| 来年のル・マン24時間レースには待望の「ハイパーカークラス」が設立される |
トヨタは「来年のル・マンにはGRスーパースポーツをベースにしたクルマで参戦する」と発表していますが、間を置かずにその「GRスーパースポーツ」をサーキットにてテストする様子を動画にて公開しています。
そしてそのステアリングホイールを握るのはトヨタ自動車社長、豊田章男氏。
なお、同氏はモータースポーツ活動を行う際には「モリゾウ」名義を使用しているので、この場合「ドライバーはモリゾウ」と表現したほうが正しいのかもしれませんね。
GRスーパースポーツが走行する風景は「初」
動画では走行するGRスーパースポーツの内外装、そしてモリゾウ氏含むピットの様子を見ることができます。
なお、動画にある「友山プレジデント」とはGazoo Racingを率いる友山茂樹氏のことで、トヨタは各部署の統括者を「プレジデント」と表現することで知られます。※”プレジデント”は日産のフラッグシップサルーン名(販売終了)としても知られている
そしてこちらはGRスーパースポーツのインテリア。
カーボン製のバスタブシャシーやダッシュボードなどが確認できますね。
ステアリングホイールのセンターはカーボン製、外周はアルカンターラ巻き。
面白いのは各種設定についてステアリングホイール上で行うのではなくセンターコンソールにて行うということで、これは多くのレーシングカーやフォーミュラマシンとは異なる部分です。
メーターは非常にシンプルな構成を持ち、センターコンソールの上部には後方を映し出す小さなディスプレイも確認可能。
ドアミラーはコンベンショナルな「フェンダーミラー」を採用しており、アストンマーティン・ヴァルキリーや、マクラーレン・スピードテールのような「カメラ方式」ではないのも興味深い点(トヨタは世界で最初にドアミラーレスを市販車にて実現した)。
トヨタGRスーパースポーツはこんなクルマ
トヨタGRスーパースポーツは2018年6月に発表された、「公道走行可能な」レーシングカー。
すでに市販化が公言されていますが、GRスーパースポーツはもともと公道走行を前提に高性能車を開発したのではなく、「まんま」レーシングカーを市販するという考え方を採用しているのがミソであり、この部分は他のハイパーカーと大きく異なる部分です。
なお、GRスーパースポーツのスペックは下記の通りで、昨年そして今年のル・マン24時間レースでも勝利した「トヨタTS050ハイブリッド」と共通のパワートレーンを持つことが特徴。
GRスーパースポーツコンセプト エンジン:V型6気筒直噴ツインターボ エンジン排気量:2,400cc 出力:735kW/1000ps(エンジン+ハイブリッドモーター) ハイブリッドシステム:トヨタハイブリッドシステム・レーシング(THS-R) ホイールサイズ:F18×13J R18×13J タイヤサイズ:F330/710R18 R330/710R18 |
なお、TS050のロードゴーイングバージョンということになるので、その性能はもちろん「価格」についても常識外れになると思われますが、トヨタいわく「性能も価格もハイパー」。
ただ、その価格や発売時期について何も公表しておらず、にもかかわらず「20人くらいの注文が既に入っている」ということもトヨタから明かされていますね。
2020/2021シーズンからはル・マンのクラス分けが変更される
なお、現在(2019/2020シーズン)のル・マンと、その次(2020/2021シーズン)のル・マンでは、そのクラス分けが変更されます。
現在ル・マンのトップカテゴリは「LMP1」で、トヨタTS050ハイブリッドはこれに属するものの、翌シーズンからは「ハイパーカークラス」が設立されることになりますが、よくシーズンのトヨタはTS050ハイブリッドではなく、GRスーパースポーツをベースにした車両で戦うことを表明済みです。
このクラスについてはまだまだ調整が必要なためかマシンの詳細は発表されておらず、現時点では一枚のレンダリングが公開されているのみ。
この「ハイパーカークラス向け」GRスーパースポーツについてはトヨタ本社、東富士研究所、そして欧州におけるトヨタのモータースポーツ拠点であるTMG(TOYOTA MOTORSPORT GmbH)にて開発が行われる、とのこと。
今回の動画についても「来年に向けての開発風景」を収めたものだと思いますが、ハイパーカークラスの設立は大きくル・マンを盛り上げてくれることになりそうですね。
それでは動画を見てみよう
こちらが来季のル・マン24時間レース仕様となるGRスーパースポーツをテストする動画、「モリゾウ&友山プレジテント”GR Super sports concept” テストドライブ at 富士スピードウェイ」。