
| フェラーリにしては「意外な」イージーミスである |
819馬力の怪物を止めたのは、意外すぎる「窓の色の濃さ」
フェラーリの最新V12グランドツアラー、「12チリンドリ」。
クラシックな大排気量自然吸気エンジンと現代のテクノロジーが融合した、まさに「究極」と呼ぶにふさわしい一台です。
しかし米国でデリバリーを目前にした段階でフェラーリはある「ミス」に気づくこととなり、それはエンジンでも足回りでもなく、サイドおよびリアウィンドウのティント(色)が濃すぎたというものです。

この記事の要約:
- リコールの原因: 窓ガラスの可視光線透過率が米国法規(70%以上)を下回ったため。
- 対象車両: 2024年10月〜2025年11月に製造された計80台。
- 今後の対応: 5月15日より通知開始。無償で法規適合ガラスへ交換を実施。
- 生産への影響: 既に工場での設定は修正済みで、今後出荷される車両に問題はなし。
なぜ「透過率」が問題になったのか?
自動車には各国の法律で安全基準が定められており、特に視界を確保するための「窓ガラスの透明度」は厳格で・・・。
米国法規の壁
アメリカの連邦自動車安全基準(FMVSS)では、フロントおよびサイド・リアの一部ガラスにおいて、少なくとも70%の光を透過させることが義務付けられています。

そして今回の調査により、一部の12チリンドリに装着されたガラスがこの基準を満たさない「暗すぎる設定」になっていたことが判明しており、これについてフェラーリ側は「米国市場向けの技術構成における設定ミス」であると認めることに。※フェラーリはキャビン上部をブラックアウトしたかったのだと思われ、それが行きすぎたのかもしれない
幸いにも「事故や苦情」はゼロ
この問題は米国での納車前点検(プリデリバリー)段階で発覚したといい、現時点でこの窓ガラスに起因する事故や保証請求、苦情などは報告されておらず、あくまで「法規に適合させるための予防的な措置」といえそうですね。
フェラーリ 12チリンドリ:主要スペックと市場価値
窓ガラスの問題はあるものの、これでこのクルマの本質的な魅力が微塵も揺らぐわけではなく、その圧倒的なスペックを改めて振り返ってみると以下の通り。
| 項目 | スペック詳細 |
| エンジン | 6.5L V型12気筒 自然吸気 (F140HD) |
| 最高出力 | 830馬力 @ 9,250 rpm |
| 最大トルク | 678 Nm (500 lb-ft) @ 7,250 rpm |
| レブリミット | 9,500 rpm |
| 0-100km/h加速 | 2.9 秒 |
| 最高速度 | 340 km/h 以上 |

12チリンドリは「812スーパーファストの後継」として登場したフロントエンジンモデルであり、ターボやハイブリッドに頼らず「自然吸気V12だけで800馬力を超えるパワーを絞り出す」という、まさにフェラーリの矜持と誇りの象徴です。
デザインも新世代へと突入し、エクステリアだと「ブラックバンド」、インテリアだと「デュアルコクピット」といった特徴も。
なぜ「12チリンドリ」という名前なのか?
イタリア語でそのまま「12気筒」を意味するこの名前。
フェラーリがあえて直球すぎる命名をした背景には、電動化が進む中で「我々は最後までV12を作り続ける」という強い決意が込められており、ちょっとやそっと「ウインドウが暗すぎたとしても」その情熱が曇ることはないものと考えられます。
競合比較とブランドへの信頼
今回のような「法規適合ミスによるリコール」は実のところ超高額車メーカーでは珍しくはなく・・・。
- 競合他社との比較: 過去にはランボルギーニやアストンマーティンでも、リフレクターの取り付け位置や警告灯の表示デザインといった、細かな法規ミスによるリコールが発生している
- フェラーリの対応力: 発覚後すぐに生産ラインを修正し、対象の80台に対しても迅速な無償交換を提示する姿勢はフェラーリブランドの信頼性を守るための迅速なアクションであるといえる

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結論:オーナーにとっては「希少な初期型」の証に?
リコールと聞くとネガティブな印象を持ちがちですが、今回のケースは「走行性能や安全性に致命的な欠陥があるわけではない」という点が救いです。
対象となる80台のオーナーにとっては、法規適合ガラスへの交換という手間は発生するものの、見方を変えれば「ミスが修正される前の超初期ロット」に乗っているという、ある種のレアな体験とも言えるかも。

完璧なドライビングマシンを目指す過程で起きた、小さな「影(ティント)」の物語。12チリンドリが奏でるV12サウンドの響きに比べれば、窓の色の濃さなど些細な問題に過ぎないのかもしれませんね。
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参照:NHTSA











