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マツダがおよそ10年ぶりにロータリエンジン搭載車「MX-30 e-Skyactiv R-EV」発表!EVモードでの航続距離は85km、欧州での価格はピュアEV版MX-30と同等から

マツダがおよそ10年ぶりにロータリエンジン搭載車「MX-30 e-Skyactiv R-EV」発表!EVモードでの航続距離は85km、欧州での価格はピュアEV版MX-30と同等から

| もう少しすればレンジエクステンダーであってもガソリンエンジンの搭載はできなくなり、存在意義の薄いクルマなのは間違いない |

マツダは「時代を見誤った感」を禁じ得ない

さて、RX-8の特別仕様車「スピリットR」にてロータリーエンジン搭載車の販売を終了させてから約10年後の今、マツダがついにロータリーエンジン搭載車を復活させることに。

そのロータリーエンジン搭載車とはブリュッセル・モーターショーにて発表された「MX-30 e-Skyactiv R-EV」であり、しかしこれに搭載されるロータリーエンジンはレンジエクステンダーつまりEV用バッテリーのための発電機として機能するもので、このロータリーエンジンそのものは残念ながら直接の駆動力には直結しないという仕様です。※読みは「エムエックス サーティー イースカイアクティブ アールイーブイ」

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ロータリーエンジンの出力は75馬力

なお、このロータリーエンジンの最高出力は75馬力(4,700回転)にとどまっており、最大トルクは116Nm、排気量は830cc、圧縮比はかなり高めの11.9:1。

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その役割は上述のとおりレンジエクステンダーということになりますが、50Lのガソリンタンクから提供される燃料を使用すればMX-30の航続距離を(17.8kWhのリチウムイオンバッテリーに電力を供給することで)最大600kmにまで向上させることが可能です。

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ただ、それでもマツダはMX-30 e-Skyactiv R-EVにてレンジエクステンダーが使用されることは少ないだろうと見積もっており、マツダの言葉を借りるならば、「MX-30 e-Skyactiv R-EVのEVモードでの航続可能距離はWLTPによる電気自動車航続距離(複合サイクル)で85kmなので、1日走るぶんにはレンジエクステンダーを作動させなくても十分」。

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しかしながら(すでに発売しているピュアEV版の)MX-30ではその航続距離の短さが指摘されており、このマツダの考え方はやや楽観的にすぎるのかもしれません。

マツダMX-30
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加えてガソリンエンジンを積むということから「完全なるEV」として見做さない人々も多いと思われ、かつどんな形であってもガソリンエンジンを積むクルマの販売が早い地域では2030年、そして欧州では2035年から禁止されることを考慮すると、このMX-30 e-Skyactiv R-EVの存在はちょっと「半端」かもしれませんね。

mazda-mx-30-e-skyactiv-r-ev-2023

バッテリーの充電にかかる時間だと、11kWのコンセントからだとフル充電までに1時間40分、DC接続(36kW)だと残量20%から80%まで充電するのに25分で済むそうですが、これはバッテリー容量が少ないがゆえの(充電時間が短くて済むという)ひとつのメリットかも。

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パフォーマンスについて触れておくと、MX-30 e-Skyactiv R-EVは、0-100km/h加速にかかるのは9.1秒、最高速度は電子制御で140km/hに制限されており、これらの数字についてはバッテリーの消耗を防ぐために「性能を抑えている」と考て良さそうですね。

ちなみに車体重量は1,703kgだとアナウンスされています。

マツダMX-30 e-Skyactiv R-EVのグレードは5種類

マツダMX-30 e-Skyactiv R-EVのグレードは5つあり、興味深いのは「もっとも安価なグレードだと、ピュアEV版のMX-30と同じ35,990ユーロ」に設定されていることで、これはマツダMX-30 e-Skyactiv R-EVのバッテリーパックが17.8kWhと小さく、ピュアEV版MX-30(35.5kWh)の約半分にとどまるためだと思われます。

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ちなみにガソリンエンジンを使用した場合だとWLTPサイクルで100kmあたりわずか1リットルという驚異的な低燃費に換算することができ、その際のCO1排出量はわずか21g/km(1.5リッターガソリン車の1/7くらい)。

そしてMX-30 e-Skyactiv R-EVのトップグレードがこの「Edition R(エディションR)」で、レッドを効果的に使用したスタイリングがなかなかカッコいいと思います。

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黒基調のボディカラーとインテリアカラーを持ち、ルーフサイドにはマツダ初の乗用車、R360クーペのルーフ色を復刻したというマローンルージュメタリックを使用している、とのこと。

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なお、フロアマットやシートのヘッドレストには、(ロータリーエンジンの)ローター形状をイメージしたバッジやエンボス加工などが用いられ、MX-30 e-Skyactiv R-EVならではのデザインが用いられています。

ただ、画像を見るかぎりでは、MX-30のひとつの内装の特徴であった「コルク」が使用されていないようで、そこはちょっと残念かもしれません(マツダの前身は1920年創業の東洋コルク工業である)。

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参考までに、走行モードはいずれのグレードであっても「EVモード」「ノーマルモード」「チャージモード」の3つで、これらを使い分けることでMX-30のテーマでもある「わたしらしく生きる」を実現させることができそうでもありますね。

mazda-mx-30-e-skyactiv-r-ev-2023

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参照:MAZDA

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