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ホンダ・プリュードが復活?「ポルシェ並みのボディ剛性」「フェラーリより低いボンネット」「世界初の4WS装着車」としての矜持を見せるか

2020/07/16

| ただし今回の「新型プレリュード」はデザイナーの世界においてのみ存在 |

コンセプトデザイナー、Georgi Bozhkov氏が「ホンダ・プレリュード・ビジョン・コンセプト」を公開。

このホンダ・プレリュード・ビジョン・コンセプトについて、同氏が2013年にスタートさせた「トヨタFT-1と、日産GT-Rに対抗するホンダのスポーツカーを」というプロジェクトの延長線上にあり、時間をかけて磨き上げてきた作品なのだそう(たしかにFT-1の面影が感じられる)。

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ホンダ・プレリュードはこんなクルマ

ホンダ・プレリュードは1978年~2001年にホンダが製造していた”スペシャルティカー”で、すでに絶滅した種族、そしてクルマということになります。

初代(SN)は1978年にホンダのフラッグシップとして登場し、2代目(AB/BA)ではリトラクタブル・ヘッドライトを採用するなどスポーティーかつ洗練されたルックスを持つに至っています。

ちなみにこの2代目より、「運転席側から、助手席シートバックを一発で倒せる(助手席の女性を押し倒せる)」リクライニングノブが装着され、この装備によって一気に”デートカー”としての地位を高めることに。※この機能は最後のプレリュードにまで継承された

3代目(BA)プレリュードは1987年に発売され、ここ最近になってランボルギーニやポルシェ、フェラーリが装備している(ポルシェはかつてヴァイザッハ・アクスルとして採用したこともあったが)4輪操舵、つまり4WSをいち早く(上位グレードに)採用したことがトピック。※画像は当時ぼくが乗っていたプレリュード。ぼくのは「XX」だったので4WSはついてない

この4WSは当時世界初の機能であり、さらに「ボンネットは(ミドシップの)フェラーリよりも低い」という触れ込みもあってスポーツカー好きにも大きく訴求することとなっています。

当時現役だったグランドシビックに比較すると大きく重く、S13シルビアのターボモデルに比較するとアンダーパワーだったために峠では苦戦することになりますが、この4WDを生かした「下り」はけっこう速く、いすゞ・ピアッツァとともに、「上りは遅いが、ダウンヒルで相当に速かったクルマ」という記憶が残ります。

当時のフェラーリよりも低いボンネット。ホンダ・プレリュード(1991-1993)

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4代目(BA/BB)プレリュードは1991年に登場。

専用設計のボディシェルを持ち、ボディ剛性は「ポルシェ並み」と言われ、エンジンには2.2リッターVTEC(200PS)を採用するなど、当時としてはかなり高いポテンシャルを持った一台。

ただ、FFとしてはかなり大柄なボディを持っていて、コンパクトな三菱FTOには旋回性能で劣り、高速走行にはS14シルビアに遅れを取るといった、いまひとつ活躍するステージを見いだせなかったという印象もあります。

ただし後期モデルでは水平指針の自発光式メーターを採用するなど内外装の先進性が高く、いいクルマだったな、と記憶しています。※画像はぼくの乗っていたプレリュード

2台目のプレリュード。大きく進化したBA型(1993-1994)

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1996年登場となる最後の「5代目」プレリュードは「ATTS」なる、三菱ランサー・エボリューションにも採用されたAYC(アクティブ・ヨー・コントロール)同様の左右トルクスプリット機能が与えられ、走行性能が大きく向上したことが特徴。※これが現行NSXに採用されるSH-AWDのベースになっている

しかしながら時代はすでに「若者のクルマ離れ」を迎えており、かつコンパクトカーやミニバンの台頭によって”スペシャルティカー”は虫の息となってしまい、残念ながら販売終了となってしまったワケですね。

ただし海外では比較的人気が高く、それにつられて日本の在庫(中古車)も相場をどんどん上がっているようですね。

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現代にプレリュードが蘇るとこんなクルマに?

そしてこちらがデザイナー氏の考えた「現代版プレリュード」。

スタイルはインスピレーション元のFT-1と強く意識したことが伺えます。

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前後オーバーハングは極端に短く、強く傾斜したラップアラウンドウインドウを採用。

サイドステップにはウイングレットが見られます。

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ボディサイドから入ったエアはそのままリアに抜ける構造を持っていて、これは「前面投影面積の縮小」を考慮したものかもしれません。

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リアフェンダーの一部、そしてリアウイングはフェラーリFXX K同様に「フロート構造」。

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リアエンドにはリトラクタブル式のスポイラーを備え、これが持ち上がることで「フロートした」リアウイング左右の”橋渡し”を行うようですね。

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同時にマイルドな「スパロー」クーペコンセプトも公開

なお、Georgi Bozhkov氏は「プレリュード・ヴィジョン・コンセプト」のほかに「スパロー・クーペ・コンセプト」も公開。

名前こそ異なるものの、プレリュード・ヴィジョン・コンセプトの市販バージョンだと考えて良さそう。

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画像を見ると、よりボディ幅は縮められ、タイヤサイズも縮小され、ドアミラーが現実的な形状とサイズに。

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リアフェンダーもややトーンが落とされ、市販車として許容できるデザインに抑えられています。

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リアもやはり現実的なデザイン/構造を持っているようですね(ちょっとケーニグセグっぽい)。

おそらくは「スポーツクーペ」としてのプレリュードが復活するのは(ホンダの財政的余裕や、該当セグメントの市場規模から見て)難しいと思われるものの、ホンダはその名称を使い回す傾向があり、たとえばインテグラやビート、トゥデイ、ストリームは「クルマからバイク、もしくはバイクからクルマ」へと姿を変えてその名称が継続されていて、日本では廃止になったものの海外では現在でも使用されている(シティ等の)例があり、もはやプレリュードと呼べるクルマではなくなったとしても、なんらかの形でその名は復活し、そして生き残ることを期待しています。

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参照: Georgi BozhkovBehance.net

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