｜ その機能もスゴいがデザインもスゴい ｜
三菱が東京モーターショーにて、「Mi-TECH CONCEPT（マイテック・コンセプト）」発表。
マイテック・コンセプトのキーワードは「光と風を感じながら大地を駆け抜ける電動SUV」。
電動といえどピュアEVではなくPHEVとなりますが、そのシステムは小型軽量化されており、搭載されるモーターは4つ。
この4つはインホイールではなく前後車軸に2個づつ搭載されることになり、駆動方式は4WDを採用。
三菱いわく、三菱のブランドメッセージである「Drive your Ambition」を体現したコンセプトカー、とのことです。
三菱「Mi-TECHコンセプトはこんなクルマ
ミツビシ・マイテック・コンセプトは見たままの「バギー」。
デザインにあたってはドライバーの冒険心をくすぐるということを前提にしたとアナウンスされていますが、最近のミツビシっぽいダイナミックなデザインを持っています。
一部の自動車メーカーは、ランプ類など自動車を構成するパーツを「小さく」してゆく傾向にあるものの、ミツビシでは逆にそれらを巨大化させており、よって最新のデリカD:5を見ると「とんでもないインパクトだな」と感じます。
ボディカラーは、ライトブルー、そして「モーターコイルをモチーフとしたカッパー」をアクセントに採用。
なお、最近は多くのコンセプトカーが「カッパー」をアクセントとして取り入れていますが、今はじめて「カッパーを使用するのは、モーターのコイル＝エレクトリックカーであることを強調していたのか」と気付かされることに（メルセデス・ベンツEQSもやはりカッパーアクセントを持っている）。
話が逸れましたが、ミツビシ・マイテック・コンセプトはフロントに「非貫通の」ダイナミックシールドを持ち、ヘッドライトとテールランプは横向きの「T字」。
バンパー下部にはスキッドガード、サイドにはロックガード風のステップが装着され、その高い走破性を視覚的に表現しています。
全体的には非常に特殊なデザインを持っていて、ミツビシいわく「金属のインゴットを切削機械で切り出したような」と表現しており、まさにマイテックコンセプトのデザインは”塊”といった印象そのもの。
リアにおいてもその印象は変わらず、さらには4基の「ガスタービン」エンジンがメカニカルさを強調。
このガスタービンエンジンのおかげでPHEVシステムを軽量化できたとのことですが、ガソリンのほか、ディーゼル、灯油、アルコールも使用可能。
使用できる燃料の種類を増やすことで、地域や環境に関係なく走行でき、環境やエネルギー問題に対しても柔軟に対応できるのが特徴です（日本だと、クルマを灯油で走らせると脱税になりそう）。
4WDシステムはランエボ譲りのAYC
駆動方式は4WDで、その構造は上述の通り「前後に2個づつ」モーターを搭載する「クアッドモーター4WDシステム」。
これにミツビシの誇る車両運動統合制御システム「S-AWC」 を組み合わせることになりますが、これはランサーエボリューションにも採用されていた左右トルクスプリットシステム「AYC」を電動化、そして前後に搭載したもの。
なお、「左右の車輪を別々のモーターで駆動する」というメリットとして、（戦車のように）左右車輪を逆方向に回転させることが可能となり、それによって「その場で180度ターン」という、常識はずれの動きもできるようですね。
ミツビシらしく先進装備も
そしてエレクトロニクス分野に強いミツビシならではの装備も多く見られ、代表的なものはセンサーが検知した情報をフロントウインドウ内側に映し出すARシステム（残念なことにカッコいい名前は与えられていない）。
これによって、視界が悪いときでも周囲の状況を把握できる、としています。
非常に魅力的なクルマではありますが、現在のところこのマイテック・コンセプトは文字通り「コンセプトカーにとどまる」ようで、市販化を期待するのは難しそう。
しかしながら、いざ発売されるとなると、アメリカ西海岸や、中東で高い人気を誇ることになるかもしれませんね。
VIA:MITSUBISHI