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| フェラーリ初のEVに冷ややかな視線、ランボルギーニの選択は? |
株価はルーチェ発表前の348.29ドルから直近では347.13ドルへ
自動車界の頂点に君臨するフェラーリが満を持して発表した100%電気自動車(EV)「ルーチェ(Luce)」。
しかしその幕開けは祝福とは程遠いもので、ネット上や業界内からはそのデザインや方向性に対してかつてないほどの批判が巻き起こっており、この状況を静かに見守っていたのが最大のライバルであるランボルギーニです。
同社CEO、ステファン・ヴィンケルマン氏は海外メディアのインタビューに対し、名指しこそ避けたものの、自社が先に決定していた「EV開発計画の中止」という判断がいかに市場の現実を捉えていたかを語っており、暗にフェラーリの戦略を批判しているとして大きな話題に。
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フェラーリの株価は初のEV「ルーチェ」発表後に5.26%下落。それだけ変化を受け入れられる人が少ないということに。批判するのは簡単だが認めることを人はなかなかできない
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なお、今回ルーチェが大きく批判されることになったものの、蓋を開けてみれば「大成功」となる可能性も捨てきれず、そしてもしルーチェが成功したならば、「批判した手前」、そして「二番煎じになるのは目に見えている」ため、いずれの自動車メーカーもルーチェとその手法を模倣するわけにもゆかず、この意味においても「フェラーリはうまくやった」とも考えています。
ちなみにフェラーリの株価はルーチェ発表前の水準にまで戻していて、「ルーチェの発表で株価が一時的に下がるであろうが、すぐに戻す」と考え、下がった局面にフェラーリ株を買いまくった投資家(あるいはフェラーリが危機に陥ったときにこそ手を差し伸べたフェラーリスタ)に対して大きな恩恵を(フェラーリが)与えることとなっているのが「現実」で、フェラーリそして投資家はこの騒ぎを利用しつつ俯瞰している、というのが実際の状況なのかもしれませんね。
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記事の要約・ポイント
- フェラーリ初のEV「ルーチェ(Luce)」が発表されるも、そのデザインに世界中から厳しい批判が殺到
- ランボルギーニのCEOは、自社のEV(ランザドール等)の開発中止判断が「正しかった」と自信をのぞかせる
- スーパーカーの顧客層において、電気自動車(EV)への関心は「ほぼゼロ」というシビアな現実が浮き彫りに
フェラーリ「ルーチェ」への酷評とランボルギーニCEOの反応
フェラーリが発表した「ルーチェ」は、4つのモーターを搭載した4ドア、そしてフェラーリ初の5人乗りモデルですが、そのスタイリングは「モダンでありながら、凡庸で、どこか古臭い」と酷評されているのが現在地。

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批判の理由は「EVだから」という理由というよりも、フェラーリに求められる官能的な美しさやブランドのDNAが感じられないデザインにあるようで(EVということをほぼ誰も議論しておらず、意図したのかどうかはわからないが、フェラーリがうまく話題をそらすことに成功したのだとも考えられる)、元フェラーリのCEO、ルカ・ディ・モンテゼーモロ氏でさえも「中国企業すら真似しないほど不格好だ」と過激なコメントを残す事態にまで発展しています。
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フェラーリ初のEV「ルーチェ」のデザインに対して”元身内”、かつて同社CEOを努めたモンテゼーモロが「中国人もコピーしない」「跳ね馬のバッジを外すべき」と酷評
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これを受け、ランボルギーニのステファン・ヴィンケルマンCEOは、CNBCの取材に対し「(EV撤退の判断は)進むべき正しい道だった」と語ったことが今回話題になっていて、ランボルギーニは2023年に初のEVコンセプトカー「ランザドール(Lanzador)」を発表し、2028年の市販化を目指していたものの、しかし、顧客のEVに対する関心が「ほぼゼロ」であることを察知し、今年に入って開発を完全に見送るという苦渋の決断を下していたという背景がここにあり、つまり「フェラーリもEV開発を中止すればよかったのに」と暗に示したのかもしれません。
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両社の戦略比較と市場の現実
ここで(電動化に関して)フェラーリが突き進むEV路線、そしてランボルギーニが選んだプラグインハイブリッド(PHEV)路線の違いを整理してみると・・・。
スーパーカー2大巨頭の最新EV・電動化戦略
- フェラーリ(Luce)の戦略
- パワートレイン: 4モーター(完全電気自動車 / BEV)
- 特徴・現状: 時代の先陣を切って100%電動化へ突入。しかし、伝統的な「エンジン音」や「美しいプロポーション」を失ったことへの反発が非常に強い
- ランボルギーニの戦略
- パワートレイン: 全ラインアップPHEV(プラグインハイブリッド)へシフト
- 特徴・現状: PHEV化を進めた一方、2028年予定のEV(ランザドール)を開発中止。次世代「ウルス」のEV化も撤回して2029年頃にPHEVとして投入予定。顧客の声と市場の受け入れ体制を冷静に見極める現実路線

ヴィンケルマンCEOは、「イノベーションは最優先事項だが、それを顧客に無理強いすることはできない」と述べていて、顧客が求めるものと環境規制との間でランボルギーニは「市場を観察し、賢く立ち回る」ことでブランドの価値を守る道を選んだというわけですね。
ただ、ここで考えねばならないのは、「ランボルギーニは市場の”現状”に従い」、しかし「フェラーリは市場を無視したわけではなく、未来を創ろうとしてルーチェを投入した」ということ。
ここには「市場におもねるか」「リスクを背負って市場を創出するか」という差があり、これが将来的にどう作用するのかは興味が尽きないところです。
世界的な「EV失速」とスーパーカーが直面するアイデンティティの危機
今回のニュースは、決してフェラーリとランボルギーニだけの問題ではなく、というのも現在、自動車業界全体で「EVシフトの減速」が顕著になっているからで、フォードやホンダといった大手メーカーもEV計画の見直しや撤回を行っており、市場の需要はハイブリッド車(HV/PHEV)へと回帰しているというのが実情です。
特に対象が「スーパーカー」となると問題はさらに複雑で、スーパーカーを購入する富裕層が求めているのは移動手段としてのクルマではなく「高揚感」あると思われ、V12やV8エンジンが奏でる官能的なエキゾーストノート(排気音)、シフトチェンジのダイレクト感、そして一目でそれとわかる美しいデザインこそが価値の本質であるとも考えられます。

どれだけ加速が速くても、静かなEVでは彼らの心を動かすことはできず、フェラーリの「ルーチェ」が受けた猛烈な批判は技術の押し付けに対するユーザーの「NO」サインであり、ランボルギーニはその声をいち早く聞き入れたのだとも理解できます。
ただ、ここでもフェラーリの意図を理解する必要があり、というのもフェラーリの歴史は「ファンの声を聞く」のではなく、常にその時代に沿った、そしてそこから見える未来へと向かうために「ファンがまだ見ぬ」新しい技術やデザインを取り入れて先に進むこと(フェラーリの歴史はイノベーションの歴史である)。
よって、ぼくとしては「フェラーリがファンの声を聞き入れ、EVの開発を中止する」「過去の技術にブランドの未来を委ねる」ことのほうがフェラーリらしくない、とも考えているわけですね(その一方、フェラーリは電動化もターボ化もせずに自然吸気V12エンジンを積む市販車を販売していることも忘れてはならない。フェラーリが考える未来はけしてEVのみによるものではなく、すべてのラインアップがルーチェ化するわけではない)。
顧客第一主義がもたらした明暗、次世代スーパーカーの行方
フェラーリが批判を跳ね除けてEVの先駆者としての地位を確立するのか、あるいはランボルギーニのように市場の声を反映してPHEVでエンジンの灯火を消さない選択が支持されるのか。その答えは、これからの販売実績が証明することになり、しかし確かなことは、どんなに優れた最新技術であっても、乗る人の「熱狂」を生み出せなければ、スーパーカーとしての魂は宿らないということ。

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もちろんフェラーリもそれを理解しており、ルーチェにはその「魂」を与えているのだとは考えますが、今後登場するであろう試乗レポート、そして可能であれば自分でステアリングホイールを握る機会を待ちたいと思います。
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参照:CNBC











