| しばらくは目にすることも難しそうだ |
トヨタがついに新型スープラを発売。
スープラのファンイベント「Supra is back to Japan」にあわせての発売ですが、ボディカラー「マットストームグレーメタリック(RZのみ)」は本年度生産わずか24台のみとされ、これについては「抽選販売」。
申込みは5月17日(金)から6月14日(金)の間にて行われ、当選の発表はニュルブルクリンク24時間レース決勝日に発表する、とのこと。
新型スープラは明確に「BMWとの共同開発」と発表
新型スープラの取扱店はトヨタ店、トヨペット店、トヨタカローラ店、ネッツ店となり、新型スープラの骨子としては下記の通り。※トヨタによるプレスリリースはこちら
・ピュアスポーツカーとしての基本性能を追求した車両パッケージ ・スポーツカーとしてのパッケージ・レイアウトの特長を活かしたデザイン ・走りを支える技術と、世界の道で鍛えた運動性能 ・先進の予防安全性能と、「安全・安心」「快適・便利」なコネクティッドサービス ・新たなクルマの楽しみ方を提案する「TOYOTA GAZOO Racing Recorder」 |
なお、トヨタは新型スープラの発表にあたり、下記の通り紹介しています。
興味深いのは「BMWとの提携による開発」と述べていること。
今さらそれの隠しようもありませんが、提携先を明確に発表するのはけっこう珍しい例だと思います。
新型スープラは、TOYOTA GAZOO Racingが展開するスポーツカーシリーズ「GR」初となるグローバルモデルです。
2007年にドイツのニュルブルクリンク24時間耐久レースに初めて参戦してから現在まで、モータースポーツを通じて人とクルマを鍛える「もっといいクルマづくり」に取り組んできました。
これまでの取り組みでTOYOTA GAZOO Racingが蓄積してきた知見やノウハウを注ぎ、お客様に心から走りを楽しんでもらえるクルマ「GR Supra」として新たに誕生しました。
今回、新型スープラは、BMW社との包括提携による初の商品であり、マグナ・シュタイヤー社グラーツ工場(オーストリア)で生産しています。海路にて運ばれた後、トヨタ自動車元町工場を経由し、日本中のお客様にお届けします。
5代目*となる新型車は、2002年に生産終了してから17年ぶりの復活です。
初代スープラが1978年に誕生して以降、どの世代でも直列6気筒エンジンを積んだFR車であったことは共通しており、新型車でもこの2つを継承しました。
加えて今回は、「ホイールベース」「トレッド」「重心高」の3つの基本要素にこだわり、ピュアスポーツカーにふさわしいハンドリング性能を実現しました。
なお、新型スープラの価格は下記の通りで、グレード含め、すでに「仮」にて予約受付を行っていた際と変更はありません。
グレード | エンジン | トランスミッション | 駆動方式 | 価格 |
SZ | B48(2リッター) | 8速スポーツAT | FR | 490万円 |
SZ-R | B48(2リッター) | 8速スポーツAT | FR | 590万円 |
RZ | B58(3リッター) | 8速スポーツAT | FR | 690万円 |
新型スープラは「ピュアスポーツ」
新型スープラについて、トヨタがこれまで何度も強調してきた通り、「ぴゃ雨スポーツ」ということを改めて紹介。
ホイールベースが86よりも100ミリ短い2470ミリであること、ホイールベースとトレッドの比率は1.55で、他社製スポーツカーと比較しても数字が小さくコーナリング性能に優れること、86よりも重心が低いこと、前後重量配分が50:50であることについて言及しています。
デザインコンセプトは「Condensed Extreme L6 FR “TOYOTA” Sports」
新型スープラのデザインコンセプトは「Condensed Extreme L6 FR “TOYOTA” Sports」。
これについて、トヨタは下記の3つを特徴として掲げています。
・ショートホイールベースと大径タイヤにより、タイヤの存在を強調するサイドビューパッケージ
・2シーターらしいタイトなキャビンと、ワイドトレッドからなるスーパーワイドスタンス
・直6FRロングノーズ・ショートキャビンシルエット
そのほか、ボディの基本立体についてはリフト(揚力)を抑えることを重視し、前後の空力バランス最適化に注力。
加えて空気抵抗低減が期待できる(前面投影面積が小さくなる)ダブルバブルルーフの採用にはじまり、ヘッドライトを車体中央側に寄せてフェンダーのボリュームを大きく見せたり、凝縮したボディデザインの採用など、2000GTや先代80スープラからのヘリテージを継承した、と述べています。
なお、ボディカラーについては計8色(マットストームグレーメタリック含む)。
一方インテリアにおいては「見晴らし」「車両姿勢変化をつかみやすい」ということを意識した水平基調を採用し(水平なデザインにそんな意味があったとは)、タイトなコクピット、視認性の高いメーターレイアウト、ホールド性の高いハイバックシート等、サーキット走行体験に基づいた設計がなされているようですね。
なお、メーター表示については「センターにレブカウンター」が表示されますが、これはBMWだと「Mモデル」でしか行えないレイアウトだと記憶しており、これについてはトヨタ独自のプログラムを採用していると考えて良さそうです(トヨタはLFAでも液晶メーターを採用し、そのノウハウは十分にある)。
内装色については、「イグニッションレッド」と「ブラック」の二色が選択可能。
新型スープラの動力性能は「世界で鍛えられた」
新型スープラのボディ剛性については、これまで「86の二倍」と伝えられてきましたが、正式発表においては「2.5倍」。
これはカーボン製キャビンを持つレクサスLFAを超える、とのこと。
エンジンはBMW由来の2リッター直4ターボ(197PS/258PS)、そして3リッター直6ターボ(340PS)という構成です。
サスペンションについては「フロントサスペンションとサブフレームはアルミ製」採用、RZには「アダプティブバリアブルサスペンションシステム(連続減衰力可変式サスペンション)」を採用。
デフについては「電子制御」となり、ロック率を0~100まで可変制御できるようですね。
新型スープラは「つながる」「安全・安心」
いかにBMWと共同開発といえど、そこはトヨタ車なので、安全性やコネクティッドサービスについても高いレベルを提供し、 安全性については「プリクラッシュセーフティ(ミリ波レーダー+単眼カメラ方式)」 「ブラインドスポットモニター」 「レーダークルーズコントロール(全車速追従機能付)」 「レーンディパーチャーアラート」 を備え、コネクティッドサービスについてはスープラ専用の「Toyota Supra Connect」が搭載されています。
これは車両の遠隔操作や状況確認ができる「リモートサービス」 、バッテリー電圧低下を知らせてくれる「バッテリーガード」が主な機能だと紹介されています。
そしておそらく日本仕様専用装備と思われるのが「TOYOTA GAZOO Racing Recorder」。
いわゆるテレメトリーシステムで、「アクセル、ブレーキ、ステアリング、シフトポジションなどのドライバーの操作情報、車速、エンジン回転数、加速度などの各種センサーの値、および車両の位置と方位情報をSDカードへ記録」でき、記録した情報は専用アプリ「GAZOO Racing Data Viewer」で表示可能。
トヨタの「本気」が伝わってくる装備でもありますね。
すでにトヨタはスープラの製品ページも公開しており今から注文しても2020年1月以降の出荷となることが記載され、つまりそこから海上輸送を経るために納車は「今から1年先」。
なお、スープラについては「受注生産」というスタンスを取るようで、最短でも納車は8ヶ月先だとも記載されています。