| 実際のところ、GRスープラはかなり速いクルマだと考えていい |
さて、トヨタGRスープラとポルシェ718ケイマンGT4とがドラッグレースにて競うという動画が公開に(意外とこの対決は無かったような気がする)。
結論を先に言ってしまうと、なんとGRスープラは718ケイマンGT4に勝利。
トヨタのGazooRacing Company GR開発統括部チーフエンジニアである多田哲哉氏としては、GRスープラ開発時の目標として「ポルシェに勝つ」というものがあったと聞きますが、今回は718ケイマンのトップレンジ「GT4」に勝利しており、その願いがかなったということになりそうですね。
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まずはポルシェ718ケイマンGT4、トヨタGRスープラのスペックを比較してみよう
ポルシェ718ケイマンGT4は4リッター・フラットシックス(自然吸気)を搭載して420馬力を発生。
エンジンはリアミッドに搭載され、6速マニュアル・トランスミッションを介して後輪を駆動します。
車体重量は1,420kg、0-100km/h加速は4.4秒だとアナウンスされています。
対するトヨタGRスープラは3リッター直6ターボをフロントに積み、8速ATを介し後輪を駆動。
出力は387馬力、車体重量は1,530kg、0-100km/h加速は4.1秒というスペックです。
実際に走ってみたらこうなった
まず出だしは驚くべきことに互角。
パワーウエイトレシオ、トラクションに優れるケイマンGT4のほうがリードしそうではありますが、そこから徐々に差が広がり、0-100km/h到達タイムは718ケイマンGT4が4.6秒、GRスープラは4.41秒。
ゼロヨンタイムだとGRスープラは12.51秒。
718ケイマンGT4は12.56秒。
ただし718ケイマンGT4の名誉のために言っておくと、718ケイマンGT4のトランスミッションは「マニュアル」なのでクラッチミートやシフトチェンジにてタイムをロスするのは間違いのないところ。
718ケイマンGT4と同程度の出力を誇るポルシェ911GT3だと、マニュアル・トランスミッション車はPDKに比較して0-100km/hタイムが0.5秒ほど遅いので、「もし」この718ケイマンGT4のトランスミッションがPDKであれば結果は逆転していたのかも。
ただし「勝負は勝負」であり、重量や馬力のビハインドをはねのけ、ターボパワーと多段ATにて勝利を獲得したGRスープラの勝利を讃えねばなるまい、と思います。
GRスープラは2020年、北米で唯一「前年比で」販売を落とさなかったトヨタ車だった
なお、2020年は自動車メーカーにとって非常にタフな年であり、トヨタにとってもそれは同様。
トヨタによると、2020年の北米市場において全体では11.9%の下落を記録しており、車種別だとカムリがマイナス12.2%、カローラが22.7%、タンドラ(トラック)がマイナス3.5%を記録し、「ただ一車種」を除いてすべてのモデルがマイナスに。
そしてその「ただ一車種」がスープラであり、これは5,887台を販売してなんと前年比104.1%(2倍以上)の成長を見せています。
ただしこれにはカラクリがあって、2019年においては6月つまり年央から販売が開始され、2020年は通年で販売が行われたため。
それでも販売期間と台数とを比較すると「前年並みのペース」と考えることができ、2年目に入っても人気を落とさず、しかもコロナ禍においても順調に販売を積んできたことは称賛に値すると言って良さそうです。
GRスープラとポルシェ718ケイマンGT4とのドラッグレースを収めた動画はこちら
https://www.youtube.com/watch?v=kcKEvpWRSPk&feature=emb_logo合わせて読みたい、関連投稿
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参照:CAR Magazine