| 北米ではMAZDA2と兄弟、欧州では別の設計を持つ? |
トヨタは「ヴィッツ」の名称を「ヤリス」へと改める意向を示しており、おそらくは「フルモデルチェンジ」にあわせてヤリスへと移行するものと思われます。
そして、その新型ヤリスはすでに北米にて「マツダ・デミオ(MAZDA2)とのバッジ違い」として発表済みではありますが、今回ニュルブルクリンクで目撃されたのはおそらく「ヤリスGRMN」もしくは「ヤリスGR Sport」思われるホットモデル。
そろそろGRもややこしくなってきた
トヨタは現行ヴィッツにおいても「ヴィッツGR」「ヴィッツGR Sport」「ヴィッツGRMN」を発売しているものの、ここでややこしいのは、それらは意味合いが異なる、ということ。
トヨタはモータースポーツ部門を「Gazoo Racing」へと集約させており、そのイメージを市販車へと投影させることでビジネスを拡大しようとしていますが、その中で「GR Sport」はそのモータースポーツの「雰囲気」を反映させたもので、「GR」はモータースポーツへの参加を意識した車両、そして「GRMN」はGazoo racingが企画開発したコンプリートカー。
現行ヴィッツの場合は、「ヴィッツGR」が109馬力/2,076,840円、「ヴィッツGR Sport」が109馬力/2,292,840円、しかし「ヴィッツGRMN」は212馬力/400万円。
その差はどこから来るのかということですが、ヴィッツGRMNは「スーパーチャージャー搭載」がほかとの相違で、それにあわせて車体やサスペンションの強化が行われ、トルセンLSD搭載などが採用されています。
このプロトタイプがヤリスGRMNと思える理由
前置きが長くなりましたが、この車両が「ヴィッツGRMN」だと思われるのは、軽量ホイールを装着(ヴィッツGRMNもBBS製の軽量ホイールを装着)していること、そして大きなテールゲートスポイラーを持つこと、ルーフスポイラーも変更されていること、など。
ちなみにGRMNの「MN」とはMeister of Nürburgring(マイスター・オブ・ニュルブルクリンク)の意味でもあり、今回ニュルブルクリンクを走行しているところからも「やはりヤリスGRMNでは」という想像もできますね。
なお、こちらは通常の「ヤリス」。
こちらは今回目撃されたプロトタイプのリア。
通常ヤリスのリアはこう。
トヨタはもはや純血にこだわらない
そして最近のトヨタで驚かされるのが「自社開発にこだわらない」ということ。
新型スープラがBMWと共同開発されたことは有名ですが、トヨタは「ヨソと開発した」クルマをGRブランドの核、そしてトヨタブランドのスポーツカーにおけるフラッグシップに据え、さらにはニュルブルクリンク24時間はじめレースにも参戦しています。
さらに「ヤリス」においても、トヨタは伝統的にラリーにこれを参戦させ、このままだとデミオ(MAZDA2)のOEMである新型ヤリスを、やはりモータースポーツに参戦させることになりそう。
そしてその場合、「ヨソの開発したクルマで、トヨタの看板を背負って戦う」ことになるわけですね。
これはちょっと前の(プライドの高い)トヨタであれば信じがたい出来事でもあり、しかし現豊田章男社長体制になったのち、これだけトヨタが変化し、かつ「純血にこだわっていれば生き残れない時代になった」ということなのだと思われます。
ただ、トヨタは新型ヤリスを「仕様地によって設計を分ける」とも言われていて、北米はMAZDA2のOEM版、しかし欧州(と日本?)では自社設計の車体を使用する、という話も。
VIA:CARSCOOPS