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なぜウルスは「ランボルギーニ史上、最も重要な一台」なのか?スーパーSUVがブランドを救った理由、そして欠かせない存在である理由とは

ドバイのランボルギーニディーラーにて、オレンジのウルス

| ウルスなくして今のランボルギーニは存在しない |

スーパーカーの常識を覆した「猛牛SUV」の真価

「ランボルギーニといえば、低く構えた2ドアのスーパーカー」――そんな固定観念を打ち破り、2018年に登場したのがウルス(Urus)です。

純粋主義者の中には「SUVなんてランボルギーニじゃない」と感じる人もいるかもしれませんが、しかし事実はその逆で、「ウルスこそが、現在のランボルギーニが最高のスーパーカーを作り続けられる理由そのもの」。

ここでは、ウルスがなぜ「史上最も重要なモデル」と呼ばれるのか、その核心に迫りたいと思います。

記事のポイント:3分でわかるウルスの重要性

  • ブランドの救世主: 売上の約60%を占め、次世代スーパーカー開発の資金源となっている
  • 新規顧客の獲得: 購入者の約70%が「初めてランボルギーニを買う」ユーザー
  • 圧倒的スペック: 最新の「ウルス SE」は789馬力を誇るプラグインハイブリッド(PHEV)
  • 物理法則への挑戦: 家族を乗せられる実用性と、サーキットを走れる走行性能を両立
ランボルギーニ・ウルスのデザインスケッチ(ランボルギーニマガジンより)

詳細:ビジネスと情熱の完璧な融合

ランボルギーニがウルスを投入したのは「流行への便乗」が一つの理由であったことは間違いなく、しかしもっとも大きな理由は「ビジネスとして利益を上げ、ブランドを存続させるための戦略的必然性」。

”ランボルギーニとSUV”というと、両者の印象に「ギャップ」があるように感じますが、実はかつて80年代に「LM002」という伝説的なSUVが存在し、こちらは「世界初のラグジュアリーSUV」として知られています。

そしてウルスはその精神を現代に蘇らせたクルマということになり、アウディやポルシェ、ベントレーと同じ「MLBプラットフォーム」をベースにしつつもランボルギーニらしい過激なチューニングが施された「スーパーSUV=SSUV」として解き放たれたわけですね。

ランボルギーニ LM002(ゴールド、ランボルギーニ博物館での展示)

シニアロードテスターのイアン・ライト氏はこう語ります。

「SUVのヒットは、パフォーマンスカーメーカーがスポーツカーを作り続けるための『必須条件』だ。ウルスはランボルギーニのスーパーカーと同じくらい派手で、運転が楽しい。荷物や子供を乗せている時以外は、物理法則を無視した走りを見せる。」

そのルーツは「ウルス・コンセプト」

市販モデルのウルスの直接のルーツは2012年に発表された「ウルス・コンセプト」にありますが、この時点でランボルギーニは「ガヤルドとアヴェンタドール」という2つのラインアップしか持たず、そしていずれも「ミドシップスポーツ」であったために客層に限りがあり、大きな成長が見込めない状態にあったのもまた事実。

時計の針を少しだけ戻すと、ランボルギーニは2008年に「エストーケ コンセプト」を発表し、市販直前まで進むものの、同時期に発生したリーマンショックによってこの計画は「お蔵入り」に。

ランボルギーニ博物館に展示されるエストーケ・コンセプト(リア)
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その後2012年に発表されたのがウルス・コンセプトで、この「4年間」の間にランボルギーニは「新しく追加する車種につき、セダンからSUVへと変更」したということになりますが、この4年の空白期間に自動車業界にて生じた変化は「セダンが廃れ、人気のボディ形状がSUVへ」という流れ。

この流れの発端はポルシェ・カイエンやメルセデス・ベンツMクラス似合ったことは間違いなく、よってランボルギーニもこの流れに乗った、というのがウルス登場の経緯となります。

ランボルギーニ・ウルス・コンセプト(レッド、静止、ランボルギーニ博物館にて)

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ただ、ウルス・コンセプトの発表から市販バージョンのウルスの登場までは6年を要していますが、これは「少量生産者メーカー」であったランボルギーニにとって、まったく新しいモデルを投入することのハードルが非常に高かったためで、主には工場を新設したり、それに伴う工作機械や人員の確保が(資金的に)困難であり、そのため親会社であるフォルクスワーゲングループからの(ウルス生産のための)承認をなかなか取り付けることができずにいて、しかしそこへ助け舟を出したのがイタリア政府。

ウルスの投入によって雇用が創出され、そして輸出によって外貨を獲得できると踏んだイタリア政府がランボルギーニへと「ウルスを生産するよう」働きかけ、優遇税制その他モロモロの恩恵を提示することで「ランボルギーニ、そしてフォルクスワーゲングループの重い腰を上げさせた」というわけですね。

ランボルギーニ・ウルスのデザインスケッチ

そしてウルス投入後のランボルギーニの業績の伸びは凄まじく、ただ単に売上や利益を押し上げただけではなく、新たな顧客をランボルギーニへと呼び込み、そしてブランド内で顧客を還流させ、SNS上での露出を拡大し、様々な、そしてそれまでには想像すらしなかったチャンスをランボルギーニへともたらしています。※2024年以降はモデル別の販売構成が公開されてないが、ウルスの構成比は60%程度だとされる

2000年以降のランボルギーニの販売台数を示したグラフ


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直近だとウルスには3つの主要なラインアップがあり、しかし現在注文可能なのは電動化へと舵を切った最新の「SE」のみ。※今後、ウルスのラインアップはすべてPHEVに集約。ウルスSとウルス ペルフォルマンテは受注残分を生産すれば終了に

2026年最新モデル スペック比較表

モデルエンジン最高出力0-100km/h加速特徴
ウルス SE4.0L V8 PHEV789 hp3.4秒最新の電動モデル。EV走行も可能。
ウルス S4.0L V8 ツインターボ657 hp3.4秒汎用性の高い標準モデル。
ウルス Performante4.0L V8 ツインターボ657 hp3.3秒カーボン多用の軽量・競技志向モデル。
ブルーのランボルギーニ・ウルス(静止、ドバイの正規ディーラーにて)

各モデルの注目ポイント

  • ウルス SE (Hybrid): 189馬力の電気モーターを組み合わせ、圧倒的なパワーと37マイル(約60km)のEV航行距離を実現。環境性能以上に「パフォーマンス向上」のためのハイブリッド化
  • ウルス S: 最もバランスの取れたモデル。22〜23インチの巨大なホイールやカーボンルーフなど、カスタマイズの幅が広いのが魅力
  • ウルス Performante: 「SUVでサーキットを走る」ための1台。ワイドトレッド化され、ピレリP Zero Trofeo Rタイヤを装着可能な、まさにスーパーSUV
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ライバルとの比較

ウルスが切り拓いた「スーパーSUV」市場には、現在強力なライバルがひしめいており・・・。

  1. フェラーリ・プロサングエ: ウルス最大のライバル。V12自然吸気エンジンにこだわり、価格もウルスより高価ではあるものの、よりスポーツカーに近いパッケージングを採用
  2. ポルシェ・カイエン: このセグメントの先駆者。より実用的で、電動化(EVモデル)も進んでいる
  3. ベントレー・ベンテイガ: 走りの性能よりも「究極のラグジュアリー」に振った性格を持つ
  4. アストンマーティンDBX 707: 価格、出力、キャラクターともに「もっとも」ウルスに近く、もっとも競合する可能性が高い
フェラーリ プロサングエ(シルバー)のヘッドライト

このほか、新生アルピナから登場するであろうSUV、メルセデスAMGが投入すると言われる新型エレクトリックSUVなどこの市場がますますブルーオーシャン化することも予想され、しかしウルスはこの中において「最もエキゾチックで、最も刺激にあふれる」選択しとして圧倒的な支持を得ている、というのが現在の状況です(ランボルギーニのスーパーカーラインアップのイメージがウルスに対して好影響を与えていることも間違いない)。


結論:ウルスがあるから、未来のスーパーカーがある

ウルスは「ランボルギーニが利益のため、悪魔に魂を売り渡したクルマ」という批判はもはや的外れであり、ランボルギーニは2025年にブランド史上最高の10,747台のデリバリーを記録したものの、その屋台骨を支えているのは間違いなくこのSUV。

ウルスが稼ぎ出す莫大な利益があるからこそ、ランボルギーニは「レヴエルト」のようなV12エンジンを搭載した次世代スーパーカーを開発し続けることができるというわけですね。

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