サウジの公的資金がパガーニの株式を購入したとの報道！ただしあくまでも主導権はパガーニにあり、潤沢な資金を用いてさらに魅力的なハイパーカーを開発するようだ

｜　サウジアラビアにとっては理想的な投資先だとも考えられる　｜

エレクトリック化のため多額の開発資金を要するパガーニにとっては「渡りに船」

さて、サウジアラビアの公共投資基金（PIF）が、ハイパーカーメーカーであるパガーニの車両開発資金を提供するため、パガーニ（Horacio Pagani SpA）に出資を行ったとの報道。

なお、これは単純な資金提供（貸付け）ではなく、株式を買い取る対価としてパガーニへとお金を渡したと報じられているので、「株主として出資」ということになりますね（どれくらいの株式を買い取ったのかは明かされていない）。

パガーニ創業者、オラチオ・パガーニ氏は現地メディアに対し、「今回のPIF契約については当社の長期的な成長戦略における重要なステップであり、次期ハイパーカーがユニークな感動を伝え続けるための必要な開発資金を担保することになる」とコメント。

パガーニはウアイラ後継を発表する時期に来ていますが、ちょっと前の報道だと「ピュアエレクトリック」という話もあり（ひとまずガソリンバージョンが登場し、2025年にEV版が発売されるという話も）、となるとこれまでとは根本的に異なるクルマを作る必要があるため、多額の開発資金を必要とすることになり、そこで今回サウジアラビアの公的等敷金が登場したということになりそうです。

パガーニはこういった成り立ちを持っている

パガーニ創業者であるオラチオ・パガーニ氏はアルゼンチン出身で、ただただクルマが好きな人であり、クルマを作ることに携わりたいと考えて「スーパーカーの聖地」イタリアへと単身渡ることに。

ただしなんらかのコネクションがあったわけではなく、しばしテント生活（つまりホームレス）を経験した後、なんとかランボルギーニの床掃除という職にありつきます。

そこからは持ち前のクリエイティビティを発揮して車両の設計に携わるようになり（大学でもデザインとエンジニアリングを学び、在学中にF2マシンを作ったりしたことがある）、最終的には技術主任にまで登りつめることに成功。

そこで担当したのが「カウンタック25thアニバーサリー」で、このクルマはランボルギーニにとってはじめてカーボン素材を使用したクルマとなり、ここでオラチオ・パガーニ氏はカーボンファイバーに未来を見出します。

そしてオラチオ・パガーニ氏は「フルカーボンシャシー」を採用したスーパーカーを作ろうと考えて会社（ランボルギーニ）へとその旨上申し、カーボンシャシーを焼成するための窯を購入してくれるよう頼むものの、当事（1988年くらい）業績が悪化し、いくつかの親会社のもとを転々としていたランボルギーニにその余裕はなく、そこでランボルギーニを辞して興したのが自分の会社が「パガーニ」。

今でこそ様々なハイパーカーメーカーが名乗りを上げるものの、当事は新興ハイパーカーメーカーの存在自体が珍しく、しかしパガーニの成功の理由は「カーボン製シャシー」「細部にまこだわったクラフトマンシップ」「メルセデスAMG製のV12エンジン」だとぼくは推測。

とくにこのAMG製V12エンジンが果たした役割は非常に大きく（これが当事無名の会社であったパガーニの信用を保証した）、これについては同郷であるアルゼンチン出身のレーシングドライバー、ファン・マヌエル・ファンジオがAMGとの仲を取り持ってくれたとされています。

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参照：Arab News