| アヴェンタドールの後輪駆動モデルは「NO」 |
オーストラリアのメディア、「Drive」がランボルギーニの研究開発部門のボス、マウリッツォ・レッジャーニ氏へインタビューした内容によると、「アヴェンタドールの2WD版はない」とのこと。
ランボルギーニはディアブロ時代から継続し4WDを採用していますが、その先代となるカウンタックからすでに4WDを想定していたといい、その理由は「これだけの大パワーをコントロールするには4WDが不可欠だから」。
ランボルギーニは昔から4WDにこだわってきたメーカー
残念ながらカウンタックでそれは実現できなかったものの、当初はRWDで登場したディアブロ(1990)にはのちに4WDモデルの「VT(1993)」が追加され、その後「SV」を除くとすべてのラインアップが4WD。※当時の技術を考えると、ディアブロSVはさぞ恐ろしいクルマだったのだろうと思われる
さらに後継モデルのムルシエラゴ、そのまた後継のアヴェンタドールは「すべて」駆動方式について4WDを採用することに。
なおV10モデルの「ガヤルド」は4WDでデビューし、その後限定モデルとして「LP550-2バレンチノ・バルボーニ」が設定され、さらにその後「LP550-2」として定番化。
ウラカンにおいても「ウラカンRWD」なる後輪駆動モデルが設定されています。
かつては「危険」とされた大パワーも制御系の進化やメカニカルグリップの向上によって安全に楽しめるようになっており、これまでずっと4WDを一貫し採用してきたアウディR8でも後輪駆動の「アウディR8 RWS」が追加されるなど、ランボルギーニの属するVWアウディグループでは全体的に、若干ではありますが状況変化中。
そんな中、やはり期待してしまうのが「アヴェンタドールRWDモデルの登場」。
しかし今回のインタビューにおいてマウリッツォ・レッジャーニ氏は「アヴェンタドールほどの大パワーになると、後輪駆動化した場合、高速域でのコントロールが難しい」と述べ、ランボルギーニのフラッグシップモデルとしてアヴェンタドールは4WDであり続ける、と語っています。
中国で事故を起こされるとブランド価値を損ねる?
つまりアヴェンタドールSVの後継モデル「アヴェンタドールSVJ」も4WDを継続するということになりますが、ランボルギーニとしては「アヴェンタドールを後輪駆動化し、そこでバンバン事故を起こされてはブランド価値が下がる」と考えているのかもしれません。
今やスーパーカーの購買層は「腕に覚えのある」人々ではなく、ファッションアイテムやアクセサリーとして車を捉える人々が大半で、そういった人々に「700馬力以上の後輪駆動車」を任せるのはあまりに危険だとも考えられます。
反面、ランボルギーニは「たくさんの新型モデルを開発中」だとも述べており、詳細は不明ではあるものの、ラ・フェラーリFXX KやマクラーレンP1GTR/セナGTR、アストンマーティン・ヴァルカン/ヴァルキリーAMR Proのような「サーキット専用モデル」についてもその姿を見ることができる日が来るかもしれませんね。