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3年の歳月をかけ蘇った「ミウラ SV」が公開。ランボルギーニ公式レストア部門「ポロストリコ」がローマで放った執念のレストア

ランボルギーニのクラシックカー部門「ポロストリコ」によってレストアされたミウラSVのフロント

Image:Lamborghini

| 「ブラウン」のスーパーカーはランボルギーニならでは |

この記事の要点

  • 究極のレストア: 1972年製「ミウラ SV」が、3年に及ぶ歴史調査を経てオリジナル仕様で完成
  • 公式の誇り: ランボルギーニのヘリテージ部門「ポロ・ストリコ」が細部まで忠実に再現
  • 映画の主役も: 映画『ミニミニ大作戦』のオープニングを飾った伝説のミウラがクラス優勝
ランボルギーニのクラシックカー部門「ポロストリコ」によってレストアされたミウラSVのリア全景

Image:Lamborghini


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永遠の都ローマに響く、12気筒の咆哮

2026年4月、イタリア・ローマで開催された第1回「アナンタラ・コンコルソ・ローマ」。

世界中から希少なクラシックカーが集結するこの華やかな舞台で、ランボルギーニが1台の歴史的傑作を披露しており、それが今回紹介する1972年製の「ミウラ SV」です。

ランボルギーニのクラシックカー部門「ポロストリコ」によってレストアされたミウラSVのフロント(ドアオープン)

Image:Lamborghini

「ミウラSV」はスーパーカーの元祖として知られるミウラの最終進化型ではありますが、今回お披露目されたこの個体は「長らく本来の姿を失っていた」といい、しかしランボルギーニ公式のレストア部門「ポロストリコ」の手によって、まるで新車時のような輝き、そして完璧な時代考証に基づいたアイデンティティを取り戻すことに成功したのだそう。

ランボルギーニのクラシックカー部門「ポロストリコ」によってレストアされたミウラSVのサイド

Image:Lamborghini

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細部に宿る「ポロ・ストリコ」の狂気的なこだわり

今回のレストアは「クルマを綺麗にするだけの作業」にとどまらず、「工場出荷時の状態に戻す」ことに主眼が置かれています。

2023年末にサンタアガタ・ボロネーゼ(ランボルギーニ本社)に運び込まれた際、この車は本来の仕様とは異なる状態にあったといい、しかしそこから3年、ポロストリコは膨大な資料を紐解くことで当時の姿を正確に再現することに成功したわけですね。

ランボルギーニのクラシックカー部門「ポロストリコ」によってレストアされたミウラSVのインテリア

Image:Lamborghini

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復元された主なディテール

  • 外装: フロントフェンダーのグリル、ドアハンドルのフィン、当時の規制に適合したリアルーバーを完全に再現
  • 足回り: 八角形のセンターロックハブを修復し、伝説のテストドライバー、ボブ・ウォレスにちなんだ「ボブ・タイプ」のエキゾーストパイプを装着
ランボルギーニのクラシックカー部門「ポロストリコ」によってレストアされたミウラSVのテールパイプ

Image:Lamborghini

ランボルギーニ・ミウラ(ゴールド、ランボルギーニ博物館にて)
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  • 内装: コンパクトなステアリングホイール、延長されたハンドブレーキレバー、さらには当時のエアコン準備仕様まで復元
  • 色彩の追求: 「Luci del Bosco(森の光)」と名付けられた絶妙なブラウンの外装色と、セナペ(マスタード)の内装色を再現。同じ色名でも年式によって変化する繊細な色調を、歴史的調査によって特定し再現
ランボルギーニのクラシックカー部門「ポロストリコ」によってレストアされたミウラSVのインテリア

Image:Lamborghini


スペックと背景:世界初のスーパーカー「ミウラ」

項目ミウラ SV(1972年型)の特徴
エンジン3.9L V型12気筒(ミッドシップレイアウト)
進化のポイントミウラの最終進化型。リアサスペンションの改良、ボディの拡幅
レストア期間3年(徹底した歴史調査を含む)
公式認定ランボルギーニ・ポロ・ストリコによる真正性証明書付き
ランボルギーニのクラシックカー部門「ポロストリコ」によってレストアされたミウラSVのリア

Image:Lamborghini

ランボルギーニの伝説「SV」が意味するもの:ミウラの「Spinto Veloce」から現代の「SuperVeloce」まで。ミウラの「SV」は「リスキー」をあらわしていた?
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ちなみにミウラの初期モデルで特徴的であった「まつ毛」はSVだと見られず、これは「コストの関係で採用が見送られた」と言われていますね。

ランボルギーニのクラシックカー部門「ポロストリコ」によってレストアされたミウラSVのヘッドライト

Image:Lamborghini

ランボルギーニ・ミウラSV
ランボルギーニ・ミウラSVは今年で50周年!ミウラSVで「まつ毛」が採用されなかったのは「製造に手間がかかるから」だった!

さて、ランボルギーニが「ミウラSVが50周年を迎えた」と発表。ミウラシリーズ最初の市販モデルであるミウラ「P400」は1966年に発売されており、その後1968年には「ミウラS」、そして1971年には ...

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市場での位置付け:映画『ミニミニ大作戦』の伝説も華を添える

今回のイベントでは、もう1台の「主役」が注目を浴びた、と報告されており、それがこの1969年の映画『ミニミニ大作戦(The Italian Job)』のオープニングシーンに登場した1968年製ミウラ P400。

このクルマは劇中で破壊されたと思われていたものの、実は(破壊されたのはレプリカであって)実車はこっそりと生存しており、2019年にポロ・ストリコによって認定・修復されています。

今回のコンクールでは「クラス優勝」に加え、映画界との強い繋がりを称える「ラ・ヴェットゥーラ・ディ・チネチッタ」賞を受賞しており、ミウラ誕生60周年の節目にふさわしい快挙となったようですね。

ランボルギーニのクラシックカー部門「ポロストリコ」によってレストアされたミウラSV(オレンジ)

Image:Lamborghini

ランボルギーニ・ミウラ
50年間、コレクターたちが探し続けた「ミニミニ大作戦」に登場のミウラ。ついにそのミウラが発見され、ランボルギーニも「間違いない」と認める

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関連知識:ポロストリコが守る「ブランドの魂」

なぜ、メーカー自らがここまで手間をかけて古い車を直すのか?

それは、クラシックカーの価値が「どれだけオリジナルに近いか」で決まるからで、ランボルギーニの公式アーカイブにアクセスできるポロストリコだけが、「工場を出た瞬間の正解」を知っているというわけですね。

ランボルギーニのクラシックカー部門「ポロストリコ」によってレストアされたミウラSVのインテリア

Image:Lamborghini

そしてクラシックカーの価値を担保するということは現代のランボルギーニの価値を高めるということにも直結し、よってポロストリコの活動は「趣味の世界」を飛び越え、ランボルギーニというブランドの歴史的価値、そして現在のスーパーカーたちの「血統」を守るための聖域として機能している、ということに。

ランボルギーニのクラシックカー部門「ポロストリコ」によってレストアされたミウラSVのシフトレバー

Image:Lamborghini


結論:ミウラは、永遠に色褪せない

「ミウラ SVを本来の姿に戻すことは、ブランドの歴史的遺産を高める重要な機会です」とはランボルギーニのポロストリコ責任者。

3年の歳月を経て蘇ったブラウンのミウラ SVははイタリアの情熱と執念が詰まった「走る芸術品、そしてスーパーカーの歴史」でもあり、半世紀以上の時を経てなお最新のスーパーカーをも圧倒するそのオーラは、ぼくらに「本物の美しさは、決して古びない」ということを教えてくれます。

ランボルギーニ・ミウラの歴史的資料

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参照:Lamborghini

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