
Image:Ferrari
| F1チームは耐久レースチームの「イエロー」ではなく「ホワイト」を用いる |
フェラーリ SF-25のカラーリングは「過去、現在、未来の完璧な融合を目指した」もの
さて、フェラーリが2025年シーズンのF1グランプリを戦うチャレンジャー、「SF-25」をロンドンのO2アリーナにて正式公開。
ここではフェラーリCEOのベネデット・ヴィーニャ、チーム代表のフレデリック・ヴァスール、ドライバーのシャルル・ルクレールとルイス・ハミルトン、そしてスクーデリア・フェラーリのパートナー企業が一同に介したと説明されていますが、公式プレスリリースではいくつかの「技術的な変更点」が記されています。
フェラーリ「SF-25」は71番目のF1マシン
まず、この車名「SF-25」は、過去2年間の命名規則に従っており、そしてフェラーリにとっては71番目のF1カー、さらに2022年に導入された第二世代のグラウンドエフェクトカーとしては4台目。
-
-
ムゼオ・フェラーリ・マラネッロ(フェラーリ博物館)へ行ってきた。F1マシンやモータースポーツの歴史に関する展示を見てみよう【動画】
| フェラーリ博物館最大の見所はやはりこの「F1マシンに関する展示」である | おそらくは今後さらにこの展示が拡大されるものと思われる さて、前回はムゼオ・フェラーリ・マラネッロの展示内容「中編」をお ...
続きを見る
フェラーリはSF-25について「過去のクルマとは異なる技術的解決策を採用した完全に新しいクルマ」だと述べており、これまでとの最大の相違は「ロイック・セラ率いるチームによる、”プッシュロッドからプルロッドデザインに変更された”フロントサスペンション」。
Image:Ferrari
この設計変更の目的は「車両周りの気流を整理し、これまでのバージョンではほぼ限界に達していたエアロダイナミクスの開発に更なる可能性を持たせること」だと説明されています。
なお、アーキテクチャに関する規則は2022年から変更されていないため、パワーユニットに技術的な革新はなく、しかしレギュレーションの許す範囲内においてパワーユニットの使用戦略最適化が進められ、主には信頼性の確保を中心とした作業が進められたことについても言及がなされています。
Image:Ferrari
そして今シーズンは「(2026年からの大幅変更を前に)規則が最終年を迎え安定しているため、各チームが極めて接近した競争を繰り広げることが予想され」、フェラーリは僅かなタイム差が勝敗を分けることになる、とも予想しているようですね。
フェラーリSF-25はこんなカラーリングを持っている
そしてフェラーリSF-25のカラーリングに目を移すと、フェラーリいわく「過去、現在、未来の完璧な融合を目指し」、そして「スタイル、力強さ、伝統を宣言する」。
2025年の”レーシングレッド”はマット仕上げとなり、スクーデリア・フェラーリが初期に採用していた深い色調にインスパイアされています。※先に発表されたル・マン・ハイパーカー「499P」もまたロッソ・コルサよりも深い色調を持っている
Image:Ferrari
-
-
フェラーリが2025年を戦うル・マン・ハイパーカー「499P」のカラーリングを公開。カーボン製パーツとのコントラストが際立ち、F1マシン同様のアクセント
Image:Ferrari | 基本スペックは昨年後半に投入された進化型パッケージの499Pに準じる | フェラーリは1972年以来の耐久レース世界選手権タイトルを狙う さて、フェラーリがル・マン24 ...
続きを見る
その他カラーリング面においては”未来を見据える動的なビジョンを象徴する”白い帯(こちらはグロス仕上げ)が特徴的で、499Pと耐久レースチームが「イエロー」をアクセントとして用いるのとは対象的に、F1チームでは「ホワイト」が採用されることに。
Image:Ferrari
このホワイトとレッドのコントラストは、フェラーリの歴史とアイデンティティ、そしてスタイルの進化に対する賛辞、そして洗練されたスポーティネスと時代を超えた美学のマニフェストだとも説明されています。
-
-
フェラーリF1にカーボンファイバーが使用されたのは1982年、最新のSF-24ではその使用率が61%にも。みんな大好きカーボンパーツがどこにどう使用されてきたのかを見てみよう【動画】
| そしておそらく、今後もカーボンファイバーの使用率は拡大してゆくであろう | 現時点では「見える範囲のほとんど」がカーボンファイバー製である さて、現在はF1マシンのみならず他カテゴリのレーシングカ ...
続きを見る
Image:Ferrari
ホイールカバーはレッド、そしてフェラーリ公式フォント「フェラーリ・サンズ」を用いたレーシングナンバーはホワイト仕上げ、そしてもちろん「HP」ロゴが入ります(フェラーリのチェントロ・スティーレはいかにこのブルーをなじませるかという点において苦労したのだと思われる)。
Image:Ferrari
「新車の発表は、チーム全員にとって非常にワクワクする瞬間であり、誇りに思います。SF-25には、マラネッロの全員の献身的な努力が込められており、その成果が形となり、トラックに登場する準備が整いました。昨シーズンは、コンストラクターズ・チャンピオンシップを最後のコーナーまで争い、今シーズンはその安定した基盤を元に両タイトルの獲得を目指しています。新たにルイスが加わり、彼とのチームワークもすでに非常に良好です。私たちはこれから更なる一歩を踏み出し、最良の結果を目指します。競争が厳しくなることは予想されますが、ファンのサポートと情熱に支えられ、最前線で戦う準備は整っています。今は集中して仕事をこなす時です。シーズンの開始が待ちきれません。」
チーム代表 フレデリック・ヴァスール
「SF-25は、SF-24の進化版であり、素晴らしいスタート地点からスタートしました。しかし、私たちは非常に多くの変更を行い、車両の99%を変更しました。プルロッドのフロントサスペンションは、数ある重要な変更点の一つです。来シーズンは非常に接戦になることが予想され、わずかなタイム差が結果を分けることになるでしょう。私たちはその差を埋めるため、どんな些細な改善でも見逃さず、最初のレースから競争力を発揮できるよう準備を整えています。」シャシー技術ディレクター ロイック・セラ
「この瞬間は、数週間の努力と決意の結実です。2025年のパワーユニットは、2022年以降凍結された規則の中で開発されましたが、各コンポーネントから最大限のパフォーマンスを引き出すために全力を尽くしました。信頼性は引き続き最優先事項であり、すべてのコンポーネントがすべてのトラックとイベントで機能するよう、戦略と手順の改善に取り組んできました。ユニークな課題が待ち受けていますが、すべてのディテールに注意を払い準備を進めてきたので、自信を持ってシーズンを迎えています。SF-25が目標達成に導いてくれると確信しています。」
パワーユニット技術ディレクター エンリコ・グアルティエリ
「SF-25の発表にとてもワクワクしています。毎年、私たちは改善に向けて努力し、チーム全体が数ヶ月にわたり全力で取り組んできました。昨シーズンは非常に接戦で、タイトル獲得に非常に近づきました。今年の目標は明確です。コンストラクターズ・チャンピオンシップを勝ち取り、私自身の目標はドライバーズ・タイトルを獲得することです。ルイスがチームに加わってから、私たちは非常に密に連携しており、彼の経験とアプローチが私にとって大きなインスピレーションとなることを信じています。体力的にも精神的にも、この新しいシーズンに向けて準備は整っており、トラックに出て、スカデリア・フェラーリHPを再びトップに戻すために全力を尽くします。」シャルル・ルクレール(#16)
「最初の数週間は本当に素晴らしく、チーム全体の情熱と献身を直接目の当たりにしました。今日は私にとって初めてのスクーデリア・フェラーリHPの新車公開となり、非常に興奮しています。シーズンに向けて多くの努力が注がれており、私たちは成功に向けて非常に強い意欲と決意を持っています。今年は新しい章が始まりましたが、これまで過ごしてきた月々で出会った全ての人々の精神と信念によって、ますますエネルギーを感じています。この旅を一緒に歩んでいることに誇りを感じており、シャルルと共にトラックでお互いを刺激し合い、チームをトップに押し上げるために全力を尽くします。」ルイス・ハミルトン(#44)
合わせて読みたい、フェラーリ関連投稿
-
-
中国人初のF1ドライバー、ジョウ・グアンユがフェラーリへと「リザーブドライバー」として復帰。同僚は引き続きル・マン覇者のアントニオ・ジョビナッツィ
Image:Ferrari | ジョウ・グアンユはスクーデリア・フェラーリ・ドライバー・アカデミーに4年間在籍したことがある | できればジョウ・グアンユにもリザーブドライバー以外に活躍の場を用意して ...
続きを見る
-
-
ルイス・ハミルトンがフェラーリへと「初出勤」したのち、F1マシンでフィオラノを走る。「はじめての赤い」レーシングスーツに身を包み、着用するヘルメットは「イエロー」【動画】
Image:Ferrari | さすがはルイス・ハミルトン、「レッドのレーシングスーツ」もよく似合う | ただし「イエローのヘルメット」は意外であった さて、ルイス・ハミルトンがスクーデリア・フェラー ...
続きを見る
-
-
さよならカルロス・サインツ。なんとフェラーリがサインツ・シニアを招待し、父子揃ってF1マシンでフィオラノを走行するという最高の餞別を用意
Image:Ferrari | フェラーリにとってカロルス・サインツの放出は苦渋の決断であっただろう | なお、フェラーリはカルロス・サインツにF1マシンを贈ったという話も報じられている さて、カルロ ...
続きを見る
参照:Ferrari