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ランボルギーニCEOが描く未来図とは?同社のルーツでもある「フロントエンジン、4人乗りGT」、つまりアステリオンが復活か

ランボルギーニのコンセプトカー「アステリオン」のリアビュー(ブルー)

| ここへ来てあの「アステリオン」が復活? |

「SUVでもセダンでもない、真のGTが足りない」

2026年3月、セブリング12時間レースの会場にて、ランボルギーニのステファン・ヴィンケルマンCEOがブランドの将来的なラインナップについて極めて興味深い発言を残したとして話題に。

ステファン・ヴィンケルマンCEOは現在の「レヴエルト」「テメラリオ」「ウルス」に続く第4のモデルについて、「セダンや小型SUVの可能性はすでに排除した」と明言。

その上でブランドの起源(350 GTや400 GT、エスパーダ)に立ち返る「2ドアの2+2 グランドツアラー」こそが、現在のラインナップに欠けているミッシングリンクであると述べています。

ランボルギーニ 350GTのサイドビュー(レッド)

この記事の要約:

  • 新カテゴリーの模索: CEOは「セダン」と「小型SUV」を明確に否定
  • ルーツへの回帰: 1978年に生産終了した「エスパーダ」以来となる本格2+2 GTを熱望
  • EVからPHEVへ: 当初EVとして発表されたコンセプト「ランザドール」は、市場動向を鑑みハイブリッドでの市販化が有力
  • ライバル激戦区: フェラーリの新型「アマルフィ」やアストンマーティン「DB12」が直接の競合に

なぜ今、グランドツアラーなのか?

ランボルギーニは長年、多人数が乗車できるクルマの可能性を探ってきましたが、その過程では2008年の4ドアセダン「エストーケ」や2014年のGTコンセプト「アステリオン」など、多くの試行錯誤が存在します。

ランボルギーニ博物館に展示されるエストーケ・コンセプト(リア)

1. 市場の成熟とブランドアイデンティティ

ステファン・ヴィンケルマンCEOは、セダン市場の縮小を指摘する一方、ランボルギーニらしい「感情に訴えかけるデザイン」を維持するてめには、ロングホイールベースのセダンよりも”優雅なプロポーションを持つ2ドアGT”の方が適していると考えているもよう。

2. 「ランザドール」の軌道修正

2023年に発表された高車高の2+2 GTコンセプト「ランザドール(Lanzador)」は、当初2028年の完全EV化を目標としていましたが、しかし最新のインタビューでは、2029年頃に「プラグインハイブリッド(PHEV)」として登場する可能性が高まっています。

これは、顧客がまだ完全な電気自動車よりも、エンジン音を伴うハイブリッドを求めているという市場分析に基づくもので、現時点では「ほぼ間違いない」路線であるとも考えられているわけですね。

ランボルギーニ初の電気自動車「Lanzador」正式発表。新セグメント「ウルトラGT」の創出を標榜し、そのデザインは宇宙船からインスピレーションを受ける

Image:Lamborghini

ただ、ランザドールは「EV専用設計」として考案されたために非常に独特なプロポーションを持っており、とくにフロントにエンジンを積まないからこそ実現できたダッシュ・トゥ・アクスル比率、Aピラーの位置は「(おそらくフロントにエンジンを積むであろう)ハイブリッドでは再現できない」可能性が非常に高く、よって大幅な再設計が要求されることも間違いなさそう。

そして「再設計を行うからには」、上述のとおり「感情に訴えかけ、優雅な」シルエットを実現するために”(現在のハイライダーから)GTカーっぽい”シルエットとなるのかもしれません。

ランボルギーニ・ランザドールはなぜ「あの奇抜な」ボディ形状なのか?「現在持たない車種を投入する必要があったが、セダンは2つの理由からNOになった」

Image:Lamborghini

ランボルギーニはデザイン路線を「分ける」のか

そこで考慮しなければならないもう一つの要素が「アステリオン」。

これは同社初のハイブリッドコンセプトであり、当時の「ガヤルド、アヴェンタドール」といったラインアップに比較すると非常にマイルドなデザインを持っています。

その理由としては「過激なデザインを好まない顧客もいるため」だと当時語られていますが、ランボルギーニはこのアステリオンによって新しい顧客を獲得しようと考えたのだと思われ、この思想がランザドールにも受け継がれたと捉えることもできそうですね。

ランボルギーニのコンセプトカー「アステリオン」のサイドビュー(ブルー)

Image:Lamborghini

ただ、ランザドールがPHEVにて発売されるならば、ウルスと「自社内で競合」することになるのは間違いなく(ランザドールがBEVであれば顧客の棲み分けも可能であった)、その関連から見てもランザドールを「当初のデザインのまま発売するのは」顧客ベースを最大化するのには有用とはいえず、よって「ラインアップがすべてPHEVになる」という想定のもとモデル展開を考えるならば、レヴエルト(スーパースポーツ)、テメラリオ(スーパースポーツ)、ウルス(SUV)に加えるのはクロスオーバーではなくGTカーのほうがバランスがいいのかも(ブランドイメージ的にもそのほうがいいだろう)。


想定されるライバルとのスペック比較

もし新型GTが実現すれば、それはラグジュアリーGT市場はかつてない激戦区で戦うことを意味しており・・・。

モデル名推定/最高出力駆動方式特徴
ランボルギーニ 新型GT (仮)1,000 hp以上 (PHEV)AWD4人乗りGT、伝統の命名規則を継承
フェラーリ アマルフィ640 hp (V8)RWDローマの後継、美しさと実用性の融合
アストンマーティン DB12680 ps (V8)RWD「スーパーツアラー」を標榜する圧倒的パワー
ベントレー コンチネンタルGT782 ps (V8 Hybrid)AWD圧倒的な豪華さとウルトラパフォーマンス
ランボルギーニのコンセプトカー「アステリオン」のフロントビュー(ブルー)

Image:Lamborghini


EV開発の現状: 「高価な趣味」からの脱却

ヴィンケルマンCEOは最近、EVを「高価な趣味(Expensive hobby)」と表現して話題を呼びましたが、しかし、これはEV開発を諦めたという意味ではなく・・・。

  • 感情に訴えるサウンド: ランボルギーニは現在、EVであっても「合成音ではない、本物の感情を揺さぶるサウンドトラック」の開発に注力
  • 準備期間の延長: 2030年以降までフルEVモデルの導入を遅らせることで、技術が顧客の期待(エモーションとパフォーマンスの両立)に追いつくのを待つ戦略
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参考:エスパーダの再評価

1968年から10年間生産された「エスパーダ」は、当時V12エンジンを搭載し、大人4人が快適に移動できる世界最速クラスのGTとして知られる存在です。

一時期はランボルギーニのベストセラーであり、ブランドを倒産の危機から救った功労者ともいうべきモデルではありますが、そのためランボルギーニは過去にエストーケ」でこれを蘇らせようとし(エスパーダ、エストーケともにその意味は”剣”である)、そして新型GTがこの精神を受け継ぐならば、実用性と超高性能を兼ね備えた「究極のデイリー・ランボルギーニ」となるのかもしれません。

ランボルギーニ博物館に展示されるエスパーダ(ネイビー)
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結論:次なる「闘牛」は、長距離を優雅に駆ける

ランボルギーニが描く次世代のビジョンは単なる速さの追求ではなく、ウルスで証明した「多人数での移動」という価値を、今度は伝統的な「グランドツアラー」という枠組みにおいて、よりエレガントに、よりドラマチックに再解釈しようとする行為。

2029年の登場が噂される「ハイブリッド版ランザドール」が、ヴィンケルマンCEOの夢見る「ミッシングピース」を埋めることになるのか。その動向に注目したいところでもありますね。

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参照:Road & Track

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