| ダイハツやスズキ、スバルといったトヨタの子会社、関連会社を含むと日本の自動車業界はトヨタに支配されていると考えていい |
さて、2020年12月の販売データとともに、2020年通年での数値も更新されており、ここでそれらを見てみたいと思います。
通年で1位を獲得したのはトヨタ・ヤリスで、これは2020年通年での販売がなされていないかったことを考えると驚くべき結果だと言えそうですね。
逆に「売れなかった」のはプリウス(12位、前年比53.6%)とアクア(14位、前年比57.4%)ですが、かつての上位常連モデルの見る影もない、という印象です(2021年はもっと下がりそうだ)。
その他こういった変動も
そのほか大きく動いているのはトヨタ・ハリアー(182.3%)、MAZDA2(253.9%)、CX-30(297.8%)、ジムニー(153.3%)といったところ。
ただしCX-30は直近で販売が目に見えて減っており、2021年には「負け組」に分類されるかもしれません。
逆に下がったところだとトヨタ・タンク(47.8%)、日産エクストレイル(55.6%)、トヨタ・ヴェルファイア(49.1%)、ホンダ・シャトル(54.1%)、マツダCX-8(60.3%)、日産リーフ(57.0%)といった面々。
日産は(ランキング中だと)前年より売れたクルマは何一つなく、まだまだ夜明けは遠いという感じですね。
2020年通年での国内自動車販売ランキングはこうなっている
今月の順位 | メーカー | 車名 | 今月の販売台数 | 前年比 |
1 | トヨタ | ヤリス | 151,766 | -% |
2 | トヨタ | ライズ | 126,038 | 759.2% |
3 | トヨタ | カローラ | 118,276 | 113.3% |
4 | ホンダ | フィット | 98,210 | 132.0% |
5 | トヨタ | アルファード | 90,748 | 132.1% |
6 | トヨタ | ルーミー | 87,242 | 95.2% |
7 | ホンダ | フリード | 76,283 | 89.1% |
8 | トヨタ | シエンタ | 72,689 | 65.6% |
9 | 日産 | ノート | 72,205 | 60.9% |
10 | トヨタ | ヴォクシー | 69,517 | 79.0% |
11 | 日産 | セレナ | 68,648 | 73.8% |
12 | トヨタ | プリウス | 67,297 | 53.6% |
13 | トヨタ | ハリアー | 66,067 | 182.3% |
14 | トヨタ | アクア | 59,548 | 57.4% |
15 | トヨタ | RAV4 | 54,848 | 101.6% |
16 | トヨタ | ノア | 45,434 | 86.2% |
17 | スズキ | ソリオ | 40,342 | 90.7% |
18 | スバル | インプレッサ | 36,658 | 83.7% |
19 | トヨタ | タンク | 35,591 | 47.8% |
20 | ホンダ | ステップワゴン | 34,441 | 65.4% |
21 | トヨタ | C-HR | 33,676 | 60.5% |
22 | トヨタ | パッソ | 32,968 | 80.4% |
23 | ホンダ | ヴェゼル | 32,931 | 58.9% |
24 | ダイハツ | ロッキー | 31,153 | 399.0% |
25 | マツダ | MAZDA2 | 28,368 | 253.9% |
26 | スズキ | スイフト | 28,108 | 84.6% |
27 | マツダ | CX-30 | 27,006 | 297.8% |
28 | トヨタ | エスクァイア | 26,368 | 62.1% |
29 | トヨタ | ランドクルーザー | 26,296 | 92.3% |
30 | マツダ | CX-5 | 24,222 | 76.8% |
31 | スバル | フォレスター | 24,056 | 74.3% |
32 | トヨタ | クラウン | 22,173 | 61.4% |
33 | 日産 | エクストレイル | 20,280 | 55.6% |
34 | ダイハツ | トール | 19,699 | 73.7% |
35 | マツダ | MAZDA3 | 19,215 | 77.9% |
36 | 日産 | キックス | 18,326 | -% |
37 | トヨタ | ヴェルファイア | 18,004 | 49.1% |
38 | ホンダ | シャトル | 16,703 | 54.1% |
39 | スズキ | ジムニーワゴン | 16,603 | 153.3% |
40 | スズキ | クロスビー | 15,546 | 64.5% |
41 | マツダ | CX-8 | 14,047 | 60.3% |
42 | スバル | レヴォーグ | 12,111 | 95.2% |
43 | トヨタ | カムリ | 12,085 | 62.9% |
44 | 日産 | リーフ | 11,286 | 57.0% |
45 | 三菱 | デリカD5 | 11,157 | 55.5% |
46 | トヨタ | ヴィッツ | 10,419 | 12.8% |
47 | ホンダ | オデッセイ | 9,717 | 66.5% |
48 | トヨタ | UX250h | 9,116 | 63.3% |
49 | トヨタ | ハイエースワゴン | 8,677 | 84.4% |
50 | マツダ | CX-3 | 7,617 | 77.0% |
2020年の各自動車メーカー/ブランド別販売はこうなっている
そしてこちらは2020年における、軽自動車を除く乗用車販売実績。
全体では12.2%減少していますが、その中で唯一伸ばしたのがダイハツ。
これはロッキーの影響が大きいと思われ、そしてこのトヨタ版「ライズ」を製造していることを考慮するに、ダイハツの2020年はそうとうに「いい年だった」のかも(それだけの生産能力を持っていたということにも驚かされる)。
反面、三菱と日産にとってはかなり厳しい1年になったとも言えそうですね。
トヨタの軍門に下るしか生き残る道はない?
なお、ダイハツの例を見ても、販売力のあるトヨタにOEM供給を行うのは、その会社が生き残るのには「非常にいい方法」だとも考えられます。
つまり自社ブランドではさほど売る力がなくとも、代わりにトヨタが売ってくれるのであればということですね。
その意味だと、マツダが現在開発を進めている「直6エンジン」「FRプラットフォーム」についても、トヨタが「マツダができる範囲をゆうに超える」数量を販売してくれるものと思われ、マツダのブランド力強化につながらなくとも、収益改善、ひいては(そのお金をもって)魅力的な自社の製品開発に繋がる可能性もありそうです。
ブランド | 台数 | 前年比 | シェア |
ダイハツ | 55,984台 | 128.4% | 2.26% |
ホンダ | 293,800台 | 82.2% | 11.85% |
レクサス | 49,059台 | 78.6% | 1.98% |
マツダ | 130,601台 | 85.7% | 5.24% |
三菱 | 27,489台 | 59.1% | 1.11% |
日産 | 210,959台 | 69.2% | 8.51% |
スバル | 84,773台 | 80.7% | 3.42% |
スズキ | 107,238台 | 87.9% | 4.33% |
トヨタ | 1,264,064台 | 95.1% | 50.99% |
合計(その他含む) | 2,478,832台 | 87.8% |
参照:日本自動車販売協会連合