よりも軽く、そしてルイス・ハミルトンのマシンはスキッドブロック(アンダーフロアに装着させる摩耗版)が規定以上に摩耗し、既定値を0.4~0.5ミリ下回ったことから失格の裁定がくだされてしまったわけですね。
In this together, as a team 👊 pic.twitter.com/Ber8DIPo9f
— Scuderia Ferrari HP (@ScuderiaFerrari) March 24, 2025
両者ともに「ごくわずか」の数値ではあり、あまりに厳しい結果ではありますが、ここで「失格」とせねばF1そのものの厳格性が維持されなくなるという考え方に基づいた判断であったのかもしれません。
なお、フェラーリはこの判断に意義を唱えず、次のようにコメントを発しています。
「意図的にアドバンテージを得ようとしたわけではありません。本日の出来事から学び、同じミスを繰り返さないようにします。今回の中国GPの週末をこのような形で終えるのは、我々にとっても、常に変わらぬ応援をしてくださるファンにとっても、本意ではありません。」
Pushing forward, full focus on Japan pic.twitter.com/fRpyreuFB2
— Scuderia Ferrari HP (@ScuderiaFerrari) March 24, 2025
今回の「失格」はフェラーリにとって2023年以来
これはフェラーリにとって2023年アメリカGP以来の失格処分であり、その時の理由もまたシャルル・ルクレールのマシンでの「過度なスキッドブロックの摩耗」。
参考までに、このレースではルイス・ハミルトン(当時はメルセデスAMG F1チーム)も同じ理由にて失格の裁定が下されていて、この”スキッドブロック”はなにかと問題になりやすいパーツなのかもしれません。
もう一つ参考までに、このスキッドブロックはガラス繊維強化プラスチックによる「板状」のパーツで、F1マシンのアンダーフロアに取り付けられており、安全装置としての役割を果たしますが、この部品の摩耗が厳しく規定されているのは「チームがマシンの車高を極端に下げ、路面に擦れることを防ぐ」ためだとされています。
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