さて、テスラの株価が最高値を更新しており、現在ぼくの含み資産もこれまでに見たことがないほどの額へ。
実際のところぼくはそれほど熱心な投資家ではなく、かつ頻繁に売買するほどの時間も取れないので、「長期的に値上がりする」であろう銘柄を中心に購入しています。
自動車関係だとテスラ、フェラーリ、その他だとGoogole(アルファベット)、エヌビディア、アマゾン、アリババといったところが中心で(一時期、エネルギーやカーボンなど新素材関連に手を出したが、全部処分した)、基本的には「将来性を買う」というスタンスであり、短期的な値上がり銘柄に興味はありません。
テスラとフェラーリは継続的に買い増し中
その中でもとくに力を入れているのがフェラーリとテスラ。
フェラーリについてはそのブランド価値を高く評価していて、自動車業界では「代替性がない」ことが大きな特徴。
ぼくは「自動車そのもの」としてはフェラーリよりもランボルギーニやポルシェに興味を惹かれるものの、会社(投資対象)としてはフェラーリのほうがずっと魅力的だとも考えているわけですね(その理由はこれまでにも何度か述べてきたので、ここでは割愛)。
現在フェラーリの株価は200ドルを抜けようとしていますが、ぼくが買い始めたのは60ドルくらいからで、そこから「下がったときに買い増す」というスタンスを今に至るまで貫いており、直近だと170ドルの時点でも買い増ししています。
基本的には「買いのチャンスを狙う」
ある程度お金が貯まった時や臨時収入があった場合、持っていてもあまり上がりそうにない株を処分して「フェラーリを買い増し」しているということになりますが、「買ったフェラーリ株が上がる」→「ちょっとだけ売る」→「チャンスのためにお金を置いておく」→「チャンスが来たらフェラーリ株を買う」ということを繰り返しているわけですね。
なお、フェラーリが上場しているのはニューヨーク証券取引市場なので、円を用いてフェラーリ株を購入する場合は「ドルへと交換する」際の手数料がかかり、よって東京証券市場に上場している株式を購入するよりは多くの手数料がかかります。
ぼくの中では「多く見積もって往復8%くらい」だと認識していて、これもチョコチョコと売り買いしない理由のひとつ(一見、儲かっているように見えても手数料を引けば期待したほど利益が残らない)。
そのために「頻繁に売買せず、しかるべきチャンスをじっと待つ」ということになり、そしてニューヨーク市場におけるチャンスは「2つ」あり、それは「暴落と円高」。
ぼくはニューヨーク市場は継続的に伸びると踏んでいて(インフレ率その他の理由から)、よって「下がっても必ず戻す」と認識しています。
下は過去二年のNY市場のチャートで、2018年12月と2020年2月に大きく下げていることがわかり、この「下げた時」がぼくにとってのチャンスということに。
要は「再び上がるという前提で、下がった時に買う」ことになり、これは非常に恐ろしい行為でもあります。
多くの人が「下がる」と判断して売っているときに買いに行くわけで、もしかすると「まだまだ下がる」「底なしに下がる」可能性もあるわけですね。
時にチャンスを掴むのは恐怖でもある
よって相当な覚悟がないと暴落時に買えないということになるのですが、ここでぼくが腹をくくるために自分に言い聞かせていることが2つ(正直、ぼくだって下がっている時に株を買いまくるのは怖い)。
まず1つは「ポルシェ911の運転と株は同じ」ということ。
どういうことかというと、ポルシェ911は「リアエンジン」ということに起因していて、(高速域において)非常に特殊な挙動を示します。
普通の車だと「危ない」と感じてアクセルを抜くような場面でもアクセルを踏んでクルマを安定させる必要があり、同様に一般の車だとブレーキを踏むような場面であっても、911では「踏んではならぬ(そのほうが危ない)」ということがあるわけですね。
つまり、一般のクルマの運転とは「逆」、そして自分の直感とも「逆」の行動を選択せねばならないときがあるのが911であり、それができた場合にのみ「美しく911を操れる」のだとも考えています(ぼくはその領域には達していませんが)。
そして株式も同じであり、多くの人が売り急いでいるときにこそ「買い」、自分がいかに怖いと感じていてもその恐怖を克服して「前に進む」ことで、他の人が達することができない領域に到達できる、とも思うわけですね。
そしてもうひとつが「損してもいい」。
多くの人は損を嫌うものの(ぼくもそう)、株式は「短期」ではなく「長期」だと考えています。
レースで言えばゼロヨンやスプリントではなく、年間通じて戦うF1グランプリ、24時間走り続けるル・マンのようなもので、つまり「ずっと1位を走っていなくても、トータルでポイントを稼げていれば、もしくは最後に先頭を走っていれば」いいわけですね。※2016年のル・マンのように、希望を失わなければチャンスもやってくる
日本はアメリカに近い「短期決戦思考」が根強いと言われていて短距離走的思想が強く、逆に欧州では長期戦を勝ち抜いたものが一番強いという考え方が支持されているといい、考え方を欧州風にシフトさせることによって、「今損したっていい。1年後に上がっていればいいのだから」「まだ下がるかもしれない。だが、1年後は今より上がっているかもしれない」と考えて損失(厳密には”売るまで”損は出ない)を許容できる、そして下がっている局面でも割り切って買い増しできるようになった、とも考えています。
株式売買については「損をしてはならない」と強く考える人が多く、買った株が下がると悲嘆にくれる場合も多いように思うものの(それは当然の反応でもある)、「まだレースははじまったばかり」だと考えると気が楽になり、そして売らない限りは損も出ず、つまり「レースを途中で降りなければ」負けではないわけですね。
ただ、銘柄によっては「下がり続ける」「上昇が期待できない」ものもあるので、その場合は「遅い車で我慢してレースするよりも、これ以上順位を下げないために、さっさと速い車に乗り換える」と考え、期待できない銘柄は損切り、より期待できる銘柄に乗り換えて「取り戻す」ことを考えたほうが良さそうです(ひとつひとつの銘柄ではなく、ポートフォリオ全体で考える)。
こういった感じで、「恐怖を乗り越えた勇者にのみ報酬が与えられる」「途中で負けても、最後に勝っていればそれで勝者」と考えると、より素早い判断ができるようになるのかもしれません。
誰もテスラのことを正しく理解できていない。アナリストでさえも
そしてテスラについて、こちらもその将来性については過去に何度か説明してきたので、ここでは割愛したいと思いますが、テスラの株を買い増すのもまた恐怖。
というのもテスラ株は「ありえない」ほど上昇しており、いつ(大きく)下がってもおかしくはないわけですね。
加えて、多くの自動車メーカーが全力にて「打倒テスラ」を掲げてEV開発に取り組んでおり、つまりテスラの優位性も安泰ではない、とも考えられます。
実際にそう考える人も多いようで、テスラの株が「下がる」ほうに賭ける人、つまり空売り(ショート)を行う人も多数存在し、そしてイーロン・マスクCEOはそういったショートポジションを取る人々をからかうように「ショートパンツ」を発売したことも。
さらにテスラは「ポっと出」のように思われ、イーロン・マスクCEOの言動から「脆い会社」だとも思われるものの、現時点でどこもテスラには対抗できず、さらにイーロン・マスク氏はほかに経営する「スペースX」社にて、ロケットを打ち上げてそれを帰還させたり、ISSにドッキングさせたりという「民間初」の偉業も成功させていて、これ(軽い人物のように見えるが、ほかが必死になってもできないこと、人類ではじめてのことを多数実現している)はそのまま受け止める必要があると思います。
そしてそんなテスラですが、かなり上下の激しい銘柄であり、というのもイーロン・マスクCEOの軽はずみな言動で株価が下がったり、そして上述の「ショートポジション」の人々がその場合はさらに売りまくったりするということもあって、下がるときは大きく下がるのがテスラ株の特徴。
よって証券会社によっては売買を停止することもしばしばで(よってぼくは複数の証券会社を利用している)、売買できるようになったとして買い注文を入れても「普通はこの状況で買いませんよ・・・」とやんわり再考を促されることも。
それでもぼくはなんと言われようが「買う」ようにしているのですが、このチャートの「下がった」ところは必ず大きく買い注文を入れています。
これまでの取引だと、低いところで200ドル弱、高いところでは860ドルで買っているものの、現在の株価は1835ドルなので、とにかく高いパフォーマンスを発揮しているということになりますね。
ちなみに直近では1400ドルを割る場面もあり、そこでも「買うか」と考えたものの、さすがに(すでに株価がかなり高いレベルなので)ビビってしまって買いには走らず、しかしその際に「もし」買っていれば相当な含み益がまた発生していたということになりますね。※そして、こういった「もし、あのとき・・・」と公開しないためにも、恐怖に打ち勝って買いましてゆかなければならない
現在は米中貿易摩擦、コロナウイルスなど不確定な要素が多いものの、しかしそれはぼくにとってもひとつの機会であり、かつ「円高」というのも大きなチャンス。
為替については「ここから大きく円高に動くことはない」と考えており、よって今買った株が多少下がったとしても、今後円安に動けば損失を帳消しにしてくれると考えているわけですね。
そういった意味でもこの1~2年は「暴落+円高」というダブルチャンスが少なくとも3度あり、「史上最大の下げ」「史上何番目の下げ」と報じられた暴落もぼくにとってはチャンスそのもの(2年以上前は、円安だったので、暴落時に手を出しにくかった)。
ぼくが米国株に財産の多くを突っ込んでいると知っている人々は、コロナ禍以降なんどか繰り返される「史上最大級の暴落」ニュースを見ては「大丈夫か」と声をかけてくれ、そういったときには「大丈夫。むしろ今がチャンス。もっと買う」と返すものの、いまひとつそれも理解してもらえず、そして「強がり」だと捉えられることも多いようです。
こんな感じで「下げ=ネガティブ」と捉える人々が大半(ほとんど)なのが今の世の中ではありますが、「失敗しても良い」「いつも勝っている必要はない(そもそも常に勝利するのは無理)」と考えると、ずいぶん生き方そのものが楽になるのかもしれません。