| ボクは新型ランクル300について、世界のラグジュアリーSUVと戦える先進性と快適性を持ち、しかし外観は「レトロ」になると考えている |
ベストカーWEBにて、2020年8月上旬にランドクルーザーがフルモデルチェンジを迎え、「ランクル300」へとスイッチする、との報道。
現行のランクル200の登場は2007年9月18日であるために12年ぶりのモデルチェンジとなること、「TNGA」プラットフォームを採用すること、ラダーフレーム構造を採用することについても触れています。
ここで「あれ?TNGAにはラダーフレームなんかなんじゃないの?」と思ってしまいますが、TNGAは2012年当初の「主にプラットフォームを指す」設計思想から「クルマ全体の設計に対する考え方」へと範囲を広げることに。
トヨタは「もっといいクルマづくり」を掲げる
そしてTNGAについては当初から「もっといいクルマづくり」を掲げていますが、まず始めたのがプラットフォームの刷新と共通化。
これは性能向上とコスト削減両方の面から推し進められたと考えられるものの、現在TNGA思想に基づくプラットフォームは、乗用車用としてGA-L(レクサスLS/LC/クラウンなどFR系)、GA-K(カムリ、アバロン、RAV4などFFベース)、GA-C(プリウスやC-HRなどコンパクト系)、ヤリスにて初採用されたGA-Bが存在。
そして最近ではプラットフォームが一段落してTNGAは「パワートレーン」にも波及し、エンジンやトランスミッション含むドライブトレーンにまで刷新の波が及んでいます。
これらいずれにも共通するのは「共通化」というキーワードであり、というのもトヨタは「市場ニーズやお客様の嗜好に合わせ」多種多様なクルマを展開し、「すべての要望を拾う」ことをヨシとしているからで、しかしそれには「車種分の開発コストやパーツ在庫コスト」がかかるわけですね。
よってトヨタは「最小限のパーツで最大限の車種」を開発し発売することで「マーケットシェアを拡大したい」と考えていて、そのためには無駄を徹底的に省かねばなりません。
そこで登場するのがTNGA思想による共通化、そして「社内競業の禁止」といった考え方ですが、これはある程度ランクルにも適用される可能性が大。
次期ランドクルーザーは「大きく変えない」?「大きく進化させる」?
そこでラダーフレームはランクルの「核」として残されるとして、エンジンやサスペンションはトヨタの他モデルと共通化される可能性が高いのでは、と考えています。
ベストカーでは「現在採用される4.6Lから3.5L/V6ハイブリッドに」エンジンが変更されると報道していて、これも共通化や現在の流れからすると「妥当」。
中国市場では4リッターを境に税金が大きく変わるので、4リッター以下に収めるのは必須だとも言えそうですが、ハイブリッドシステムにTNGA思想によって設計された「THSII」が採用されるのかどうかは気になるところ。
加えて4WDシステムについても現在のオーセンティックなシステムからトヨタの新型4WD「ダイナミックトルクベクタリング4WD」が採用されるかどうかが注目すべき点。
さらにはトランスミッションもCVT(これもTNGA思想のダイレクトシフトCVTか)へ変更されると報じられ、仮に「ハイブリッド」「トルクベクタリング4WD」「CVT」が採用されるとなると、現行のランクルとは大きな乖離を持つということになります。
ランクルは「極限の地」で使用されることが多く、よって「どこでも修理できる」ことも重要な要件だと考えられますが、もしTNGA思想をフルに取り入れて「先に行き過ぎると」未開の奥地で壊れた際に修理が難しい、ということにもなりかねません。
そして、おそらくは「修理」を考えたためか、新型メルセデス・ベンツGクラスは「行き過ぎない」程度の変更に抑え、同社の(テクノロジー寄りの)GLEやGLSとの共通点がかなり低くなっているようです。
そういった意味では、ランドクルーザーについて、「あまりに変えすぎると」ユーザーの期待や実情を裏切ってしまうことになり、しかし前に進むためには「進化」しなくてはならず、またそれを期待するユーザーが存在することも事実。
なにより、新型ランクルはレクサスブランドでも「LX」として販売する必要があり、となるとBMW X7やメルセデス・ベンツGLS、アウディQ8、もしくはアストンマーティンDBXやベントレー・ベンテイガとも戦いうるポテンシャルを持たせておく必要も。
つまりや高いオンロード性能、環境性能、静粛性、快適性が求められ、もちろん「ランクル」として胸を張れるオフロード性能も欠かせません。
それに対応するためには、おそらく「ランクル300は一気にTNGA満載」でテクノロジー的にも先進的なクルマになり、一部「出先での修理」を考えなくてはならない地域については、現在同様「過去モデル」を併売するということになるだろうとも予想しています。
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現在予想される「ランクル300」のスペックはこうなっている
そしてベストカーでは、エンジンについては上述のとおり「3.5Lハイブリッド(299PS)」と予想しており、ボディサイズについては現行と近い全長4950ミリ、全幅1980ミリ、全高1870ミリ、しかしホイールベース延長の可能性を指摘。
乗員は8人乗りと5人乗りの2タイプ、シート素材は本革/モケット/トリコット、タイヤサイズは17/18/20、最上位のトヨタセーフティセンスを備え、コネクトナビは8インチへ拡大すると予想しています。
エクステリアデザインについては「現行のシンプルなデザインから、直線基調でワイルド」になるとも推測しており、つまりは「原点回帰」となるのかもしれません。
なお、フロントは「大型横線メッキグリル」採用とも言われ、レクサスやアルファード/ヴェルファイアのように「前面がほぼグリル」なデザインが採用される可能性も。
ただ、ぼくとしては、トヨタがJAXAと共同にて開発する月面車(有人与圧ローバ)について「40系ランクル」の顔つきを採用してきたこと、現在各車が「過去の車のヘリテージ」を活用して成功を収めているという業界の流れ(スズキ・ジムニーやメルセデス・ベンツGクラスはもちろん、フェラーリのようなスーパースポーツまでも同様)を鑑み、かつクルマ好きの豊田章男社長のことなので「こういったトレンド」を無視するはずはないとも考えていて、「新型ランクル300は”過去を意識した”」デザインになるだろうとも予想しています。
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VIA:Bestcar WEB